見出し画像

マッチングアプリ

マッチングアプリで知り合った人とデートする友達にあーだーこーだ言うくせに自分はTinderで「趣味:お笑い」って書いてお笑いが好きです!ってメッセージを送ってきた人に地下お笑いマウントばっかとって一向に本気活用しないのはおかしいだろ!というリクエストにお応えしてマッチングアプリで知り合った人と飲みに行くを敢行した。結論から言うと、めっっっっっっちゃ向いてなかった!!!!!辛くて無理だった!!!!

会った人が悪かったとかではなく寧ろ多分良い人だった。同世代会社員くん。わたし大学も行ってないし、1秒でも早くフリーターになりたくて上京してきたから就職してなくて、週五で働いてるけど正社員じゃないから出世とかもなくて、表舞台に立つ時は平気な顔して有休ぶち込んで休みまくったりできて現状満足してる。でも同世代の会社員ってさ、上司と部下に挟まれて辟易してて「大学のサークルがいちばん楽しかった」とか言うじゃん。まじで理解できなくて、わたしはNATURE DANGER GANGをやってる時が信じらんないくらい楽しくて最高だったけど、今も全然めちゃくちゃ楽しい。同じ時代を生きてきたから小5の時ORANGERANGEが流行ったとか、中学の時BUMP派RAD派だったとかそういう話は出来て、でも別にそれだけで、飲んでるタイ料理屋で流れてる謎のMVが面白いことに共感してもらえなかったし、美味しいと思ったものが同じじゃなかった。食べ方も飲み方も汚くないし食事をすることは嫌じゃないけど別に一緒に食事しなくてもいいなって思っちゃうっていうか。相手に抱く感情はほとんど無だけどちょっとの罪悪感だけが心に残ってて、この人を笑顔にしたいっていうより笑顔にしてあげたほうがいいかも、みたいな。会う前に何度かやりとりをして大丈夫そうって思ってから会ってるから、コイツ嫌い!ムカつく!ブロック!ブロック!ブロック!とも思えない。これは水商売で「一杯頂いてもいいですか」って言えないのと同じ原理。好きとか嫌いとかじゃなくてただ単純に嫌な気持ちにさせたくないだけ。もっと言うとこの人嫌な気持ちになってるなって感じて自分が嫌な気持ちになりたくないだけ。水商売の一杯(キャストドリンク)って通常より高いじゃん。わたしは舞台上に立ってる自分が一番輝いてる自分だと思ってて、おしゃべりだけでお客様に夢と希望を与えてないのに高い一杯なんて貰えないよ!てか一杯どうぞって言ってもらえてない時点で魅力伝わってないじゃん!という点で、「一杯頂いてもいいですか」=嫌な気持ちって思ってる。そんなこともないらしいけど。

話は戻ってマッチングアプリ、同世代会社員くんは単純にわたしのことがタイプじゃなかっただけなのかもしれないけど全然エロに持っていこうとしてなくて、わたしはわたしでお得意の「後輩ヅラ」でエロから逃げたし、セックスする気もないからブラトップに綿のお腹まで隠れるパンツ履いてた。マッチングアプリってエロの目的しかないと思って挑んだのに全然エロくないことにちょっと腹立てて、でもエロに持ってかれたらキショ!って思うし、え?この時間はなんなんだ?もし同世代会社員くんがセックスをしたいのであれば、わたしと過ごす時間は極めて不毛だし、でも全然帰ろうとはしないの何?とか考えながら中野の歌謡曲バーで昭和アイドルのうんちく披露してた。同世代会社員くんは全然興味無いだろうに木綿のハンカチーフの歌詞全部説明したりして、間を埋めることに辛くなってバーのトイレに座って、目の前に貼ってあるマツモトクラブのフライヤーにホッとして「兄さんスイマセン!!!今日はほんとアザシタ!!ウス!!!!!お疲れした!!!!!!」って至極真っ当な後輩ムーブをぶちかましノーセックスでフィニッシュした。
深夜二時頃、中野から家まで歩く道で既に頭の中反省会を始めて落ち込んだ。同世代会社員くんが完全にエロで来ていたら嫌いになって終われたものの、最後まで「後輩すぎる」って笑ってて嫌いにならせてくれないことにも落ち込んだ。色恋の感情を忘れきってしまって、少しの仕草に「好き」を見い出せない自分にも落ち込んだ。気付いたら全部に落ち込んですっごい二日酔いになっていた。たった一回、マッチングアプリで知り合った人と飲みに行くだけでこんなに神経がすり減るなんて体が持たねえっすよ先輩!

マッチングアプリで知り合った人とデートする友達は偉くて凄い。会う相手が悪かったとか言わないでね。相手が誰であってもどう転んでもこうやって勝手に神経すり減らすからわたし。それっぽく取り繕って言葉にするの得意だからなんか良いように言ってるけど、つまるところわたしは自分に自信がなくて自意識過剰が行き過ぎた結果マッチングアプリを上手く使えないっつーこと!文章にしてやっと浄化できそう。そして会ったことに意味を持たせて後悔を止められそう。マッチングアプリは全部消した!自然色恋をすんだわたし!今度こそ恋をしよう2023

2022.12.1 モリィ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?