大人になってからの友達

ばったりと元同僚と再会した。
現職場での突然の再会に、一辺倒な挨拶しかできず。
家に帰って彼女との思い出をぼんやりと思い出していた。

わたし達は年齢も、歩んできた人生も、趣味も、何もかもが違ったけど、何となく気が合った。
別の部署で働いていたけど、お昼休みは一緒にお弁当を食べて、豆腐ダイエットをしているとか、高校野球に夢中なわたしの話を聞いてもらったり、わたしが好きなファッション誌が芸術的すぎてほぼ空白じゃんと笑いあったり。
思い返せば大して大きな出来事もなく、平穏な毎日だった。
彼女の娘さんが不登校になったと打ち明けてくれた時は、親身になって話を聞いた。
絶対彼女の力になりたいと思ったし、話すことで楽になればいいなと思った。

彼女が辞める時、本当に寂しくて引き止めたかったけど、長く同じ職場では働けないだったか働きたくないだったか、そういうよくわからないことを言い出すところが好きだったし、理解できなくもなくて、またおしゃべりしましょうと別れた。

思い返せば、彼女と人の悪口で盛り上がったことはなかった。
プライベートで遊ぶ約束もしなかった。
一緒にトイレに行きましょうとかいうくだらない提案はお互い全くしなかった。
そういう女の人って、実はそんなにいないということに、今更ながら気付く。

今度会ったら、初めての約束をしてみよう。
誰かに紹介する時は、元同僚ではなくお友達ですと言おう。
大人になってからの、シンプルな友達って素敵。

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