No title10-28

とっても好きなものがあった。
心躍る物がいつもそばにある。
とても好きな人がいた。
どうしても愛せざるを得ないほど、愛おしい人がいた。

過去の思い出を抱きしめて、こんな気取った文章を書いている。

わたしはいつも、引っ越したての部屋みたいに基本すっからかんだ。
穴の空いた心を持っていて、どれだけ愛されても満たされることがないんだろうなと思う。
寂しい。とても、悲しい。いつでも泣いている。涙はあんまり出ないけど。

そんな自分の心、傷つかないように傷つけないように抱きしめたままで
冷たい床で寒さに凍えながら、たまに、虚しいというだけで特に理由もない涙を流しながら、眠りにつく。

小説家になりたかった。文章はとても苦手だったから、諦めることにして
次は、できれは漫画が描けるようになりたかった。
漫画も小説も書けないから、人生におけるサントラみたいなものを作りたくて音楽のアルバム制作をした。
曲だけならかける気がした。

すべて初めからやりなおせるなら、わたしはなにを持って
どんな人生を選ぶのだろうか。
やり直しの聞かない人生の中で、たまにそんなことを考えてしまう

三重県で、シンガーソングライターをしています。代表曲は「ひかりとつき」など。サポートや投げ銭でいただいたお金は制作機材やサイトなどの維持費充てています。応援よろしくどーぞ!!!