”憧れ”なんて、なかった

母のことを「一生のあこがれ」と書いた記事がある。
さっき見ていたらなんか出てきたけど
今はそうは思わないな、なんて、すこしだけ悲しいような感想を抱いた。

死んだ人間は美化される。
美しく昇華され、それでもって成仏するのだろう。

母はわたしに対しては未練を残して死んだと思うが。
わたしは彼女が死んで３年経った今、いろいろなことに気が付いて
「いいおかあさん」であってほしいと願うこと、”残像”に縋ることをやめた。
あのひとはあのひとで人間だから、一生のあこがれになんてしないほうがいい。
別に悪く言いたいということはないけれど、わたしはわたしでいなくてはいけないなんてことを思うのだ。あこがれに固執しなくても、いいのだ。

将来の夢は？
子供のころに散々聞かれるテーマであるが、これは大人になっても一生付きまとう。わたしは現にそれに悩まされている気がする。

固定観念にとらわれてはいけないと思っている。
これもまた、然り。
どうしようもない頭の固さが心を支配していく。
こんな大人にはなりたくなかったな。