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【紹介】まちのいとなみ

代表曲といっても過言ではない、オリジナル曲。「まちのいとなみ」。
MVがあたらしくなりました。


映像の途中で散文が登場しますのでその散文の全文を掲載したいと思います。

この歌は終戦記念日をテーマにしたうたです。

まずは歌詞。

朝目が覚めて さえない頭で
浮世離れした 夢を歩いた

まだ気づけない幸せな頭と
クラゲになって およぐ街の美しさ

いつの間にかさ 知らない間にさ
おとなになってく おとなになってく

朝目が覚めて さえない頭で
浮世離れした 夢を歩いた
いつか目をふさいだ あの暗闇を
超えるには悲しい

気づかないふり 目覚めない心
なにもない なにもない

きらきらと光るきみを見上げるばかりでさ
切なくなるよ 悔しくもなるよ
幼い反抗心をしまって
旅に出ていく
旅に出ていく
【散文1】
水族館、暗闇の中。
クラゲの水槽だけが明るく、かがやいてみえた。
「クラゲは自ら泳がない。
水流に流されて生きている。」
そんなこと、言ってたなあ。
夕方に差し掛かった大通りには、水商売のキャッチと
居酒屋の客引き。
明るすぎる茶髪につけまつげの女子高生。
水族館で意気揚々と「泳がないクラゲ」について語った
彼はこの通りに出たとき
『この街も、クラゲの水槽だな』

そう言った。


【散文2】「はちがつのあの日」
8月
テレビをつければ
浮かれた市⺠が選ぶ、嫁にしたいNo.1タレントとして
人気を集めるフリーアナウンサー。
人気だなあ、この人。
画面の真ん中で話すのは忌々しい歴史のこと。
淡々と、時に心を痛めたような顔で、話を進めてく。
...あまり見たくない映像を添えて。
ほんとうにこんなことがあったんだ。
ぼんやりと幼いころに、今は亡き曽祖父が
泣きながらはなしていたことを思い出す。
テロップには「終戦記念日」

その特番にくぎ付けになっている同居人の横で、冷たい
⻨茶を飲み干す。
ああ、またお茶淹れなきゃな。
エアコンのきかない、むっとした空気の部屋で
なんでもない時間が流れていく。
特番が終わるころ
テレビにくぎ付けだった同居人に
「暑いしさ、水族館行こうよ」
と提案すれば、入場料払ってくれるならついてくよと
呆れた顔で話に乗ってくれた

電車で3駅くらいのところにある水族館。
そこでくらげをみるのが好きだ。


セルフライナーノーツみたいなものを書きたかったんですがそれはまた今度にする。

三重県で、シンガーソングライターをしています。代表曲は「ひかりとつき」など。サポートや投げ銭でいただいたお金は制作機材やサイトなどの維持費充てています。応援よろしくどーぞ!!!