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そうだ、やっぱり小説家になろう

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自己紹介を兼ねて、私が小説家デビューするまでの状況を綴っています。 #自己紹介
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激レアの経済小説家はひたすらユニークな人生を行く

三度目の最終選考。 会社を辞めてから2度目の挑戦である。 私は全部違う出版社の違う賞に応募している。 なぜこんなにあれこれ浮遊するのか。 それは私が所属するジャンルがないからだ。 何人かの編集者から言われたことがある。 「どの本棚に入れたらいいのかわからないんですよ」 そうだ……小説にはカテゴリーがある。 ミステリー小説、ファンタジー小説、ホラー小説、恋愛小説などなど。 結局私は経済小説というカテゴリーを選んだ。 さて、選考会。受賞作を選ぶとき、高杉良先生と幸田真音先生の

一行でも売れたらプロの文筆家

2008年、私は城山三郎経済小説大賞をいただき、ダイヤモンド社から「ロロ・ジョングランの歌声」を出版した。 以来、KADOKAWAや中央公論新社からも小説を出版している。 でも、小説を販売して生計を立てるにはほど遠い。もともと経済小説は取材が大変な分野で、経費が掛かる。私はODA業務で様々な国に行き、調査に慣れているので情報収集能力に長けていると思が、あくまでも報告書を書くための情報であって、小説のためのものではない。だから、まじめに一冊書こうとすると、印税よりも取材費の方が

小説新人賞の受賞戦略とは

最終選考で落ちた私は、選評を何度も読んだ。そしてWEBの小説コンテストの受賞ノウハウのような記事を読み漁った。 そしてわかったことがある。 最終選考まで残る小説は技術的にもストーリー的にも遜色はない。でも、その出版社や審査員の嗜好に合致していないといけないのだ。 私が選んだテーマは国際協力の現場。 舞台は内戦終結から間もないカンボジア。復興のための調査で地雷原を行く日本人女性と、ぶつかり合いながらも友情をはぐくんでいく相手国の登場人物。地雷原を抜け、誘拐やテロ、空爆に遭遇