あぜ道
道を歩く一人の男性
あぜ道を歩く
お日様の光がまぶしく
左の手を額にかざし、影をつくる
汗がしたたり落ちハンカチで拭う
すれ違う年配の女性
畑仕事の途中のようであった
あぜ道を歩き続けていくと
分かれ道で足が止まった
空には入道雲がもくもくと広がっていく
自分はどちらの道を選んでいくべきか
したたり落ちる汗を拭きながら
頭を空っぽにしてつぶやく
「僕の分岐点は今ここなのだろうな」
背中を丸め、今までの人生を振り返る
妻の顔が浮かび、笑顔が脳裏をよぎるり、君はどこに行ってしまったのだろう?と目頭を熱くにじませる
彼女のやさしさがあふれる笑顔を思い出す
君は今どこにいるのだろう?
僕を置いてどこにいってしまったんだい?
分かれ道で我に返り、暗くなった空を眺め、ぽつぽつと濡れる地面に目を落とす
君のいる道はこっちなのだろうかと先ほど見かけた女性の後ろ姿が遠くに見える道を選ぶことにした
君にもう一度逢いたいと強くなった雨音を聴きながら、歩みを進めることにした
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