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この身燃え尽きるまで〜1人のグラインダーの手記〜

0.はじめに

先日、晴れる屋トーナメントセンターのチャンピオンズカッププレミアム予選で勝利し、11月のチャンピオンズカップファイナルの権利を獲得した。

決して楽な旅ではなかった。チームメイトが次々と抜けていくのを横目に見ながら、多くのチャンスを取りこぼし、一時期は自暴自棄にもなりかけた。
だが、8月の最後まで苦しみ、足掻き続けた自分だからこそ同胞たるグラインダーたちに何か残せるものがあるかもしれない。その想いで筆をとる。

ここに書いたのは1人のグラインダーの手記である。しばらくは自分語り100%の気持ち悪い文章が続いている。イゼット独創力について手っ取り早く読みたい人は11.まで飛んでいただきたい。

1.7月1週目

チャンピオンズカップ店舗予選がこの週からスタートした。本当はスタンダードで行われる町田の予選に出たかった(日本選手権のために死ぬほどスタンをやってたため)が、予約でいっぱいだったため、当日受付しかないバトロコ水戸(片道2時間)まで遠征した。しかもモダンでの開催。狂っているが、誘ってくれた友達(mkhr)もいたため、情熱と相棒のグリシャだけカバンに詰めて水戸に向かった。結果は予選3-0-1からSE1回勝ちで望外の1発抜け。ちなみに一緒に行ったmkhrはiskw先生に負けてSE負けだった

なおkanisterのdiscordにあったショートガイドだけ読んでほぼ初回し


2.7月2週目

晴れる屋郡山店プレミアム予選は仕事の関係で参加出来ずに見送ったが、チームメイトの28くんが抜け
自分は翌日の晴れる屋吉祥寺店プレミアム予選に参加。デッキは普通の緑単信心。kanisterがこの時期やたら回しており、自分のMOのテストでもデッキパワーが抜けていることが明らかであって当初はこれ以外のデッキを使うのはあり得ないと思っていた。しかし、日本の雑多なメタゲームで勝てるかどうかはわからず、どこか心にしこりを残しながら持っていった。バント人間に反射魔道士出されまくった後にラクドスミッドレンジに絶滅の契機を撃たれまくって0-2。まあこういうこともあるかという感じ。自分が納得しないデッキを持ち込む時は0-2するというジンクスを思い出して納得した。この日はチームメイトのokrnとどみなんとさんが抜けたこのチーム強過ぎないか?

3.7月3週目

この週は関東圏にめぼしいプレミアム予選がなく、日曜のパイオニア神挑戦者決定戦に参加。デッキは前週28くんとokrnが抜けたイゼットフェニックス。ラクドスミッドレンジとの相性が悪いことについて世間では騒がれていたが、チームのテストの中でひたすらリソースをとるというプレイ指針を明確にしておけばほぼ落とさないマッチアップであると分かり、かなり楽は出来た(対ラクドスミッドレンジ4-0)が、赤単と緑単に負けて6-2のトップ16でSEまで一歩届かず。チームメイトのjgさんは3没してた。



4.7月4週目

この週は晴れる屋静岡店と晴れる屋名古屋店のプレミアム予選連戦があった。当然情熱とイゼフェニだけカバンに詰めて遠征
静岡店は4-0-2から緑単信心に負けて1没。初手に《氷の中の存在》が来るまで厳し目にマリガンすることでfavorableとなるマッチアップだが、2体の《氷の中の存在》のサイコロが1のまま3ターン何も起きずに負け。そんなことある?ちなみにここでもjgさんは3没していた。
名古屋店はいいところなく2-2ドロップ。かなりイゼフェニは意識され始めており、上位卓からはほぼ死滅していた。


5.7月5週目

友達の結婚式があり不参加。

6.8月1週目

この週はコミかる伊勢崎店とコミかる高崎店のプレミアム予選連戦があった。群馬は東京なため当然参戦
ほぼ2週間空いており、この間に自分はイゼフェニ以外の可能性を模索した。その際見つけたデッキが知る人ぞ知るMOの王ことBeenewが回していた《朽ちゆくレギサウルス》入りアブザンパルヘリオンであった。

3/7/6バニラのデメリットまでしゃぶり尽くせる構築

自分は常々アブザンパルヘリオンに弱いカードばっかり入っているのが許せなかったので、このリストの衝撃は凄まじかった。早速デッキを回したところ、レギサウルスがラクドスサクリファイス以外のあらゆるデッキに対して高いパフォーマンスを発揮することが判明し、音速で4にした。また、《未練残り》も白マナがキツいため、枚数を削った。その関係で脂牙へのアクセスが難しくなると判断し、《異界の進化》を試したところ思ったより感触が良く、サイドボードの《長老ガーガロス》にアクセスし易くなるところも評価し、本番でも採用した。アブザンパルヘリオンは《大いなる創造者、カーン》が入っているデッキ以外は基本有利〜5分で、緑単信心もカーンが出て来なければ勝てるため、かなり立ち位置が良いと判断し、この連戦を心中することに決めた。

個人的にパイオニアで1番の癌


伊勢崎店は5-1からロータスコンボに勝ち、緑単信心に負けて2没。先手のカーンキツ過ぎぃ!!(即フラグ回収)
高崎店は5-1-1からmkhrの緑単t黒信心に負けて1没。メイン戦は後手かつ1マリガンという苦しい展開ながら2ターン目思考囲い2枚を自分と相手に打って後手3ターン目パルヘリオンをキメるもカンパニーから緑騎兵からニクソスカンパニー裏まで繋がって椅子から転げ落ちてそのままマッチロスとなった。mkhrはその勢いのままラクドスサクリファイスにダブマリさせた上に相手の思考囲いに対して公開したハンドが強過ぎてそのまま投了させて権利を獲得していた。この男あまりにも強過ぎる。



7.8月2週目

この週はバトロコ高田馬場(国民の休日)とピノキオとMINT渋谷のプレミアム予選があった。先週2連続でトップ8に入った感触の良さもあり、全部アブザンパルヘリオンで乗り込んだ。
バトロコ高田馬場は初っ端ラクドス独創力に負けのロケットスタートから3-1で耐えるも松村さんのバント人間に負けて目なし。集団的蛮行の撃ち方間違えて相手のライフ2残って負けてめちゃくちゃ沁みた。
ピノキオは4-0-2からデッキシェアしたいんでぃごさんにクソブン回られて負けて1没。あまりにもしょーもなさ過ぎる。この日はTTUMさんが抜けた。緑単最強。
MINT渋谷は古えのPWCを思い出す新大久保で開催されてエモさが爆発した(小並感) 初っ端うららさんの白単にトリマリして轢き殺され、その後3-1で耐えるもまた松村さんのバント人間に負けて目なし。あまりにもアブパルを狩る形をし過ぎている。


8.8月3週目

この週はBMO併設のクソデカプレミアム予選に参加。デッキに関しては先週からアブザンパルヘリオンが意識され過ぎていると感じ、テストして感触の良かったイゼット独創力を持ち込んだ。元ネタはすでにプレミアム予選を同デッキで抜けておられるYojiro氏のリストを参考にした。氏のnote記事曰く、ラクドスミッドレンジと緑単信心に有利なデッキであり、toughなマッチアップは基本的に青系だけとのこと。「イゼフェニが死滅した世界線ならかなりありなのでは?しかも流行り始めたアブパルにも3点火力いっぱい積めて有利そう!」という考えでリーグ回したら1発目で音速の5-0。さすがにデッキが強過ぎた。
「これは貰ったで」と思いながらプレミアム予選に参加した。結果は4-2目なし。なんと負けはイゼフェニ×2。会場(参加規模200人程度)見回してもイゼフェニ使ってる人は片手で数えられるぐらいしかいないのに何故こんなことに・・・。しかも最後のイゼフェニ戦は3本目にもつれ込んで、相手のフルタップ起動ストームジャイアントを凄いスピードでキャストした《船砕きの怪物》でブロックして観戦者たちが自分の勝ちを確信してどこかに散っていった後に3ターン土地と打ち消ししか引かずにフェニックスが空を3往復して負けという体たらくであった。こんなにツカんことあるかね!!
チームメイトのiskw先生は3位決定戦を×○○で捲って抜けていた。普通にウルっと来た。そしてチーム強過ぎる。


9.8月4週目

この週は事実上のプレミアム予選ラストチャンスであった。関東圏は魔窟晴れる屋トーナメントセンターのみの開催。実に176人の猛者たちが集まる恐ろしい大会となった。ここでの使用デッキもイゼット独創力だが、リストはMOグラインダーの盟友ミネストと細部まで精査し、納得のいく75枚を練り上げた。自分はリーグ5-0達成、ミネストもリーグ12-3かつ前日のショーケースチャレンジでツカずに5-2オポ落ちという結果であり、デッキの自信はあった自分の今期の集大成ともいえるデッキとこの身に宿る情熱だけを武器に虎穴に入った
スイスラウンドは7-0-1の1位抜け。実に5回目のプレミアム予選トップ8だった。簡単そうに見えるが、トップ8に入るまでも決して楽ではなかった。1回戦目から廣澤さんと当たり、3回戦目でも瀧村さんとマッチングした。プロツアーチャンプまで切ったんだからもういいだろと思った矢先に5-0ラインで苦手な青白コントロールを踏み、メインをその日初めて落としてしまい、頭に負けがチラついて震えた。ここまで来て負けるのは怖い。怖くて怖くて仕方ない。それでもデッキに採用した3枚もの《船砕きの怪物》が文字通り八面六臂の大活躍を見せ、難なく逆ストを決めた。


相手のエンドに出すと相手が「どうぞ(クソでかため息)」って言うのすき

震えは止まった。最終ラウンドも知り合いの原さんと当たり、相手がID出来ないからガチられることとなったが、何とか勝利。相手のデッキはかつての相棒のアブザンパルヘリオン。自分を3回もプレミアム予選トップ8に送り込んでくれた愛機だった。でも、乗り越えた。後は抜けるだけだ。


SE1回戦目は再度原さんのアブザンパルヘリオン。色々とあって相手のゲームロスからスタートとなった。有利なマッチアップかつ1本とった状態だったから肩の力が抜けていたのが悪かったのか、引けども引けども《不屈の独創力》が見つからない。気付いたら相手の場にエシカの戦車とスカイソブリン、そして猫トークンがいっぱい。自分のライフは6、次のターンで負けだ。縋るような気持ちでドローしたのは《ヴァラクートの覚醒》。


頼む〜

土地6宝物トークン3ハンド6から祈りを込めて《ヴァラクートの覚醒》をキャスト。もちろん全部戻して6ドロー。まずはアンタップイン土地・・・


あった。


そして、《不屈の独創力》は・・・



ない



ない



ない・・・



あった!!


土地置いて5マナから不屈の独創力X=2でキャストして勝ち!!



SE2回戦目は同じく知り合いである橋本さんのラクドスミッドレンジ。SE1でチームメイトのぐるみさんを下してきた強敵だ。しかし、チームメイトの無念を晴らすため、何よりも自分の存在を証明するため負けるわけにはいかない。メイン戦はゆったりとしたゲームスピードで5ターン目まで進み、相手2マナオープンで自分は土地5宝物トークン2、手札には《不屈の独創力》。相手が《削剥》を持っている場合だけ決まらないが、メインボードに《削剥》が採用されており、かつドローされている可能性は返しのターンに《思考囲い》をトップされる確率より遥かに低いと考え、不屈の独創力X=2でキャスト。


あるんかい!!


すかさず飛んでくる削剥!!
まあでも《世界棘のワーム》だったら実質勝ちと思いながら捲っていくとヒットするのは《歓楽の神、ゼナゴス》。

誰?

オーケー、ここは権利獲得のバブルだ。楽には勝たせてくれない。返しにチャンドラが出てくるが、冷静に《サメ台風》サイクリングからサメにゼナゴス速攻付与でパンチして退場させていく。その後、2ターンプレイし、《プリズマリの命令》と《不屈の独創力》を引いてきて勝利。
2本目のサイドボーディングをしながら今までの"旅”が走馬燈のように流れていた。色んな場所に行って、色んな場所に泊まった。楽しかったけど、めちゃくちゃに疲れる日々。惜しいところまで何回も行った。4回も夢を摘まれてきた。
「何回もプレミアム予選トップ8入ってて強いですね」「毎回安定してるのすごいな〜」
うるさい、黙ってろ。俺はここで勝って、過去の勝ち切れない弱い自分と決別するんだ。
だが、その2本目、自分の気合いとは裏腹に全然《不屈の独創力》を引かない。相手には《鏡割りの寓話》を無限に出された。しかし、不思議と負ける気がしなかった。《時を越えた探索》から《神々の憤怒》を探し当て、冷静にキャストから《大勝ち》でどんどんデッキを掘り進めていく。相手はハンド1枚、土地フルタップで宝物トークン2個のみ。土地7宝物トークン3個、手札には《プリズマリの命令》と《霊気の疾風》、《ヴァラクートの覚醒》2枚。やるしかない、そう思った。《プリズマリの命令》モードは宝物生成とルーティング。

アンタップイン!
愛してる〜〜〜

ドローしたのは《嵐削りの海岸》と《不屈の独創力》!!
この上ないドローで、《霊気の疾風》を構えながら《不屈の独創力》X=2でキャスト!!パワー30の《世界棘のワーム》が幕を閉じた。

ジェネリックエムラクール


権利獲得者の写真撮影の時、カメラマンの方に「いつも見てました。アブザンパルヘリオンで何回もトップ8入ってましたよね?今回は本当におめでとうございます!」と言われて、涙腺が緩みそうになった。でも、勝者は前を向かないといけない。自分はBrad Nelsonの勝鬨のポーズをとったのだった





10.エピローグ

自分は最後の最後に勝者となることが出来た。だけど、この結果を望外だなんて謙遜するつもりはない。この手から溢れ続けたチャンスを最後には自分自身の手でしっかりと掴んだのだ。それだけの練習はしてきたつもりだ。夜3時までMOをやって朝6時に起きて仕事に行く生活を続けて、正直身体は悲鳴を上げていた。しかし、情熱だけが自分を突き動かしていた。昔、原根健太氏が情熱の価値や意味は自分だけが理解していれば良いと言っていたが、まさにその通りだと思っている。
自分は今年の紙マジック復活のタイミングで同じく復活したグラインダーゾンビである。まだまだ紙マジックをさせてもらえるのは幸せなことだ。少しでも多くこの情熱を燃やせる場に身を置きたい。目下のところはTLS予選突破が目標だろうか。10月からはチャンピオンズカップ#2予選も始まる。何より11月はチャンピオンズカップファイナル#1がある。この情熱がこの身を燃やし、焦がし尽くすまでオールインを続けていきたいと、ただそう思う。




11.おまけ〜イゼット独創力簡易解説〜

ここまでnoteを読んでくださった皆様に向けて自分の使用したイゼット独創力の簡易解説を残そうと思う。詳しくはYojiro氏のnote記事をご参考いただきたい。

簡単に解説すると、除去コントロールとして振舞いながら5マナと土地以外のパーマネント2個を揃え、《不屈の独創力》X=2をキャストし、パワー30速攻トランプルで殴るというコンボ/コントロールデッキだ。

自分は氏のイゼット独創力のリストをほぼそのままリーグで回して1発目から5-0し、デッキパワーの高さは感じたが、使用していて全く不満がないわけではなかった。主な問題点としては
・裏面土地スペルのタップインが弱い
・《大勝ち》系7枚はかさばる→青系にメインを落とし易い
・《火の予言》は対象範囲の狭さ故に腐り易いマッチアップもそれなりにあり、デッキパワーを落とす原因となっている。
・アドバンテージカードが《時を越えた探索》2枚しかなく、消耗戦となるマッチアップを落とし得る。

が挙げられ、プレミアム予選で勝ち切るデッキ強度を獲得するためにはこれら全てをブラッシュアップする必要があると考えられた。自分が目指すのはBetterではなく、Bestだ。最強のデッキを持っていかないといけない。

・裏面土地スペルのタップインが弱い
・火の予言が弱い

→このデッキは土地5枚が概ね要求されるコントロール/コンボデッキであり、相手に対応しつつ土地を伸ばす必要があるため、裏面土地スペルを使いたくなるのは痛いほどわかる。しかし、結局土地5枚目はアンタップインが好ましく、土地の現物を用意するのが最終的には好ましいと考えた。裏面土地スペルは《ヴァラクートの覚醒》のみに留め、他は全て現物とした。いくらか回してみてデッキ内のルーティングなどを加味すると土地カウントは27から28必要な感覚であり、《火の予言》を不採用とする関係から土地23+《ヴァラクートの覚醒》4枚の基盤とした。
また、《世界棘のワーム》はディスカードしてもデッキに戻っていき、ゼナゴスは最悪宝物トークン1個消費すればキャストに耐え得るマナコストのカードであり、実はデッキにカードを戻すカードはこのデッキには必須ではない。そのため、最低限土地の役割も兼ねる《ヴァラクートの覚醒》をしっかりと4枚採用しておき、余りにも弱い《火の予言》は不採用としている。

・《大勝ち》系がかさばる
・アドバンテージカードが少ない

→ここをまとめると青系に不利と言えてしまう。
→そのため、4枚のみにし、他にアドバンテージをとるor/andパーマネントを用意するカードを増やした。具体的には《プリズマリの命令》と《サメ台風》である。

《小勝ち》いや《小負け》…?

《プリズマリの命令》はプチ《大勝ち》とも言える宝物+ルーティングモード以外にも2点とアーティファクト破壊を持っており、環境の多くのデッキに対して時間を稼ぎつつ手を進める役割をしてくれるユーティリティカードである。

めっちゃ強い

《サメ台風》もインスタントタイミングでパーマネントを供給する上にチャンプブロック(あるいはあたかも相手のアタックをチャンプアタックのようにして文字通りシャクってくれる)要員となってくれるため、アドバンテージを失わずに時間を稼いでくれるだけでなく、ラクドスなどのエンチャント対処が困難なマッチアップでは素出しでエンドカードとして機能してくれ、さらには青系ミラーで比較的安全に仕掛けることが出来る素晴らしいカードであり、このデッキを1段階上に押し上げたカードだと思っている。
どちらもテスト段階で4枚のパターンを試したが、嵩張ると困ることが多く、どちらも2枚で落ち着いた。

また、追加のアドバンテージカードとして《記憶の氾濫》を1枚加えた。



通称裏表Dig

このカードはイゼットコントロールとして振る舞う必要があるマッチアップにおいて1枚入っていると全然違うので、75枚に1枚は欲しいと思っていた。サイドボードが対青用でパンパンだし、アグロ以外の多くにサイドインするので、メインに入っている。

また、3枚入った3点オール除去も特徴的だろう。現パイオニア環境はタフネス3以下で横に並べるアグロデッキが多く、非常に3点オールが強い環境と考えられる。時間稼ぎが必要なデッキであり、かつリソースをとる手段はそこまで多くはないので、枚数は多めにあっても困ることはないと考えた。ただし、完全に腐るマッチアップもあるため、メインボードはサイクリング付きの《焼けつく双陽》に1枚散らしている。追放のバリューもそこまでないことが多い。

サイドボードに関しては最近増えてきたアゾリウスコントロールを始めとした青系のマッチアップを想定して組んだ。それ以外のマッチアップは最悪メインボードのままでも勝てると思っている対青では除去9枚とゼナゴスワームパッケージの11枚を抜き切りたいので、まずその11枚を他のマッチアップでも使い得るカードで構成した。対青は《不屈の独創力》が基本的に通らないマッチアップのため、《船砕きの怪物》の現物も3枚必要と判断した。
また白系(もしくは青系)アグロのマッチアップも落とし得る可能性があったので、《引き裂く流弾》はたっぷり3枚採用した。白単アグロ相手に《呪文貫き》を綺麗に抜き切りたかったのもある。ラクドスサクリファイス相手には《鏡割りの寓話》を引けば引くほど負けるので4枚抜き切りたく、そのためと対緑単信心の強度を落とさないための枚数調整で《霊気の疾風》を1枚採用した。
よくパイオニアの《不屈の独創力》デッキはイゼットかラクドスかという議論があるが、個人的には《船砕きの怪物》が採用出来るイゼットの方が好ましいと考えている。干渉という意味では青はカウンター、黒はハンデスと大差はない。対青系デッキを考えたとき、ラクドスだと《思考のひずみ》が使える


これが憎過ぎて筆者は一時期サイドに《ナーセットの逆転》をとっていた


が、アクセス手段に乏しく、またアドバンテージゲームがしにくいカラーリングというのもあり、有利なマッチアップを取りこぼさないデッキという印象であり、全てのデッキに勝ちたいという自分の欲求を満たしてくれないと考えた。

自分の思考の末、結果として以下のようなリストとなった。

自信作


非常に強力なデッキなのでぜひみんなにも試して欲しいと思う!ここまで読んでくれてありがとう。
みんなが楽しい週末を送ることを祈るよ(アメリカ人の翻訳記事風)


最後に毎晩discord通話に付き合ってくれたますとんチームのみんなとプレミアム予選ドサ回りに付き合ってくれたいんでぃごさん、そして一緒にイゼット独創力を調整してくれたミネスト、その他応援してくれた数多くの方々に最大限の感謝を捧げてこの記事を締めたいと思います。みなさん本当にありがとうございました!!


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