ポーカーから学ぶNFTトレード5つの法則
NFT情報コレクターのmiinです。今回は、海外NFTインフルエンサー/コレクターのzeneca氏 @zeneca_33 の記事を要約してご紹介します。
原文:Letter 35: Lessons From Poker to Crypto(2023/2/4)
ポーカーとNFTトレードの共通点が語られています。私も昨年から少しだけポーカーに挑戦しているのですが、確率で物事の判断をする練習になり気に入っています。
本文の前に、注意点があります。今回の記事は、NFTを短期または中長期でNFTをトレードする方に向けられています。コレクターや応援のために、アーティストの作品を購入する場合の「NFTを買う」ことに関するアドバイスではありません。
では、さっそく本文に進みましょう。
私(zeneca)はクリプトの世界にくる以前は、17年間プロのポーカープレイヤーでした。クリプトとポーカーには多くの共通点があります。今回は5つの要素をピックアップします。
では早速、ポーカーとクリプトの世界に飛び込みましょう。
①バンクロール・マネジメント(資金管理)
バンクロールとはポーカーのために使うことができる総資金のことです。例えば、あなたは「ポーカーに50万円まで使っていい」と決めていたとします。その50万円すべてを持ってカジノにいき勝負する。これは絶対に避けるべきことです。たとえ完璧にプレイできていたとしても、たった一度の不運なオール・インによってすべてを失ってしまう可能性があるのです。
ポーカーでは"バイイン"という、プレイヤーがテーブルに着くために支払う金額が決められています。50万円が上限なら、1万円から5,000円程度のバイインのテーブルにつくべきでしょう。もし全部負けたとしても、再挑戦することができます。
では、NFTで同じように考えてみましょう。 あなたに3ETHの資金があるとします。3ETHすべてを1つのNFTプロジェクトや、仮想通貨の銘柄に注ぎ込むことはありえないです。私達はNFTプロジェクトが崩壊するのを何度みてきました。誰にもコントロールできないことがあるのです。
3ETHを、0.06ETHで50回に分割してのバイインするのが適切です。その価格帯のNFTを1体づつ購入します。まぁ3体程度なら大丈夫でしょう。
そして、すべてのETHを使い切らないことも大事です。3ETHあるからといって、すぐにすべてをNFTにするべきではありません。もしその後、ETHが必要なチャンスがきたときに動けず機会損失となります。流動性を保つ、ということを覚えてください。
②確率的思考
確率やオッズで思考し判断するようにしましょう。「ああ、数字が苦手な私には関係ないね」と思いましたか?いいえ、複雑なことではありませんよ。
まず世の中で「100%」は、ほぼありません。明日も太陽が昇る確立は99.999…%ですが、無意識に四捨五入して100%だと信じ生きていますよね。天気予報も外れることがあります。スポーツの試合で大本命のチームが負けることだってあります。
ポーカーの素晴らしい点は、確率的思考を鍛えてくれることです。配られたハンドに対して行う決断のひとつひとつが訓練になります。多くの人は「ポーカーは相手が持っているハンドを正確に予想すること」だと考えますが、そうではありません。相手のハンドレンジ(※)から可能性のあるハンドをパーセンテージで割り出し、それに従って自分のアクションに反映するのです。思い込みで1つに絞るのは危険です。
※ハンドレンジ…相手の席位置、行動などの定石、また性格から予想する成立しているであろう役の種類
NFTに関しても同じことです。個々のプロジェクトはともかく、市場の動向までは誰にも分かりません。私たちの、長期的には仮想通貨が大きく値上がりすると信じています。でも、すべてがゼロになるパーセンテージもあります。
では例題です。
今一番ホットなプロジェクトが、今週8倍になった。Twitterは、その話題で持ちきり。あなたも「早く買わなきゃ」と思っている。そのときのパーセンテージはこうです。
10% - さらに価格が上がる
10% - いまの価格から2倍になる
20% - このままの価格を維持
20% - いまの価格から少し下がる
40% - 価格が大幅に下落する
これをみたあとでも、あなたは買うべきだと考えますか?こういった確率的思考を身につけていくことです。
③トラッキング
オンラインポーカーでは、ハンドヒストリー(自分のプレイ履歴一覧)のファイルを作成できます。ハンドヒストリーをインポートして分析できるサービスもあります。あとから個々のハンドをみて反省会をしましょう。友人と見せあってアドバイスをするのも効果的ですね。これによって定石を覚えていくのです。
NFTの場合はルールが一定であるポーカーと異なり、変動要素が無限にあるためトラッキングは困難です。それでも、自分のトレードは見返す価値があります。
例えば、こんな自分のパターンがみえてきます。
セカンダリー(二次流通)で買うと毎回損をしている、MINTから入るのが勝率が高い。
いつも早く売りすぎて、あとからもっと値上りしてる。もっと高い値段で出品するべき。
トレードを記録するツールはいくつかありますが、いまのところはGoogleスプレッドシートやEXcelがベストです。時間と労力はかかりますが、それだけの価値があります。
④ツールの使用
オンラインポーカーの場合、HUD(Head Up Display)というリアルタイムで相手プレイヤーのスタッツ(傾向)を分析し数値で表示してくれるツールがあります。いまや洗練されたツールを使わずに勝負するのは、かなり不利になってきます。
さらに、あなたの代わりにプレイして稼いでくれるBOTも存在します。しかし、オンラインポーカーは中央集権です。多くのサービスはBOTを禁止しているため、資産が没収される可能性もあります。
一方、WEB3ではBOTを使うプレイヤーを罰する中央集権的な組織はありません。人々は「BOT対策」はしますが、BOTを使用するプレイヤーが罰せられることは、(一般的には)ありませんよね。じゃあ、僕たちもBOTを使うべき?いいえ、私はこれまでBOTをつかったことはありません。そこには倫理観や信念の問題もあります。このあたりは複雑なので今回は割愛します。
BOTはさておき、NFTトレードに活用できるツールは多数あります。
最速のNFTマーケットプレイス+アグリゲーター Blur(https://blur.io/)
チャート分析 NFTNerds(https://nftnerds.ai/)
いまMINTされているNFTを発見 CatchMint(https://catchmint.xyz/)
ハッキング対策の拡張機能 PocketUniverse (@PocketUniverseZ)
ガス代の監視 Blocknative (@blocknative)
IcyTools、Moby、Nansen、Parsecなど総合分析ツール
他にもたくさんの優れたツールあります。ツールについて学ぶため、多少の時間とお金を投資することをおすすめします。
⑤ティルトしない
ティルトとは、ポーカー用語で「プレイヤーが混乱やフラストレーションにより合理的な判断ができなくなり、感情にかられた行動をとるようになってしまった状態」のことです。
これは私の好きな名言です。
"いい選手であるだけではだめだ、いいプレーもしなければならない”
by ジークベルト・タラシュ(ドイツのチェスプレーヤー)
どんな状態のときで、正しい判断をしていくのはとても難しい。ほとんどのプレイヤーは大金を失ったときや、稼ぐチャンスを逃したときには動揺します、それが普通です。なんとか得られるはずであった利益を取り返そうと、ティルトした状態になる。でも、そんなときには投資上の決定をすべきではありません。感情を安定させましょう。時間と経験、ちょっとした反省と倫理観、そして論理的な思考で心を鍛えることができます。
これらのヒントが、あなたの役に立てれば嬉しいです。もしご意見やご質問があれば、私がいつもいるZenAcademyのDiscordに飛び込んでください。楽しくおしゃべりしましょう! ZenAcademy @ZenAcademy
以上、zenecaのニュースレターの要約でした。ポーカー用語などは私が追加説明をいれましたが、プレイしたことがない方には難しいかもしれませんね。
ポーカーの思考法は、仕事での決定や起業のプロセスにも役立つと言われています。社会で生きていくことは、決断の連続。そのときに、数学的根拠に基づいて考えることができるようになりたいものです。日本のweb3界でも、経営者や投資家の間でポーカーが流行しているようです。
元記事 Letter 29: Impossible Expectations
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