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「KAMITSUBAKI Resident Genesis」Web3が変えるバーチャルとリアルの可能性

この記事ではNFTプロジェクト「KAMITSUBAKI Resident Genesis」(以下:KAMITSUBAKI RG)について深掘りしていきます。

KAMITSUBAKI STUDIO総合プロデューサーであるPIEDPIPERさんへのインタビューもさせていただきました。インタビューを通じて、これまでの企業によるNFTプロジェクトとの視点の違いを感じることができました。

NFTに触れている方へ「KAMITSUBAKIってなに?」がわかるように、またプロジェクトにかける想いが伝わればと思います。

■「KAMITSUBAKI STUDIO」とは?

・YouTube発のクリエイティブレーベル
・新時代のアーティストマネージメント事務所
・2019年に設立され5年の歴史をもつ
・ビジョンは『音楽と物語で世界を「少しだけ」変える』

花譜さんの歌を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。花譜、理芽、春猿火、ヰ世界情緒、幸祜(敬称略)などのバーチャルシンガーを輩出しており、音楽や最先端のライブイベントが話題となっています。バーチャルシンガーのみならず、さまざまなアーティスト、クリエイターが所属しています。

■「神椿市建設中。」とは

KAMITSUBAKI STUDIOが2019年から開発をおこなっているオリジナルIPプロジェクト。コロナ禍の2021年には1ヶ月限定のオンラインでの謎解きイベント「神椿市建設中。EMERGENCE(エマージェンス)」を実施。2万人以上のプレイヤーがスマートフォンを使ってさまざまな『Q』に挑戦。Discordでの活発な交流も生まれました。

そして、次なる展開である「KAMITSUBAKI VERSE」が2023年3月に公開。ゲーム、TRPG、ノベライズをはじめとした誰もが楽しめる展開が予定されています。さらにWeb3を活用した共創体験も企画されていて、そこで今回のNFT「KAMITSUBAKI RG」が登場します。

現在発表されているプロジェクトを図にしてみました。※わたしの解釈と想像で書いており、正式なものではありません。

「KAMITSUBAKI VERSE」は、フィナンシェをプラットフォームとして活用したコミュニティ「KAMITSUBAKI DAO」から始まりました。ファンディングでは予想を超えた1億3000万円が集まる、よいスタートとなっています。フィナンシェのアプリから生まれたコミュニティは、NFTプロジェクト「Kamitsubaki RG」のDiscordにも受け継がれています。

ここまでのポイントをおさらいします

熱狂を生むクリエイティブで多くのファンを魅了している
「KAMITSUBAKI STUDIO」
Web2からはじまりWeb3のメリットを活かし同時展開していく「KAMITSUBAKI VERSE」
音楽と物語の共創体験をWeb3で拡張するためのNFT
「KAMITSUBAKI Resident Genesis」

■KAMITSUBAKI RGの具体的な部分をみていきましょう

3月25日、ついにNFT「KAMITSUBAKI RG」がリリース。 保有することでKAMITSUBAKI VERSEの最初の市民となることができる、住民票のような役割をはたします。これまでの神椿市では、住民達におこる物語をユーザーが観測するという図式でした。KAMITSUBAKI RGにより、住人としてのより深い参加ができる設計となっています。

さらに神椿市の概念から生まれる新たなメタバースでのライブのほか、進行中のプロジェクトが複数あります。それらの一部を優先的に体験できるというメリットもあります。

ユーティリティの第一弾が発表されています
①Resident Genesis第2弾(23年秋に発表予定)のAllow List獲得
②NFTホルダー向けミニゲームへの優先参加権
③3月30日からのイベント「KAMITSUBAKI FES」視聴権
④複数のNFTホルダーへの特典
⑤SINKA LIVEシリーズ(メタバースライブ)との連携

具体的な販売情報、購入方法は公式サイトをご覧ください。
https://kamitsubaki-verse.net/

✅KAMITSUBAKI STUDIO総合プロデューサー・PIEDPIPERさんへのインタビュー


ーーまずは花譜さんをはじめとしたバーチャルシンガーは、どんな存在なのか教えてください。


PIEDPIPERさん(以下、PP):KAMITSUBAKIのバーチャルシンガーは、普通の女の子がアバターをまとうことでできることを増やし、彼女たちの可能性を拡張することを実現しています。主流のバーチャルユーチューバーとの違いは、ロールプレイ性が低い点です。ぼくたちもアーティストに対して「IP」と言った言葉や考え方をなるべく減らすようにしているので、バーチャルといえどもドキュメンタリー的な存在になっています。

ーーバーチャルシンガーのみなさんは、今回のNFTに繋がるオリジナルIPプロジェクト「神椿市建設中。」にどう関わってくるのでしょうか?

PP:彼女たちは「神椿市建設中。」では、バーチャルシンガーとは別の存在としています。フィクションに出演している登場人物のようなイメージですね。でも、単に声優として参加している訳ではありません。似ている部分や本人との接点も多いため、入り組んだ関係性になっています。これは物語が進んでいくと、よりわかっていく構造になっています。

ーー今回のプロジェクトをスタートしてから感じた、NFTの魅力はありますか?

PP:KAMITSUBAKIは全世界に向けて展開しています。中国などではファンを増やすことができましたが、まだ僕らの活動が届いてない国も多い。NFTプロジェクトをはじめたことで、さまざまな国からのコミュニティへの参加がありました。まずは良い手応えを感じています。

ーーいまのNFT市場にある投機的な側面が強すぎるなどの課題は、どう感じていますか?

PP:投資を目的に参加した方の中でもアーティストや作品に触れて興味を持ち、好きになってくれた方たちがいます。NFTカルチャーからの活動的な方が交じることで、コミュニティが良い方向に盛り上がっています。逆に僕たちが知らないことをNFTカルチャーの方々は知っているので、リスペクトがあります。

一方で、僕たちが大事にしているのは「今までのファンをがっかりさせないこと」です。

正直なところ、最初の発表ではNFTでの展開にネガティブな印象を持つ方も多かったです。しかし、丁寧に説明を続けることで「なんとなくネガティブ」な姿勢の方がかなり減りました。もちろん、電力消費の問題など、僕たちだけでは解決できない問題点も存在します。ポリシーを持ってネガティブな意見を持つ人はそのままでも構わないと考えています。

KAMITSUBAKI STUDIOは、これまでもいろいろな意見に向き合いつつ仮説で終わらず「実際にやってみること」で確信を得てきました。レッドオーシャンの中でバーチャルシンガーを始めた時も、音声合成ソフトを発表したときも賛否両論がありましたが、結果的に大きなヒットとなりました。賛否両論があるものに対して、積極的に向き合っていくべきだと思ってます。

ーー以前のAMAで、NFTプロジェクトとアーティストを無理に結びつけることはないと発表されていたので、NFTには参加しないファンの方々も安心ですね。チームのメンバーもWeb3ネイティブの方々が配置されていて、心強く感じます。

PP:ぼくたちもDiscord運用や、アーティストを育成してきたときの経験から、Web3から参加してくれているメンバーとバランスよく運営ができています。一方でこれまでのKAMITSUBAKIは他社とのコラボをあまりやってきませんでした。しかしNFTカルチャーの中ではこれは必要なものだと考えています。NFTカルチャーでのコラボを楽しむ文化は、ファッション業界でのコラボレーションカルチャーに近いものを感じますね。

ーー Web3プロジェクトの実施を決めた経緯を教えてください。

PP:実施を決めるまでには、かなり多くの議論を重ねてきました。Web3のいいところはなんだろう?、Web2のやり方ではダメなの?など、馬鹿馬鹿しいくらい徹底的に話し合ってきました。本当に僕たちがやっていいのか、とポリシーに関する議論にまで発展しました。

でも最終的に、みんなが納得して「やっぱりやろうよ」となりました。だからプロジェクトを立ち上げてから、抜けたメンバーは誰もいません。いまも悩んだり苦しむことがありますが、悪くない状態だと思っています。お金を稼ぐためだったら、もっと有効な手段もあります。でも未知の要素やWeb3での掛け算に可能性を感じています。

ーー 「KAMITSUBAKI RG」が他のNFTプロジェクトに対して持つアドバンテージを教えてください。

PP:いまの主流のNFTプロジェクトは、NFTのためにゼロから立ち上げて販売後に本格的にIPやコンテンツの制作に取り掛かるものが多いです。一方で、僕たちは数年以上かけて積み上げてきたIPから(「神椿市建設中。」など)派生するものをつくっています。そして、アーティストや作品を支えてくれたファンのみなさんの存在があります。

数年先までの構想があり、すでに多くの手持ちのカードがある状態です。ただし要件定義が固まっていて、あとは進んでいくだけというものではないです。表にはだしていませんが、すでにDiscordでの反応をみて当初のストーリーから分岐している部分もあります。

ーーNFTのためにプロジェクトをはじめた訳ではなく、ビジョンを実現するためにちょうどWeb3が活用できたということですね。

PP:ぼくたちは、これまでもユーザーを巻き込んだ作品の作り方をしてきました。だからこそ、Web3でできることがあると思っています。これまで自分たちがやってきたこととの相性のよさも強く感じています。クリエイティブの力で、新しいことを作っていけたらと感じてます。


■あとがき

力強い言葉から、あらゆる可能性を考慮した上でNFTを活用していくことを決めた覚悟を感じました。これまで多くの企業のNFT参入がありましたが、KAMITSUBAKIのように本筋の活動にマージするものはなかったように思います。

KAMITSUBAKIのバーチャルシンガーのファンは「観測者」と呼ばれています。NFTを取り入れることで「観測者」から「市民」になることは、あらゆるNFTを保有することでの関係性の変化を表しているようにも感じました。

KAMITSUBAKI Resident Genesis 関連リンク
Twitter @kamitsubaki_RG
Discord: http://discord.gg/kamitsubaki-rg
https://kamitsubaki-verse.net/
MINT:https://nft.kamitsubaki-verse.net/jp/mint
OpenSea:https://opensea.io/collection/kamitsubaki-rg/

■書いた人:miin @NFT情報コレクター @NFTPinuts
Transparency/筆者は記事公開時点でNFT「KAMITSUBAKI Resident Genesis」を4体購入し保有しています。⇒miinのNFTインタビュー「みーんたびゅー」とは

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