【母と1型糖尿病と私】80歳オーバーで自分でインスリン注射をする母

毎日姉が通ってくれたおかげで、何とか注射することが日常になってきた母。先週末あたりには私が電話して、その場で一緒に確認しながら注射できるまでになりました。注射の手順はガイドの紙を見ながらならひとりでできる状態ですね。

凄くないですか?83歳で自分で注射できるなんて!
診察の際に先生にも看護師さんにも驚き褒められ、母はホクホクでしたよ、まったく。

私たちの当面の目標である注射をするという事は、何とかクリアできそうな方向になってきました。

もう一つの目的である血糖値測定ですが、次の診察で血糖値データを見てインスリンの量を決定しましょうと言われていましたので、腕にフリースタイルリブレを付けて、デバイスで1日4回測ってと言われていました。一応そのことも母には伝えて、ことあるごとに測ったか聞いてみたりもしていましたが、そこまでは母も気が回らない様子。測らないことがほとんどのようです。それでも1日1回は測っているようなので、今はそれで勘弁してもらおうと思っていました。

診察前日に、私から電話で注射の確認をした際に、明日の持ち物も確認しました。
・確認して先生に伝えることが2つ。針の在庫とアルコール綿の在庫
・持っていくものはリブレの端末と使用済みの針

母もこれとこれねと確認できたようなのですっかり安心していたのですが、いざ診察当日、全て忘れてきました。

ああ、本当ならこれでインスリンの量が決まって、多めに処方してもらって、次回の診察は1か月後になるはずだったのに・・・。

仕方ありません。その点、先生にお詫びをしましたが、先生もこのところ頻繁に病院に通っていたので疲れているだろうと気遣ってくださり、2週間後に再度診察をして決めましょうという事になりました。

でも、血糖値の測定はなかなか出来ていなかったので、これから血糖値を測るという事をなんとか習慣になるように持っていければ、そのほうがデータの精度が上がるので良いだろうと思う事にしました。

今回のことで、やはり母は老いたんだなと少し感じました。
80歳過ぎてる親に今更、と思われるかもしれませんが、私にしてみれば一人で家で暮らしているという事が昔と変わらないことであって、私たちの手助けもほとんど必要とせず暮らしているので、親の老いを実感できることが少なかったと思うのです。

それでも、忘れ物ぐらいは私でも昔からしていたことなので、それが老いなのかと言われればそうではないとも思いますが、忘れ物をしたことで老いを感じたのではなく、突然1型糖尿病という自分で思っている糖尿病と似て非なる病気になり、治らないと医者に言われ、あれよあれよと娘に説得されて注射を打つ毎日になり、注射を打ったらよくわからん機械で血糖値を測れと言われ、自分で治すぞと食生活を改善し始め、という自分の納得感もなく理解も出来ていない状態で生活のリズムが乱れてしまうことに、もうついていけないのだなと感じたのです。

母の時間が昔より遅くなったといいましょうか、そう感じたのです。

それならそれで、私たちはその時間に合わせてあげる必要があるのだろうと。

ただ、ゆっくりにはなっているのだけれども、母の中ではちょっとづつ進んでいることも、注射が出来ることでわかりました。

ここで私は少し反省をしました。
最初、宣告されたときに私は母一人ではできないだろうと考えたのです。
83歳の高齢者、毎日注射しろと言われても普通出来ないだろう。血糖値の測定もしなくてはいけない。そんなの難しすぎると。もし家族が同居していたら家族が注射したり測定したりするという判断になるような気がします。先生もそんなことをおっしゃっていました。
しかし、実際のところは私たちの状況ではすぐにその体制に入る事は無理です。ですので、結果的に母に自分で注射して測定してもらうという事にしましたが、私の心配はまったく必要なかったようです。
むしろ、自分で出来ることのほうが、母のメンタルにとっては大事だったようなのです。
母のポリシーというか自己肯定感の基本は「子どもに迷惑をかけずに生きる」という事なのです。生活のことも金銭面でも、迷惑をかけずに生きている自分がすごい!という事が、母の生きるエネルギーの一つなのです。
これが私たちが毎日注射を打つことになると、ほんの少しかもしれませんが母のエネルギーを削ることになるような気がするのです。そうして最初はほんの少しだったエネルギーの減少が、これをきっかけにどんどん大きくなってしまう。これはできるだけ避けたいと思うのです。

もちろんどこまで一人でできるかは分かりませんが、今現在は人任せにしなくてよかったなと思っています。

こんなのんびりとしたことが言えるのも、実はまだ少しですがインスリンが出ているからなのですが・・・。高齢で急性の1型糖尿病にならなかったことは、とても有難いことです。母のゆっくりとした時間に合わせて治療を進めていくことが出来るので。

そうそう、母は緩徐進行1型糖尿病がかなり強めに疑われているという状況なようです。インスリンが出なくなったときはじめて緩徐進行1型糖尿病ですと言えるそうです。

だらだらと思ったことを書いてきましたが、母はやればできる子だなと感じた1日でした(上から!)



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