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胡瓜の酢の物(決まりのない)

何でもない、ただの胡瓜の酢の物
嫁いで気がついたけど
家によって
作る人によって
甘さ加減、酢の効き具合などが違う
醤油を入れる人
いれない人
ほんの少しの違いで
〈家じゃない味〉になってしまう。

そう。
〈我が家の味と違う〉
嫁ぎ先で義理の姉が
良く言っていたセリフ。

そう言うと、姉は
さささっと味を直して
〈これがうちの味〉
と教えてくれた。

不味くない
美味しいよ。
でもーーーー。
私が育った味とは少し違う。
そう思いながら覚えようとするが
なかなか
そう簡単にはいかないのだ。

面白いことに
離婚し親元に戻った私の料理を
母は喜んで食べない。
〈うちの味じゃない〉からだ。
私が嫁ぎ先で覚えた味を
作っていると思っているんだろう、
面白くないらしく食べない。

私が作るものは、
私の味。
誰かの100%真似は、しないしできない。
私は、私の味も好きだし
他の人の味も大好きだ。
たくさんの人の味付けを
食べてみたいと思う。

私の我が家の味は、
美味しいとこ取りの美味しい味
決まりのない
その時の美味しい味

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