精神的に一番辛かった【よだれつわり】

妊婦5ヶ月を過ぎてから突如「よだれつわり」になった。症状はとにかく唾液がどんどん口に溢れ出てくるというもの。唾液過多症とも言うらしい。

わりとマイナーなつわりで、周りには理解されにくいが、これが本当に辛かった。出しても出しても、口いっぱいに溜まる唾液。しかも日によってネバネバしていたり、苦かったり、泡泡だったり、とにかく気持ち悪くて飲み込めない。よって吐き出すしかなくなる。

わたしはペットボトルを常備して口に溜まっては出す。という生活になっていた。とてもストレスで、惨めで、本当に精神がおかしくなりそうだった。

しかもこのよだれつわりは治療法もなく、一度なると産むまで続く人が多いのだという。あと5ヶ月間もこんな生活が続くと思うとゾッとした。

そしてある日、止まらない唾液が恐怖に感じるようになった。旦那に、怖い、怖いと声をあげて泣きついた。過呼吸になり、パニック発作を起こしたみたいになった。

その時もまた、もう赤ちゃんいらないから、今すぐに元の体に戻して欲しい!!もう諦めたい!!と何度も叫んだ。

自分の精神状態が異常なのを自分が一番よく分かった。とりあえず産婦人科に電話。今の気持ちを全部話した。すると翌日、受診するよういわれた。

翌日、予定より一週間以上早く受診。この日は19週に入った頃だった。人工中絶は22週を過ぎると法律で認められない。わたしは、人工中絶も視野に入れて受診に臨んでいた。

病院に着くとなぜだか涙が溢れ出した。待ち時間も、看護師さんに呼ばれた時も、止まらなかった。

そしてエコー検査。赤ちゃんは元気に動いていた。先生に、性別知りたい?と聞かれ、泣きながら「はい」と答えた。

「女の子、確定だね。」と先生。

その時、わたしの中で大きく感情が揺れ動いた。わたし、、この子に会いたい。この子を産みたい。ついさっきまで中絶のことを相談しようと本気で思っていたのに、エコーをみて、性別も分かって、そんな残酷なことできるわけがない。わたししかこの子を守れないんだ。わたしが産むんだ。とそう思った。

その後、助産師さんとお話した。今すごく辛いこと、でもやっぱり、赤ちゃん諦めたくないという気持ちになったこと、話した。

助産師さんは、大丈夫、絶対乗り越えられるよと言ってくれた。また、助産師さんから妊婦に強い心療内科を紹介してもらった。妊娠中でも飲める薬などに詳しい先生がやっているとのこと。安心して行ってきなと言われて心がだいぶ軽くなった。

この先もきっと、きっと辛いことたくさんあるけど、何とか何とか乗り越えて、赤ちゃんと、夫と、3人で幸せになりたい。

そう、強く願った日だった。

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