見出し画像

太陽と埃の中で

学生時代はバラエティ豊かにアルバイトをしてきた。
小さい頃「お店屋さん」に憧れてたから接客のバイトは大好きで定番のファーストフードやレストランは高校時代に一通り攻めた。
初バイトはサーティワンで記憶違いでなければピンクのコスプレっぽい制服がお気に入りだった。
写真撮っておけば良かったな。
ロッキーロードはその時に一生分食べた。たぶん。

大学生になってからは時給の良いものを狙い打っていった。
タバコを配るキャンギャルみたいなのとか球場のビールの売り子とか。
ギャラは良かったけど体力勝負で長続きはしなかった。
この頃同時進行で家庭教師も始めた。
単発バイトとの掛け持ちだからスケジュール的には楽勝だった。

カテキョを受け持った生徒はCHAGE&ASKAが大好きなJCで部屋にはポスターがたくさん貼ってあった。
時はSAY YESからのYAH!YAH!YAH!でチャゲアス無双時代。←ありましたでしょ?
私もよくカラオケで拳を突き上げ熱唱していた。

すっかり私に懐き、最初の10分くらいはASKAの好きな所を聞かされたり、私の近況報告(なんで?)を楽しそうに聞いていた。
女子大生のリアルな生態に興味津々だった模様。
あの頃は読モ的なアレで雑誌に載る機会があったりして、彼女は毎回雑誌を買ってくれていた。
中学生にはまだ少し早いし私は小さくしか載っていないのに。
(赤文字系とかfineとかです)

そんな中、着実に成績は上がり一緒に夕飯をご馳走になったりお年玉やボーナスをいただいたりもした。
元々頭良かった説が濃厚なんだけれども。
2年ほど続けて彼女は志望の高校に受かった。

最後の日は手作りのお菓子とお花をもらってお互い涙目で今生の別れを惜しんだ。
時代が違えばfacebookとかで繋がってたかもね。

教えるのが下手で何度も辞めたくなったり仮病を使いたい日もあった。
嫌な事があるとすぐ辞めて逃げていた私は初めて何かを成し遂げたような気もした。
先生などと呼ばれたのは後にも先にもこの期間だけ。
本当に私なんかで良かったんだろうかと未だに思う。

大人の事情で昔のようにチャゲアスの曲は地上波であまり流れなくなってしまったけど、曲が耳に入ると真っ先にあの子の事を思い出す。
憧れの女子大生になって青春を謳歌できただろうか。

恥が9割の大学時代の貴重な美しい思い出…かもしれないな。
追いかけても掴めないものばかりだったからこのタイトルを。
そしてバイト後半戦(銀座編)はまたいつの日か。

正月に段ボールから発掘された赤文字雑誌たちの一部
時代の片鱗(Jリーガーが表紙)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?