絵はがき・2023年5月
あるところに
おおきな ちいさな木が
ちいさな おおきな木が
ありました
ここは ほかのだれも知らない
わたしも 気がつかないほど
おくのおくの それよりまたおくの
わたしのこころというところ
せかいに あおばがしげり
うきうき きらきら
ひとびとも
うきうき きらきらな
きせつ だという
けれど
すこしばかり
わたしのこころは
せつなく さびしいのです
このきせつ
それならば
すこしのあいだ
ひとりしずかに
ここで
お茶でもいただきましょう
ここには
おおきな ちいさな木が
ちいさな おおきな木が
立っております
やさしく りんと
立っております
ふとみわたせば
風ふく草はら
空は あおく たかく
ここは わたしの
ほんとうのほんとうの
それよりまたほんとうの
こころというところ
どこよりも あかるい
おおきな ちいさな木が
ちいさな おおきな木が
あたらしい芽をふいて
風にふかれています
ツバメもやってきます
ふふ ツバメだけは
ここを知ってるんだよ
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