見出し画像

育児本の憂鬱

本屋に行って書籍がズラッとならんだ本棚を眺める。活字好きな私にとってほんのりと癒されるひと時だ。

自分は二児の育児真っ最中なので、当然のように育児系の棚にも立ち寄る。数冊ぺらぺらとめくって目次に目を通して、棚に戻した。

「なにか欲しい本あった?」

次女を黒色の抱っこ紐で抱っこした夫。この日は夫と次女の3人で外出していた。夫は次女のぽよぽよした足を楽しそうに撫でている。うちの抱っこ紐が黒色なのは、夫が抱っこしても違和感がないように、夫も抱っこを積極的にできるようにという選択だ。

「ううん、なかったよ。」

残念ながらなかった。

私は一般書籍の育児本を(図書館ではなく)あえて買う時、夫にも読んでほしいと思えるか、ということを重要視している。うちの育児は夫婦の共同戦線。母であり妻の私の独壇場にならないように。育児者の偏りは子どものためにも良くはない、というのが私の持論だから。

そういう前提で本屋の本棚を見たとき、並んでいる育児本はことごとく「母親向け」だった。

特に最近話題になっている「おうち性教育の本」は顕著だ。ほぼほぼ、父親が登場しない。登場しても1ページ程度ではないだろうか。

『お母さん!学校では~』

『娘に伝えたい~』

表紙は明るいピンクや黄色や空色、かわいらしい装丁。その育児本の横には「夫から逃げるために離婚する本」「浮気夫」「モラハラ夫」と父親である夫が責められている本。これでは主体的に育児している男性も近寄りがたい。近寄りたくない、と思わせる棚になっている。

父親として、普通に育児をする男性が増えているなかでとてももったいない状況だと思う。


育児をがんばるお父さんたち、書籍化待ってますよ。