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窓辺の作業机

ただいま20:29。屋根に当たる雨の音を聴きながらビーズでブローチを作る。
人のセックスを笑うなという映画を思い出す。永作博美が演じるリトグラフ作家は自分のアトリエを持っている。
そのアトリエはデスクが窓に面していて、カフェの一人席のようにこじんまりしている。
あぁ、私も作業スペースが欲しい。
その映画を見てそんなふうに思った。

それから月日が経って私は部屋の窓際に作業スペースを設けた。
そこに座って作りかけのブローチの制作に励む。雨音をBGMにして、たまに日本茶をすする。
このブローチは披露することなく誰かにあげてしまっておしまいになりそうだが、
誰にも必要とされなくてもせっせと作るこの時間がリラックスできて満足できる時間だ。一日のどんな時間よりも。

作ることと書くことは連動しているのだろうか。手芸をしてると書きたいことがおのずと浮かぶ。
書くことはは自分の中にぐぐーっと沈み込む作業だ。手芸はその練習にちょうどいい。

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