見出し画像

Eric Marienthal:ジャズサックスの巨匠達を聴いて学ぼう

エリック・マリエンサル氏のオンラインレッスンサイトのブログがなかなか興味深いので、第二弾をお届けしたいと思います!

私自身も知って損はないと思う素晴らしいジャズサックスの巨匠達。途中、ちょっと難しい音楽的な記述も出てきますが、難しいことは抜きにしてもぜひ一度は息遣いを感じられるくらい大きな音かヘッドフォンで演奏をじっくりと聞いてみてくださいね♩

それでは、どうぞ!

Jazz Saxophone: Learn by Listening to the Masters

ジャズサックス:巨匠達を聴いて学ぼう

原稿:Eric Marienthal (エリック・マリエンサル)

出典:

For anyone learning jazz saxophone, it’s a good idea to listen to the masters of the instrument at their best. Dissecting the work of a few of the greats like John Coltrane, Charlie Parker, Stan Getz, and Cannonball Adderley will greatly help you understand the elusive art of improvisation and the importance of feel when it comes to selecting the perfect, most compelling notes to play.

ジャズサックスを勉強している人たちみんなにとって、サックスの巨匠達の最高潮の演奏を聴くのはとても良い考えだ。ジョン・コルトレーン、チャーリー・パーカー、スタン・ゲッツ、そしてキャノンボール・アダレイなどの熟練者たちの演奏を研究することは、即興演奏の巧みな技術のみならず、完璧で最も説得力のある音を選ぶ時の感覚の重要さを理解するのにとても役立つからだ。

John Coltrane(ジョン・コルトレーン)

As one of jazz’s most iconic tenor and soprano saxophonists, John Coltrane masterfully played multiple notes while creating beautiful cascades of scales, which one music critic famously described as “sheets of sound.” His compositions were both controversial and popular, and Coltrane’s most avant-garde work reflects a sound quite distinctive from earlier jazz recordings.

ジャズ界で最も代表的なテナーとソプラノサックス奏者の一人であるジョン・コルトレーンは、スケールを美しい滝の様に生み出しながら多数の音を見事に演奏した。このことを音楽評論家が「シーツ・オブ・サウンド」と描写したのは有名だ。彼の楽曲は物議を醸すものと、大衆的なものと両方あり、コルトレーンの最も前衛的な作品は、初期のジャズの作品とはかけ離れたものだった。

※もともとシェアされたYouTube映像は削除されてしまっていましたが、文脈からこの曲だと推測されます!

【John Coltrane - Giant Steps】

Coltrane achieved this sound through a technique called “Coltrane changes,” an advanced variation of the rhythm change technique. Coltrane changes allow a musician to perform jazz improvisations through creating harmonic progressions using multiple tonal centers (also known as the
multi-tonic system).

コルトレーンはこの動画の様なサウンドを、「コルトレーン・チェンジ」と呼ばれる技術を通して達成した。これはリズム・チェンジ(というコード進行)を変化させたより高度な技術だ。「コルトレーン・チェンジ」はミュージシャンが、複数のトニック(調性の中心音)を使って、ハーモニック・プログレッション(調和数列)を創りながらジャズ即興することを可能にした。(複数のトニックはマルチトニック・システムとも呼ばれる。)


Charlie “Bird” Parker (チャーリー・”バード”・パーカー)

Charlie “Bird” Parker was a pioneer and master of the musical style known as bop or bebop. Along with his musical partner William “Biddy” Fleet, Parker helped forge this new, radical style of jazz in the 1940s. Bebop emphasizes long solos and fast, powerful, complex compositions.

チャーリー・”バード”・パーカーは「バップ」や「ビバップ」と呼ばれる音楽スタイルの開拓者であり熟練者である。パーカーは彼の音楽パートナーであるウィリアム・”ビディー”・フリートと共に、1940年代にこの革命的な新しいスタイルを構築するのに一役買った。「ビバップ」は長いソロパートや、速くて力強くて複雑な構築力を重要視する。

※こちらも元の動画は削除されてしまったいましたが、曲名は表示されたので代わりにどうぞ!
【Charlie Parker & Dizzy Gillespie - Hot House】

Bebop also departed from the tradition of jazz being played by big bands. Quartets or other small groups of musicians play bebop, with the saxophonist often playing a key role by performing reharmonization techniques through superimposing or substituting progressions. Many bebop tunes are mixtures of earlier jazz and music during the swing era.

「ビバップ」もビッグバンドの様な伝統的なジャズのスタイルから離れていった。四人編成のカルテットや他の少ないミュージシャンの編成で演奏され、サックス奏者はすでにあるコード進行の上に別のコードを重ねたり、代理コードを用いて行うリハーモナイゼーションの技術を使って演奏することで、バンド内で重要な役になることが多い。ビバップの曲は初期のジャズやスウィング時代の音楽を混ぜ合わせたものも多い。


Stan Getz (スタン・ゲッツ)

Stan Getz was another key innovator of the jazz saxophone, known for his thoughtful solos and catchy, skillful melodies. His recordings and performances helped popularize cool jazz (which was calmer and more meditative than bebop) in the 1950s and bossa nova in the 1960s as seen in the classic performance below:

スタン・ゲッツもまた、ジャズサックスの重要な革新者であり、思慮深いソロとキャッチーで熟練されたメロディーで知られている。彼の作品や演奏は1950年代の(ビバップより落ち着いていて瞑想的な)クールジャズや1960年代のボサノバを普及させるのに貢献した。

※こちらの動画もまた削除されてしまっていました(泣)が、代わりに有名なボサノバのアルバムをシェアします!

【Joao Gilbert & Stan Getz】

Throughout his musical career, Getz had played both as a solo saxophonist and in bands, where he first became popularly known for being in Woody Herman’s band, Four Brothers. Needless to say, his saxophone often took the lead in the classic compositions of his 1980s acoustic quartet.

音楽人生を通して、ゲッツはソロ・サックス奏者としてだけでなく、ウディー・ハーマンのバンドや(そのサックスセクションをフィーチャーした)フォー・ブラザーズなど、彼が有名になるきっかけとなったバンドのメンバーとしても活躍した。言うまでもなく、1980年代の自身のアコースティック・カルテットにより典型的な生楽器のみでの演奏スタイルを牽引した。

Cannonball Adderley (キャノンボール・アダレイ)

As a virtuoso of the alto saxophone, Julian Edwin “Cannonball” Adderley later mastered the tenor and soprano saxophone. He was known for creating pure tones, and his compositions ranged in style from fusion and post-bop to soul jazz. Early in his musical career, Cannonball had started and led his own band with his brother, Nat Adderley, where his quintet included many other notable musicians. The hits on his landmark albums propelled his upbeat sound from small nightclubs to large performance venues around the world.

アルトサックスの名人として知られる、ジュリアン・エドウィン・“キャノンボール”・アダレイは、テナーやソプラノサックスの熟練者でもあった。彼はその透き通った音色や、フュージョンからポスト・バップからソウル・ジャズまでの幅広いスタイルでの楽曲で知られていた。活動初期の頃は、実の弟であるナット・アダレイと5人編成のバンドを始め、たくさんの著名なミュージシャン達を率いた。歴史に残るアルバム達の大ヒットにより、彼の陽気な音楽は小さなナイトクラブから世界中の大きな演奏会場にまで広まっていった。

Jazz Casual - Cannonball Adderley Quintet (1961)

※唯一、削除されていなかった貴重な音源!ぜひお楽しみください♩

These four jazz masters worked hard at their craft, and their music shows the range and versatility of the saxophone. It’s never too late to learn how to play the saxophone. Online music lessons make learning how to play jazz saxophone much more accessible.

これら4人のジャズの巨匠達はその技術を懸命に磨き、彼らの音楽がサックスという楽器の多様性と幅を示している。サックスの演奏を学ぶのに遅すぎることはない。オンラインレッスンを受ければ、ジャズサックスの演奏の仕方をもっと理解してもらえるだろう。


以上で翻訳は終わり!

本当に多種多様なサックスの音色や在り方がありますね。好きな音、憧れの音はありましたか?

楽器上達のためには「こんな風になりたい!」と強烈に思えるアイドルを見つけることが一番大切です。

この四人のサックス奏者はニューヨーク留学中に知り、寝るときもずっとアルバムを流してなんとか体に染みつかせようとしていました。

小さな頃からこういう音楽を聴いて育った人たちには敵わない…と、足掻いていたんですね(笑)

そんなことをするよりも、一音でもいいので彼らの音をコピーする方がずっとためになると今なら思います。

さぁ、私も練習したくなってきました🎷


インタビュー紹介

前回もご紹介しましたが、私が担当させて頂いたエリック・マリエンサル氏の取材記事です。興味がありましたら、ぜひチェックしてみてくださいね!

●サックス・ワールド Vol.12

誌上セミナー:エリック・マリエンサルが直伝!サックス基礎演奏力向上セミナー(8ページに渡って基礎練の方法など取り上げています!)

●BLUE NOTE TOKYO “JAM”

MY INSTRUMENT(愛用する楽器のお話。記事全文をリンクからお読み頂けます。)


ご意見、ご感想、ご支援を頂けると嬉しく次の記事を書くモチベーションになります!ぜひよろしくお願い致します!



次の記事を書くためのモチベーションになります!より良い記事がかけるよう精進して参りますので、ぜひサポートをよろしくお願い致します!