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今の若いものは…って言うのは誰?

「今の若い人たちは…」
これに続く言葉は往々にしてネガティブなセリフ。
言ってもしょうがないのに。聞かされた方もイヤな気持ちになるのに。
まぁたまには相手との差をはっきりと認識した上で誉めるために使われる場合もある。
「今の若い人ってしっかりしているよねぇ」とかね。

自分がまだ若かった頃、(そう、新人類なんて呼ばれていたっけ)
あぁこれって“今”だけの話じゃないんだなと、思ったのは夏目漱石の『こころ』を読んだとき。
主人公の若者に向かって先生が言う。
「あなたのような若い人に言っても信じてもらえないでしょうが、わたしが若い頃には恋愛なんてなかなか大っぴらにできるものでもなかったのですよ」

かなりうろ覚えですが、こんなニュアンスでした。
とても新鮮に感じました。
明治に生きていた人が「若い人」だったなんて。
そして今でも聞くようなセリフを同じニュアンスで言っているなんて。

そうしたら、何だか急に近くに感じられるようになりました、近代文学が。
時代は違っても人のココロで起こる感情なんてそう変わりはしないのだなって。
とは言っても全然読めていなくて、遅ればせながら今から読もう!という気になっています。

と言うことで

積読〜近代文学編〜(2022/7/12現在)  (作家生年順)

『それから』夏目漱石
『門』夏目漱石
『彼岸過迄』夏目漱石
『小川未明童話集』小川未明(mei)
『小僧の神様・城之崎にて』志賀直哉(mei)
『細雪』谷崎潤一郎(junzo、木ノ子)
『陰翳礼讃』谷崎潤一郎
『月に吠える』萩原朔太郎
『ノラや』内田百聞
『台所のおと』幸田文
『風立ちぬ・美しい村・麦藁帽子』堀辰雄
『吉原花魁日記』森光子(urara、木ノ子)
『斜陽』太宰治
『壁』安部公房
『花ざかりの森・憂国』三島由紀夫

近代文学の困ったこと(=面白いところでもあるのだが)には、一つ読むとその時代背景も知りたくなる。どんな作家が同時代に活躍していたかに興味が沸いてくる。同作家の他の本も読んでみたくなる。いいんだけれど、他に読みたいものも沢山あるので、何をプライオリティに持ってくるかが重要。頑張れわたしの審美眼。


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