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森の再生ー#02植栽編ー

八王子長沼の森の再生作業のレポートです。今回でワークショップも約1年経ち11回目となりました。
斜面地と路面の境界や階段に段切り、しがら、ぼさを作り、土中環境改善を行ってきましたが、今回はいよいよ植栽です。

地域の植生にならって本来いて欲しい植物20種類を植えました。
アラカシ、カクレミノ、イロハモミジ、エノキ、ガマズミ、クヌギ、ケヤキ、コナラ、コブシ、ヤマザクラ、マユミ、etc
落葉樹を中心に、高木、中木、低木をまぜて。

通常、造園の技術として、植えつけ時に植物がすぐに細根を出して根付くように、掘った穴と根鉢がなるべく密着できるように、「水決め」や「土決め」をして空気を抜きますが、

生物多様性の講師の先生の指導のもと、しがらでつくったマウンドに穴をあけて、そこに苗をいれて上から腐葉土をかけるだけ。水もまきません。

また、植物同士も間隔をつめて植えます。これも通常の造園だとあり得ませんが、森をよく観察すると理にかなっていることが分かります。
近くに植える植物は菌根菌が共生できる樹種同士を植えます。

これらのことが成立する為には、まず苗が挿し木ではなく、実生の苗であることが重要です。実生の苗は手に入りにくいですが、人間の合理性から考えられた挿し木より本来の森の生態系にならった実生の苗のほうが生命力が高く根付きやすいとのこと。


今回植えた実生の苗たち

また土中環境が健全で、水と空気の適正に循環し、微生物が豊かであることも重要なポイントです。

今回植えた植物は鳥が好む植物でもあり、鳥が実を食べ、種を運んでくれ、地域全体の生物多様性にも貢献していくことが期待できます。

人間の都合で合理化した造園は、庭づくりの文化をつくった側面もあるけれど、これからは循環型、リジェネラティブな側面も見直していく段階にきているとおもいます。


秋晴れの気持ち良い風が抜ける道中

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