見出し画像

Optimus 8Rをメンテする

始めに

ウチには、もうかれこれ30年物のOptimus 8R(後期型)がある。買ったばかりの頃は頑張って山にハイキングに持ち歩き、本格的な調理にも使ってはいたのだが…如何せん可搬性その他性能全般ODガスバーナーには及ばず、最近はたまさかのキャンプやピクニックでコーヒー沸かす程度にしか活用してなかったのだ。でもモノとしては非常にお気に入りの機材ではあるので、また山で活用してみようかと持ち出してみたのだが…

いざ現場で早朝寒い中でコーヒーを飲もうとお湯を沸かそうとしたら、何と沸騰まで(体感)20分くらい掛かってしまい…強風のせいもあるかもしれないが、それ以上に今までより火力が弱くなってる気がしたので、ネットの情報を参考に自分でメンテナンスしてみることにした。

今回参考にしたのはこちら

OPTIMUS(オプティマス) 8Rの修理とメンテナンス-キャンプ沼の畔から (camp-swamp.com)

OPTIMUS No.8Rをメンテナンスしてみよう【もりふうみの徒歩キャン日記】 | キャンプ大好き!CAMPIC(キャンピック)

他にもいろいろそれこそYoutubeから各種ブログから調べ倒してみたのものの、どうしてもネット上ではわからなかったところも多々あり…
そこで、今後の参考のためにもこちらに覚え書きとして残しておこうと思う。
※作業するのに精いっぱいで写真がないのはご容赦ください…

今回使用した道具

交換用パーツはこちらを使用

1.分解

(1)ケースからバーナー部を外す

基本はケースの突起に嵌っているだけなので、ケース側を少し広げれば外れる筈だが…。ウチのはケースが純正からリプレース品に換装していたせいか少しきつかったので、ドライバーでこじったらタンクが少し傷ついてしまった💦

(2)バーナー分解

後期型であれば火力調整のハンドルが工具になってるので、嵌るところはこれでバラす
大:スタフィングボックス
中:注油口キャップ
楕円:ニップル(燃焼口)

  • 余熱皿、バーナーセットは手で回せば大体取れる

  • タンクからヴァポライザーの外し方
    皆様割と引っかかるところ。大抵の場合はめっちゃ硬い。熱がかかる部分なのでなまされて固着してるのかも。止めているボルトのサイズがなぜか11mmだが、なぜか調整ハンドルに11mmの穴はない!
    ※初期型に付いてるミニレンチも、口径は10㎜サイズでこれには合わない(まぁ通せもしないんで当然ちゃ当然だが)
    そこで、11㎜のレンチを使用し、何回かゆっくり力をかけて回せばネジが緩む。あとは手で回してタンクから外す。
    →工業高校卒の息子曰く、モンキーレンチはピッタリはまらないと却ってボルトの頭をナメてしまいがちだそう。

  • スピンドルの外し方 
    調整ハンドルで左に回しニードルが出切ったところでさらに回し続けると、今度はスピンドルをヴァポライザーに固定するネジが回るようになるので、それが外れるまで回す。
    (ここも固着して硬い場合が多々あるようではある。ぱっと見一旦左に回し切った感じになるし、設計書見ない限り、取れるとは思わないもん…)
    外れたところで、グラファイトパッキンごと引き抜く。グラファイトパッキンは、もともとスタフィングボックスで押し込まれて変形してるはずなので、ヴァポライザー側に残ったカスを千枚通し等で突っつき出しておく

  • ウィック
    タンクから取り出し、更にヴァポライザーからも引き抜く。ウィックをまとめているワイヤーが長めの場合、それをペンチなどでつまんで引くとそぞっと抜ける筈

2.洗浄、研磨

(1)バーナー部パーツ、内部

ヴァポライザー、スタフィングボックス、バーナーセット、ニップルは一応キャブクリーナーに漬けてみたけど…綺麗になったのか良く分からなかった(汗
ヴァポライザーは中が煤けてる可能性もあるので、キャブクリーナを吹いてパイプ用の細いブラシで擦ってすすを落とす。
余熱皿にはメタの燃えカスが固着してたのだが、キャブクリーナーで表面は取れたけど、焦げ付いてる部分は取れなかった。やはりバーナーで焼き切らないとだめだったか…

(2)タンク、バーナー部表面

スチールウールにピカールをつけてひたすら磨く。さすがに真鍮は磨くとかっこええ!コゲのシミはどうしても落とし切るのに限界はあったものの、ほぼ新品同様の輝きを取り戻した!

(3)タンクカバー(輻射板)、ケース

錆の部分に5-56を吹いて耐水サンドペーパーで擦るが、さすがに赤錆だったところは腐食したみたいになってしまった…ここは素直に錆落としを使えば良かったのかも。

3.組み立て

基本はバラした逆の手順で組み上げていくのだが
…特に注意なのは以下の点。

(1)ウィック

交換用に買ったサードパーティー製(OCSS)のウィックはOptimusの他機種と共用なのか糸の量が多くてそのままでは入らない。3割ほどハサミで切って抜いて減らして、ワイヤーに巻き付けヴァポライザーの中にねじるようにして奥まで押し込む。

ワイヤーでねじるように止まってるが、純正品よりワイヤーの撚りが弱く、無理に押し込むと曲がってしまうので注意。人によっては折り返したり切ったりしてるようだが、ワイヤー自体はヴァポライザーからはみ出てても問題なし。

ヴァポライザーに装着したら、今度は出てる糸をタンクに千枚通し等で押し込み、入ったところでタンクにヴァポライザーをねじり込んでいく。

(2)スピンドル

メタルリング、グラファイトパッキンの順でスピンドルに装着し、ヴァボライザーに差し込んだら調整ハンドルで右に回していく。回り切ったら今度はスタフィングボックスをはめ込み、調整ハンドルで締めこんでいく。
グラファイトパッキンがつぶれていくのを感じながら、ネジ山が2列半くらい残る程度まで締める。あまりやりすぎると、今度はスピンドルが渋くなってしまうので、その場合は適宜緩めてスピンドルがスムーズに回るくらいに調整。

(3)クリーニングニードル

これが一番の曲者!!!相当悩んで何とか収めたけど、次出来る気がしない…

  1. 調整ハンドルを装着し、スピンドルを右に回し切る

  2. ニップルを外した状態から、ニードルのギア側を内側にして穴に置く。そしてスピンドルをゆっくり左に回していくと、中のギアに引っ張られて浮き上がったニードルが「カタっ」と中に落ちる。

  3. その時点で一旦右に締めこんでギアが嚙み合うのを確認し、もう一度左に回して浮き上がったニードルが中に落ちたらまた右に締めこむ…というのを3~4回繰り返して、ニップルのネジ山の下辺とニードルの肩が合うくらいまでの高さで噛み合わせる。

※これが合わないと、調整ハンドルを右に回し切っても消火できないとか、プレヒートの時点でガスが噴き出して引火したりとエラい目に遭う。
※正しく装着できているかの確認方法として、ミニポンプがあればタンクに装着して圧をかけてみるのがかなり有効。正しく装着されてないと、スピンドルを右に回し切っていてもポンピングすると圧がかからず中のガソリンが噴き出してしまう。また、石鹸水をニップルにつけることで、エアが漏れている場合はシャボン玉が出来ることで判定できる。

私はここが難しくて30分ほどハマり、代理店であるスター商事様公式の記事を見てやっと理解…

OPTIMUS 8Rハンター・123Rスベア ニードル調整法【HTML】 の取扱説明書 - 株式会社 スター商事 (star-corp.co.jp)

そんなこんなで2週間越し、丸1日かけて何とかメンテナンス完了!

タンクだけが妙にピカピカなのはご愛敬

衝撃の試運転の結果は次回!

この記事が参加している募集

#アウトドアをたのしむ

10,437件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?