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少しだけ長く電車に乗って少しだけ特別な場所へ│職人技が光るあめ細工

久しぶりの思いっきり息を吸えるGW。テレビをつけると、ニュースもバラエティもGWに行きたくなる観光地の話題でもちきり。せっかくの長期連休だから憧れの観光地に行ってみたい気持ちはあるけれど、有名どころは大混雑。

だから今日は、いつもより少しだけ長く電車に乗って、少しだけ特別な場所へ。

降り立ったのは千駄木駅。街ブラにぴったりの谷中銀座商店街には背を向けて、江戸川乱歩の「D坂の殺人事件」の舞台とされる団子坂を上る。団子坂を上りきったところにあるのが今回の目的地『あめ細工吉原』。

ここでは目の前で、職人の手によってあめ細工が完成するまでの工程を見ることができる。しかも、豊富なメニューの中から気になるあめ細工を選ぶことができる。

今日は、日常に彩りを添えてくれそうな「まねき猫」をお願いした。

あめ細工の原料は80度の高温で釜で温めてあるそうだ。取り出してから固まるまでの3分で形を作っていくと、目の前の女性は説明をするやいなや、薄いゴム手袋をつけただけの手を、80度だという釜に突っ込んでいった。

あめ細工職人は何でもない様子で、白っぽいかたまりを引き伸ばしては折りたたむを繰り返す。だんだんと白っぽいかたまりが、まんまるのお月さまのようなかたまりに。そのお月さまを棒にさして、手がひょいっと動いたら、白いひょうたんに。

チョキチョキチョキチョキ。あめ細工職人が手にしているのは糸切りバサミのようなもの。チョキチョキするたびに、白いひょうたんに耳が生え、鼻が生え、足が生え、尻尾が生える。あっという間に、まねき猫。そして、ハサミが筆に変わると、スーッ、スーッ、スーッ。真っ白の白猫が、あっという間に三毛猫に。

たった3分だけど、あまい香りに包まれた空間で、白いかたまりに命が吹き込まれていく、少しだけ特別な3分間。

いつもより少しだけ長く電車に乗って、少しだけ特別な3分を味わえる、ステキな場所へ。

80度のあめの原料を難なく手に載せる職人芸
ハサミでネコが姿をあわらす
ササっと色付け

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