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うららか

こんばんは、まめです。
写経に連れて行ってもらったので、その日のことを書きます。写真とかは全然ないんですけど。

1. 有給をとって出かけた日、目的地はお寺。

11月のうららかな日、一日有給をとって朝から友達と出かけました。こういうの久しぶりー。
朝9:00に門前仲町で待ち合わせ。東西線の1番出口を出るとそこは門前町。「門仲」の名前はよく聞くけど、何の門前でしょうか。はい、成田山東京別院深川不動堂の門前です。ヘッダーは本堂の外観です。
「おねがい不動尊」がいらっしゃり、約1万体のクリスタル五輪塔が奉安される「祈りの回廊」があり、ここで四国お遍路に触れられるという「四国八十八カ所巡拝所」もある、そんなお寺です(詳しくはこちら)。そんな深川不動堂でこの日の目的は写経。私は初めてです。
日本仏教協会による写経の説明は下記のとおり。

写経とは、「仏教の経典を書写する行為」、またその「書写された経典」のことで、古くは信仰に基づいた祈願や供養、経文の内容を自分の手で書き写し、功徳を得ることを目的として行われてきました。
写経は、現代では精神の安定を目的として行う人もいます。

天武天皇の時代、674年に奈良の川原寺で写経が行われた、と日本書紀に残るのが写経に関する日本最古の記述だそう。
私がなぜ写経に興味を持ち、突然やってみることにしたのか。続きます。

2. 興味をもったきっかけ

友達から、大学時代に書道部で度々写経をしていた話を聞かせてもらったことが身近で初めての写経との出会いでした。部活で写経するんだ!という新鮮な驚きと、興味はあるけどよく知らない写経。何聞いても面白かった。
中でも特に面白いと思ったのが、写経は五感をフル活用するという話。
五感=視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚ですね。書くときに見、触れ、墨の香りを感じ、自らお経を唱え、自分の唱えるお経を聴き、お寺によっては舌の裏にスパイスを入れて味覚も使いながら、そのどれにも惑わされず一心に文字を書いていく。友達曰く「写経をすると頭がすっきりする」とのこと。
もともとは印刷技術がない時代にお経を書き写していたことから始まったであろう写経が、1,300年以上経った現代にも残っている。これは興味を禁じえません。

また、写経で頭がすっきりすると聞いて、いろんな行為について同じように話している人がいることを思いました。
以前ラジオでロンブーの淳さんが一人キャンプにハマっている、自分との対話がじっくりできて研ぎ澄まされる、思考がクリアになるというニュアンスの話をしていたこと、瞑想をする従兄弟の話、サウナに通う同僚、ヨガに通う同僚の話などなど。
ある人にとっては一人キャンプ、ある人にとってはヨガ。写経もそうなんじゃないだろうかと。自分にとって心をリセットできるものにまだ出会えていないと思っていたので、写経のことを話してくれた友達に次は連れて行ってくれるようにお願いしました。
そしてめでたく一緒に行くことに!

3. まめちゃん、写経をする。

当日は門前で待ち合わせをして、受付で入館証をもらい、地下の会場へ。
会場にはすでに写経を始めている人たち。一人に一つ、近すぎない位置に机と椅子が配置されています。
お坊さんから手順を説明をしてもらい、その後は自分の机で写経開始。

机の上には下敷きと、なぞるための般若心経、その上に半紙と文鎮、そして
塗香(ずこう・塗るお香。和三盆みたいな良い香りでした)。右側に細い筆と墨汁と硯。それからラミネートされた手順書と、音読用にふりがな付きのお経。

あとは手順どおりに筆を進めます。他の人のことは気にせず自分のペースで(そうでなければ意味がない)、だいたい一時間くらいで般若心経(270文字前後)を写し終わります。
自分の書いた漢字だけの般若心経を自分なりの読み方で読んでからふりがな付きを参照すると、同じ漢字の並びでも違う読み方をしていたり、想像と全然違う読み方だったり……。

筆で文字を書くのが久しぶりすぎて、扱いに苦戦。筆の墨を吸う感じ、筆先の半紙を撫でる感触。トメ、ハネ、ハラエと墨のつき方。右手の力の抜き方。どうしても肩に力が入ってしまう。
慣れてきたころに終わり、夢中になる心地よさみたいなものはまだ味わえなかった。そして書きながら、読みながら、知っている文字の並びに当たるとちょっと嬉しい。つまり、心が動きまくっていて無心になる余裕がなかった…。今度は味覚も使うようなところでもやってみたいです。

写経の目的は変わっても、 6世紀頃のお経が現在まで残っていて、多くの人の関心を集め、心の支えとなり続けていることには変わりない。
般若心経を作った人も、訳した玄奘三蔵も、その時代の人だけでなく未来人にとっても心の拠り所になるように願ったのではないでしょうか。
※般若心経は長さがちょうど良いことから、写経に選ばれることが多いそうです。私は行く前に玄奘三蔵についておさらいしていたため、般若心経への肩入れ多めになっています。

深川不動堂の写経は、現在は毎週木曜日の朝9時~14時まで、定員12名で2,000円です。他にも写経カフェなるものがあったり、いろんなお寺で体験できるようなので、気になった方はぜひお近くで探してみてくださいね(関係ないけど私は宿坊に行くことにしました)。

お次はのんちゃん。「か」でお願いします!

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