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滅亡した国に生まれた

1945年、日本は滅亡した。

命を投げうち戦い続けた日本兵の苦難と願い虚しく。

処刑された約千人以外、生き残った人々は殺戮も奴隷化もされず、“教育”された。

自国を壊滅し大殺戮した敵国を、敗戦してしばらくたつと、憧れて文化を取り入れて好きになった。

結婚式さえ、元敵国の宗教様式であげてしまうようになる。

そんな笑い飛ばす話がこの世界で本当にあった。

身体に危害を加えず、脳内を操作した結果だ。それはされた方に自覚がない。ある意味幸せで、あまりにも悲しい。

滅ぼされた国は、軍を解体され、もちろん国家も解体された。

日本という地名だけを残して。

便宜上国名であり、便宜上主権国家であり、便宜上........

いつからか日本衰退論が溢れている。

違う、衰退も何も、もうすでになくなっている。

誤魔化されている。

日本国は1945年に、降伏の決断とともに滅びた。

戦勝国の持ち物として、利用の仕方により、まるで主権のある独立国家として存続している形をとっているだけだ。

戦前生まれの日本人がすべて鬼籍に入れば、日本人はいなくなる。

正しくいえばもはや日本人とは言えなくなった人々しかいなくなる。

賢く強靭で迅速だった国民は、かつてはこの土地にいて、西洋の大国相手に唯一渡り合っていた。

降伏の前に、六人の会議で、降伏するか否かで三対三に分かれた。

もう敗戦は決定的。降伏しなければ国土は破壊され続け、国民も兵士も殺戮され続ける。そして二度の原爆投下。次は三度目が待つ。いっぺんも勝つ見込みはない。

それでも半数が降伏に反対した。

降伏することによるデメリットが、上記の惨状よりも大きいと判断したのだと、わたしは思う。

それはISに捕縛されている状態を考えれば多少はわかりえる。

トラックに乗せられ、どこかに移送されている。その後どうなるのかわからないが、極めて危険なのだけはわかっている。子供もいる。彼らは洗脳され、戦闘員にさせられるだろう、ISに忠誠を誓って。

そこに全員自決できる手榴弾があったとする。

どうするか。

そういった状況を思えば、反対した三名の苦渋の選択の意味が痛いほどわかるのではないか。

当時の国際情勢、アジアがどのような状態にあり、有色人種はどう扱われていたか、日本だけが本当に唯一特別で、それは戦争に勝ち続け大国化したからであり、その特別がなくなればどうなるか。

しかし最後に決断を託された人は、降伏を選んだ。
それは自身の処刑を意味するものだった。

話を変えよう。一見明るい話だ。しかし違う。

現在の日本は人気が高い。

年々増加するインバウンドや、他国で開催される日本のイベントの盛況ぶりでわかる。

旅行に行くのに、治安が良く、清潔で、人々は優しく、店員のサービスもいい。

国内各地に観光地があり、首都だけでも楽しめる。原宿、浅草、秋葉原。

本当に魅力的なテーマパークだ。

漫画アニメの独自性は強く、高いクオリティを誇り、追随を許さない。

素晴らしい娯楽を提供してくれる。

お金もある。

自国民を劣悪な待遇で過剰に働かせる圧政を敷いて、何カ国もの他国にぽいと何百億と差し出す。

国民が低賃金やサービス残業、無給の休日出勤で過剰に働いて蓄えた金だ。本来国民のために使われるはずの税収。

過労死、過労自殺、過労うつ。ブラック企業、ワーキングプア、非正規雇用。

そして自国の子供が飢えようとも、そこには金を出さず、他国に巨額の資金援助をし続ける。

国策? 将来を担う子どもの発育に関わることをほっておいてやることでは無い。それは、売国といっていい。

国際会議にて、現総理と握手するために大勢の国の人が並んだ。当たり前だ。

その写真を自慢げにアップする議員。どれほど他国に人気か知ってほしい、と。なぜ人気なのかさえわからないのか。それは売国行為により得られたことが理解できないのか。彼はまったく悪意はなく良いつもりでやった、だからこそいたたまれない。

日本を救おうとする人たちは消された。

罪の捏造、失脚、本当に命を消された者も。

もう現れないか、現れたらまたやられる。

安倍総理の長期政権。上記を当てはまれば、彼は日本を救おうとしていない。その逆の可能性さえある。信じたくはないが、辛くても事実の方を信じる。

そして、この細長い島に住む人々は、まともに物事を考える力さえ失いかけている。

映画の中に生きるように、現実的に考えられない。または考えもしない。

あからさまなものでさえ、見抜けない。

この日本という島が、今後ますます大変な危機をむかえると、さんざん警告されているのに、さして目を向けず香港を応援する。

弾圧される人々の力になりたい正義の思い。美しい世界、しかしそれはこの世界ではない。

台湾はあの場所に独立国家として存続させたいから助ける。しかし香港はどうでもいい。言い方を良くすれば、関係がない。エチオピア人に国内問題での危機があっても関係がないと思うだろう、それと同じだ。

香港人とエチオピア人、上下があるのか。わたしには無い。

中国に乗っ取られると心配する人は、日本はアメリカに乗っ取られている現実が見えていないのか、それともあえて見ないようにしているのか。それとも、もうそれでいいのか。

皇后がアメリカの大学卒、それを誇らしく紹介される。

そもそも天皇がイギリスの大学出身だ。

本当に終わった、滅んだのかと痛み入る。
今後は彼らが主だって戦没者の慰霊をする。アメリカもイギリスも素敵な国でしたと正直に言ってほしい。

後どのくらいか、日本人は死にたえる。

そう思わないのならそれでいい。そのほうがいい。わたしはそう思うだけ。

日本兵、彼らは日本を守ろうとした。

しかし守れなかった。

だから許してほしい。

わたしも日本を守れない。

できることは、根絶していく日本人を見送る役目を果たすこと。


終わり