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サカダワ大祭ツォクの、お知らせ ※無事終了(6/14)

noteを開設してから3度目の、サカダワ大祭がやってまいりました。

明日6月14日(火)は満月(チベット暦 四月十五日)にあたり、また布薩日、阿弥陀如来の御縁日でもあります。チベット密教において月4回のツォク供養(チベット暦十日・十五日・二十五日・三十日)に指定されている特別な日にあたりますので、ツォク供養を厳修します。

さらにサカダワ月十五日目は、サカダワ大祭(サカダワ・ドゥーチェン)と呼ばれ、1年で最も重要な日の1つです。
善も悪も、この日に積むと1億倍以上に膨らむ日と信じられています。


サカダワについては何度かnoteに記しましたが、もう一度おさらいします。

「サカ」(Saga)とはチベット占星学でサンスクリット語の「ヴィシャーカー」(Vishākhā)もしくは「ヴァイシャーカ」(Vaishākha)と呼ばれる月のことです(現在でもヒンドゥー教暦では4月/5月をそう呼称します)。
これは、東洋占星術でいう二十八宿(チベットでは二十七宿)のうちの氐宿ていしゅくに該当します。

そして「ダワ」とはチベット語で「月」(month)を意味します。

サカダワ月は私たちの師匠の中の師匠、釈迦牟尼仏がインドでお生まれになり、悟りを開かれ、涅槃された三大イベントが集中してこの四月に起こったことから、四月を特別な期間とするのです。

仏教徒にとって非常に大切な月間であり、特に十五日目の満月はメインイベントを迎えますので、できるだけ肉・魚・酒を控え、悪事を慎み、施しや喜捨などの善行をすることが奨励されています。

※ネパールでのサカダワの様子については、過去記事を参照ください。

当日はから、国土安泰と土地浄化・冤親債主浄化のためのサン供養
午後6時半から、釈尊を主尊とする儀軌を執り行ないます。

午後7時半からは阿弥陀三尊を主尊とする遷識法(僊識法;往生法)を厳修し、ツォク供養はその終了後(夜10時過ぎ)に修します。

遷識法とは血脈の諸師と阿弥陀如来、観音・金剛手両菩薩に対する熱烈な祈願と敬信によって、浄土への往生を願う行法です。故人やご先祖様をはじめとする衆生への祈願、追善廻向が含まれます。

賛同いただける方は今回も「サポート」という形で、お気軽に供養へご参加ください。

サポートいただいた方は、祈願主のお名前で供養用の特別な燈明(チューメー)を、朝まで仏前にて供養させていただきます。

燈明を自室や寺社で献じる場合は、献灯供養文をお唱えするとよいでしょう。献灯供養文はチベットでは多くのバージョンがあります。ご存知ない方は以下のもの(過去記事より転載)を、お薦めします:

༄༅། །མར་མེ་སྨོན་ལམ་ནི། །
献燈供養文(マルメー・ムンラム)


リクツェル・ガクメー・ナンウェー・マルメー・ディ
明知の力が不断に輝くこの燈明を

リクズィンチェンポ・ペマジュンネー・チュー
大持明者パドマサンバヴァ(グル・リンポチェ)に供養せん

リクペー・ガルキャプ・セムチェン・マルーパ
明知で遍く満たされた一切の有情が

リクトン・チュークゥ・インス・ドゥルワル・ショク
明空法身の界にて解脱せんことを

ナムケー・タルトゥク・シンカム・ラプジャン・ナ
虚空の辺まで無限に広がる浄土に(住まう)

クンチョク・リンチェン・ナムスム・テンタン・チェー
三宝(仏・法・僧)を所依として

スナム・サクペー・シンチョク・シュクソ・ツェル
福徳を積集する(対象である)最上なる資糧田に

マルー・デダク・クンギ・チェンラム・ドゥ
これら余すことなく(三宝の)眼前に

ナンセル・マルメー・チューペー・ディブル・ウェー
光明を放つこの燈明の供養を捧げることで

ダクタン・タイェー・セムチェン・タムチェー・キ
私ならびに無量の有情が

マリク・ティムク・ムンパ・クンセル・ネー
無明・蒙昧なる暗黒をすべて消滅し

クンキェン・イェシェー・ナンワ・トンワル・ショク!
遍知たる智慧の光明にまみえんことを

ཨོཾ་བཛྲ་ཨ་ལོ་ཀེ་ཨ་ཧཱུཾ།
オム・ヴァジラ・アローケー・アー・フーム

(6/16更新)
6月15日の午後6時半より開始しました、満月の日+サカダワ大祭のツォク供養を伴う一連の儀軌は夜11時に無事満行しましたので、ご報告いたします。
今回もサポートいただきましてありがとうございました。
皆さまの息災と健康、御守護を祈願いたしました。
またご先祖様・故人の追善を廻向し、浄土への往生を祈願しました。
供養の灯明は翌朝の夜明けまで灯し続け、皆さまの善を廻向しました。

阿弥陀三尊を主尊とする遷識法は、今月も故人に特化したものとなりました。今回は最初の滅罪のパートを重点的に行じたため、2時間半の長丁場となりました。

今回も戦争での犠牲者をはじめとする死者、皆さまの祖霊・御先祖様が、速やかに浄土に転生できるよう祈念しました。

釈迦牟尼如来を本尊とする行(ジャムグン・ミパム編纂)では、改めて仏教徒であることの有り難さを嚙み締めました。全編にわたって美しい詩の形式で書かれているジャムグン・ミパムの儀軌は、釈尊の慈悲深さを再確認できる大変素晴らしいものです。
釈尊のお加持と、良い縁起が皆さまにもたらされますよう祈念しました。

朝にはサン供養(チベット式柴燈護摩供)を修しまして、日本の国土安泰、土地因縁の浄化、皆さまの罪障・霊障浄化を祈念しました。

サカダワといえばインドもネパールも(チベットもらしい)「暑い」という印象が強いですが、今年の東京はどんより曇り空で、冷えていましたね。

汗かいて修行するというイメージからかけ離れてはいましたが、こういう日和も悪くないと思いました。お加持を感じていただけたでしょうか。

次のツォク供養は、6月23日(木)になります。チベット暦二十五日で、ダキニの御縁日です。夜にダキニのツォクを修します。

そして27日(月)は文殊菩薩の化身ジャムグン・ミパムの逝去された日(涅槃日)に当たります。それに先んじまして26日(日)特別法会が開かれます。近づきましたらこちらでお知らせする予定です。よろしくお願いします。

サカダワの、ネパール。仏塔を右回りに歩き、徳を積む。
撮影:気吹乃宮


サポートは、気吹乃宮の御祭神および御本尊への御供物や供養に充てさせていただきます。またツォク供養や個別の祈願のときも、こちらをご利用ください。