脱会・棄教しても続く、影響力
どの宗教でも、その教えを守る霊的存在(護法尊)がいることは以前に述べました。
カルトと呼ばれる反社会的な教団でも、それは同様です。供物を毎日たくさん捧げて身勝手な祈願をするのですから、邪なものが宿らないほうがおかしいでしょう。
仮に、そういった教団を「抜けた」(脱会した)からといって、教団を護っている霊的存在との縁が切れたとはいえません。
むしろ、ずっと悪影響を受け続けるケースのほうが多いのです。
チベット仏教では、行者の持つ法具1つ1つにも護法尊が付くと聞いたことがあります。なまくら行者ならともかく、長い年月を行に費やすと、自然とそうなるのです。
ただし、行者がどんな信仰をしていたかによって、付くものは異なります。よく存じ上げている行者さんや高僧からいただく法具は、大変ありがたいものになります。
逆に、ネパールやインドの骨董屋で売られているような中古の法具は、注意が必要です。
話をカルト教団の例に戻します。
ひとたび悪い教団と縁ができてしまうと、悪い霊的存在の影響は多かれ少なかれ受けます。
教団を抜けて霊的な影響と縁を切りたいのならば、上記の理由で、まずはすべての所持品を徹底的に処分しましょう。教団から貰い受けたもの・使っていたものすべてです。
当然、それだけでは足りません。霊的な影響から完全に解放されるには、血のにじむような努力が必要です。正しい師に就いて伝授を受けた後、懺悔の行を続け、さらには積善し続けないといけません。
ですが最初の関門である「正しい師」に出会うまでが、相当に難しいと思います。必ず妨害が入るでしょうし、様々な段階で、頓挫します。自身の無明がとても強いので仕方がないとはいえ、あきらめずにチャレンジし続けることです。
そしてどんな人もですが、自分の浄化の段階によって、また新たな師とのご縁が生じるものです。
悪い教えと縁のあった人は、「思い込み」(妄念)が人一倍強い傾向があると思います。
だから「これこそが正しい」と思い込むことが多く、身勝手な判断で修行を止めたり、自己流に改変したり、現在の師に固執したりします。
自分の状態を冷静に判断する方法としては、現在の師の同門の法友・師兄にたずねることです。忖度なしに率直に教えてくれるでしょう。その人たちの忠告は案外、外れていないものです。
それすらも聞けなくなったとき、いよいよ「自分は危ない」と判断するしかありません。
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