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ロンチェン・ニンティクの、誕生

私たちの系譜に連なる最も重要な師のお一人、クンキェン・ジグメリンパ(1729-1798)の涅槃日が明日になります。
それに伴い今夜8時から、特別な法要を執り行ないます。

この記念日にちなんで2年前には関連記事を書きましたが(2020年10月19日)、今年は一歩踏み込んで、クンキェン・ジグメリンパがこの世に開示された教法「ロンチェン・ニンティク」の歴史について、記すことにします。

私も、私の師たちも「ロンチェン・ニンティク」の法脈に連なりますし、加持の流れとして多大なる恩恵をいただいています。これは講員の皆さまにとっても同様ですので、この教えがどうやって地上にもたらされたのかを、ディルゴ・ケンツェ・リンポチェ(1910–1991)の文章から引用します。

とはいえ、こういう説明を普段は控えているのも、事実です。説明より実践・実修を心がけて、今までnoteを続けてきました。

今回かなり専門的な話になりますし、もしかして荒唐無稽な話に思えるかもしれません。そこで引用部分は講員さま限定とさせていただきます。

「ロンチェン・ニンティク」は、チベットの瑜伽行者クンキェン・ジグメリンパによってこの世に開示された「密意の埋蔵経法ゴンテル」の續部タントラおよびその成就法の集成です。

現代に伝わる「ロンチェン・ニンティク」の経巻は5巻ですが、その中で翻訳されているのは一部の儀軌とタントラを除いて、ほとんどありません。

この教法は加行と正行、生起次第と究竟次第、最重要のゾクチェンの行であるアティ・ヨガを含む多くの部分に分かれていて、覚醒へ向かう完全に整備された道路を構築しています。

この教法はゾクチェンの秘訣部メンガクデの最秘に位置し、クンキェン・ジグメリンパがお籠り修行中にギャルワ・ロンチェンパ(1308-1363)に三度まみえ加持をいただいて、発掘されたものです。

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