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清明節の、特別法要(ご報告)

今年(令和四年)も清明節の特別法要を無事に執り行なうことができました。サポートいただいた方に御礼申し上げます。

1ヶ月前くらいからご希望者には故人やご先祖様の「位牌」を作成しておりました。

霊位は寺院に持ち込み、法要最終日の4月5日(清明節当日)にその位牌をすべて加持して、チベットの活仏や阿闍梨を導師とする引導法ネーデン(いわゆるお葬式)を修することで御霊に解脱の種子を植えつけ、浄土へと送り届ける儀礼を済ませました。

もちろん私も同席して一緒に儀軌を修しましたが、あくまで導師はチベット人僧(金剛阿闍梨)が務めておりますので、ご安心ください(笑)。

今回の儀軌は阿弥陀浄土へ御霊を送る遷識法(超渡法)と、地蔵菩薩の儀軌マルスル(赤い煙供)、そして上記の引導法の4つと、かなり充実した内容です。全部で約3時間半の法要となりました。

遷識法は日頃から修しているもので、馴染みのあるものです。

引導法は様々な儀軌がチベット仏教には存在するのですが、昨年に引き続き今年もカトク寺(チベット仏教・古訳ニンマの六大寺の1つ)が相伝する埋蔵経法「ロンセル・ドルジェ・ニンポ」の法脈に属する儀軌を使用しました。通常、引導法はとても複雑で長いのですが、この儀軌はコンパクトにまとめられていて使い勝手がいいのだそうです(といっても1時間くらいはかかります)。

引導法の詳細はお伝えできないのですが、おそらく日本仏教の引導作法とそんなに変わらないとは思います。

つまり皆さまのご先祖様・故人の位牌に御霊をお呼びして、そこで諸行無常など様々な法を説いて、世の無常と輪廻からの解脱を提示します。

さらに仏教の戒律を与え、菩薩戒を授けることで、菩薩としての種子を植えつけます。生前すでにお持ちの場合でも、再び受戒することで、仏教徒としての自覚を呼び起こすのです。

さらに得度だけでなく灌頂儀礼も続きます。御霊に密教の灌頂を授けて解脱の種子を与えるのがメインとなります。

そして最後は位牌を焼却することで、因縁から解放され解脱の位に達したとするのです。

いずれも大変強力な儀礼だったため、翌日は力尽きて1日グッタリしていました(毎度のツォク供養の翌日も、こんな感じです)。


今回は台湾と合同での法要だったため、すべての善根をロシア侵略による犠牲者と、中国東方航空MU5735便の犠牲者に捧げました。故人が速やかに浄土へ生まれ変わり、負傷者がすぐに回復することを祈念しました。

また世界的なパンデミックとすべての自然災害・人的災害が鎮静化され、あらゆる生き物が平和に生活し、働くことができるよう、参加者一同で願いました。

そして私たちのご先祖様を含む一切衆生があらゆる苦しみから解放され、計り知れない幸福を手にし、速やかに成仏しますよう祈念いたしました。


位牌を用いた清明節の法要は年に1度だけですが、同じような超渡法要は8月上旬(鬼月の期間;旧暦七夕~立秋の間)にも開催の予定です。詳細がまとまりましたらnoteにてお伝えしたいと思います。

関連する記事: 「飲水思源の、清明節」(2021年4月2日)


サポートは、気吹乃宮の御祭神および御本尊への御供物や供養に充てさせていただきます。またツォク供養や個別の祈願のときも、こちらをご利用ください。