20200806夢の続き日記

・・・ッ!!眩しい!!
と叫び、起き上がる。
どうやら眠ってしまっていたようだ。
そして、何処かは分からないが草むらで目が覚めた。
太陽は真上にある。昼くらいの時間帯だろうか。

いや、ちょっと待て!!
起き上がった?そう起き上がったのだ。地面に寝転がっていたのだ。
地面?そう地面だ。目を開けた瞬間は判らなかったが、明るさに目が慣れた時、そこが草むらだと理解した。
明るい?そう明るいのだ。目が慣れてしまえば普通に見る事の出来る明るさなのだ。
というよりも、ココは何処なのだ?立ち上がり周りを見渡すが、ただ草原が広がるだけの空間だ。
また空間か?だが、今度はさっきまでと違う。地面に足を付け歩き回ることが出来るのだ。

そうだ!!さっき同じ暗闇に居た人たちは!?
結論から言おう。誰も周りには居ない。少なくとも今見える範囲には誰も居ない。
そう、見える範囲には・・・居ない。だからと言って、見えない範囲に居ると断言は出来ない。
何せ、音が全く無いのだ。普通草原ならばそよ風のひとつくらい吹き抜けても良いだろうに、その風すらない。
歩き回っているときの、足音も足に触る草ぐさの擦れる音も無い。
ただ、不思議な事に感触はある。「草には触れる」のだが、ブチッとむしり取ってみても、音は何も鳴らない。
聞こえるのは耳鳴りだけだ。自分の呼吸音すら聞こえないのだ。
試しに声を出してみたが、何も聞こえない。骨を伝わって聞こえてくるはずの「骨伝導」すら聞こえない。
心臓の鼓動音も聞こえない。ためしに脈を計ってみるが、血管は脈を打っている・・・

このままここでじっとしているわけにもいかないよな、と自分に言い聞かせ、兎に角一方向へと歩き出す。
ただただ真っ直ぐに歩く歩く歩く・・・
目に見えるのはただの草原だ。丘などがあるわけでもない。ただ草むらが延々と続き、遙か向こうに一直線の地平線が見える。
地平線の向こうに何か見えてくるだろうと期待を込め、只管歩き続ける。
普段の運動不足か、何度も立ち止まりゼェゼェと(聞こえはしないが)息切れを起こし立ち止まる。
しばし休んでからまた歩き出す。あの地平線の向こうに何かあると信じて。

どのくらいの時間、どのくらいの距離を歩いたのだろう。
今更ながら思い出し、ポケットからスマホを取り出す。
暗闇で漂っているときに何故スマホという現代科学技術の結晶ともいうべきものの存在を忘れていたのか。
自分の愚かさに嫌気が注す。

残念な事にスマホの画面は真っ暗だった。充電が切れているとは思えないが、電源ボタンを長押ししても起動しない。
文明の利器には頼ることは出来ないのな、と何処かの異世界に飛ばされた主人公の様な事を思ってしまい、軽く笑えた。

さて、それならば地平線の向こうへ期待を抱き、突き進むしか道は無いのだと覚悟を決め、また歩き出す。

あの地平線の向こうに・・・あの地平線の向こうに・・・あの地平せ・・・ん・・・
物凄い違和感が俺を襲う。何かがおかしい。何かが間違っている。何だ?何処だ?どれだ?
頭をフル回転させて自分のありったけの知識を集合させ、その中を漁る漁る漁る・・・

地平線!!!!!!
そうだ、地平線は一直線なわけがない!地球上に居るのであれば地平線は軽くカーブしていないとおかしいのだ。
局地的に見るならば一直線でも良いのだろうが、見渡す限りの草むらだ。一直線のわけがない!!
恐怖に背中を押され、兎に角走る。有り得ない一直線の地平線に向かって走る走る走る・・・

なんてこった・・・地平線がどんどん近づいてきている。地平線が近づくなんて有り得ない。
そんなことは天動説の頃の御伽噺じゃないか!!
地平線がもうすぐそこまで来ている。走るのをやめ、歩き出す。
地平線の一歩手前まで歩き続ける。
そして、ついに地平線の一歩手前までたどり着いた。
もう一歩踏み出すとどうなるのか。恐怖でしかない。そこに壁が有り先に進めないだけならば良いのだろうが・・・
いや、そもそも何故俺はこんな場所に居るのだ?その時点で「良い」なんてことは絶対に無い。

恐る恐る手を伸ばしてみる。
地平線と重なる部分まで手を伸ばしてみる。
指先に微かに何かが触る感覚があった。
もう一度手を伸ばし、先程よりも強い力で触ってみる。
「固いな」素直な感想だった。固い何かがそこには存在している。
次に足を伸ばしてみた。
地平線に重なるところでつま先は何かに当たる。
何度か軽く蹴ってみたが、やはり「固い何か」がそこに存在している。

もう半歩近づき、手を伸ばして当たった所から、下へ下へと触りながら降ろしてゆく。
ついに足元まで固い何かが続いているのが分かった。
そして今度は左右に触る場所を広げていって、確信した。
これは空色をした壁だ、と・・・

「壁だと?ははっ・・・そんなバカな・・・」と軽く笑ったところで、疲れがドッと押し寄せ、その場に座り込む。
今起きている事を頭の中で整理しながら、「何故こんなことになったのか?」と答えなど出るわけもないのに自問自答を繰り返す。
そしてその「空色をした壁」に背中を預けるように座りなおした時だった。
背中に有ったハズの「壁」の感触が背中に伝わることはなく、その代わりに背中から何処かへと落ちていった。

落ちた、という表現が正しいのかは分からない。
背もたれのある椅子に座って背中を預けたら背もたれが無くなっていて椅子から落ちた、そういう感覚だった。

そして次の瞬間に、何処かの誰かの部屋に居た。
見知らぬ間取り、天井、壁・・・
何処の誰の部屋かはわからなかったが、兎に角人様の家にお邪魔しているのだ。挨拶は大事。
「どなたか居ますかー?」
と、声を張り上げたが返事はない。
・・・!!声が聞こえる!!今までは徹底して無音空間に居たのだが、ここは違う。自分の発した声が聞こえる!!
何故かそれだけで嬉しかった。
今迄、人知を超越したような空間に居たのだ。普通にありふれた部屋の一角で音もある。それだけで嬉しかった。

「誰かいませんかー?」
もう一度声を張り上げてみたのだが、やはり返事は無い。
「すみませ・・・」もう一度声を出そうとした時、テレビが点いた。

『テレビの前の皆様おはようございます。10月5日みんなの体操の時間です。』
ラジオ体操のテレビ版のようだ。
聞きなれたリズムに子供の頃から染み込んだ動き。
体操をちゃんとしているわけではないのだが、ついつい身体が動き、鼻歌を歌ってしまう。
『それでは皆様、ごきげんよう!』
番組が終わると同時にテレビが消えた。

ふう、と溜息を一つついて、もう一度声を掛けてみようか、外に出てみようか・・・と逡巡していた時だった。
「は?10月5日?え?え?」
と、さっきのテレビ体操の声を思い出し、軽くパニックとなる。

慌ててポケットからスマホを取り出す。
確かに「10月5日10:03」と表示されている。
ちょっと待ってくれ。俺の記憶では今日は8月5日だ。急に2ヶ月も進んだっていうのか?
しかも何処の誰の部屋かもわからない所で目覚めて、2ヶ月経過してるとか有り得ない!
慌てて部屋を出て、外への扉を探すために扉と言う扉を片っ端から開け放つ。
幸いにも一軒家ではないようで、部屋は2DKといったところか、すぐに外への扉を見付ける。

「兎に角、ココが何処だかも分からない。一旦外に出て周りを見てみよう」
と、深呼吸をひとつしつつ、そう考えて扉を開け、外へと踏み出した。


・・・び・・・ビ・・・ビッビー!ビッビッビー!!
けたたましい音と共に目覚める。
目覚めた瞬間に目に飛び込んできた景色、それは、自分の車の下部だった。
そう、駐車場で車の下を覗き込んでいる体勢のままだった。
けたたましい音の正体は、後続の車のクラクションだった。
瞬間的に全てを受け入れることが出来た俺は、もう一度車の下や後方を確認し、何事も無いことを理解した。
後続の車に「すみません」とジェスチャーで謝り、駐車スペースに車を停める。
通り過ぎる後続車のドライバーが睨みつけながら前方を通り過ぎた。
何気に見た車のナンバーは10-05だった。
寒気と同時に恐怖と言っていい感情がこみ上げ、その感情が頂点に達したと同時に、
大きな爆音が鳴り響き、俺は気絶した。


どれくらい気絶していたのだろう・・・
気が付いてから車を降り、周りを見渡したが爆音の原因となるものは見つかるわけもない。
意識も朦朧としたまま部屋へと帰り、すぐに眠り込んだ・・・


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と、ココまでが夢の中のお話です。
続きがあるのかどうかは分かりませんが、ココまでハッキリと覚えている夢は今まで見たことがないので、
正直、何か怖いですね^^;

ちなみに、自分ちの駐車スペースは前庭だし、そもそも田舎でわざわざ地下に駐車場は作らない。
地上に嫌と言うほど土地が余っている。
それに、延ばすとしても上へと延びる。
なので、地下駐車場という時点で、自分の実体験に何かが組み合わさってって夢ではなさそうです。
乗っていた車も、車種までは特定できませんでしたが、明らかに普通車でしたし。
自分は軽四ユーザーなので^^;
そもそも、ナビ付けてないし、ビューモニターなんてものが付いている車でも無いですし^^;

イメージとしては東京のマンションの地下駐車場みたいな感じだろうか。
そして、どうやらそのマンションに自分は住んでいる設定っぽい^^;

o( ̄ー ̄;)ゞううむ・・・

なんだか怖い話だなぁ・・・^^;

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