堕天使の名の由来 /自作ショート・ショート

[第三新東京地下にて]


「ちょっとシンジ~!使徒の名前ってなんでエルが最後につくのよ~」

「えっと、なんでだろう。レイ、知ってる?」

「私は知らないわ。」

「きぃぃ、レイ。あなた台詞を間違えてるんじゃない。」

「あなたは知らないわ。」

「あなたは死なないわじゃなかったの、もう。」

「アスカ!レイはもう死んだんじゃなかったの?」

「もう、訳わかんない事言ってるんじゃないわよシンジ!だから、なぜ使徒がエルなのか聞いてるんじゃない。」

「さあ…そもそも使徒の名前なんか、僕達知らないはずじゃ。アスカ?それなら僕達と同じくらい人気の名探偵コナン君に理由を聞いてみたらいいんじゃない。」

「ダメダメ。あのちびっこ大人のアニメは穴だらけで突っ込み所満載じゃない。」

「弱ったなあ。でも逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ。ミサトさーん。」

アスカの無茶振りからなんとか逃れようと、通りすがったミサトに助けを求めるシンジ。

「あら、シンジ君どうしたの?」

「ミサトさん、あの。アスカがなぜ使徒の名前にエルが付くのかって質問するんだけど、わかりますか?」

「そんな理由、私にわかる訳ないじゃない。コナン君にでも尋ねてみたら。」

「ミサトさんまで」

「あっ、そうだ。シャーロックホームズが来るらしいから聞いて見たらいいじゃない。」

「でも、あの人死んでるんじゃ…」

あなたは死なないわ

「ようやくまともに台詞言えたね、レイ」

Fin

注釈
エルとは古代ヘブライ語で神(天使級)を意味する。
例 
イスラエルIsrael 戦いの神
ガブリエル ミカエルなど。

エヴァンゲリオンに登場する使徒の名前は、多くのキリスト教会派では偽典とされる、エノク書ないしエノクの黙示録に記された、神に反逆し地上に降り立った堕天使の名前からとっている。

ちなみにエノクとは創成記に記された、神に生きながら召された義人である。

原始キリスト教ではエノク書は広く読まれていた。エチオピア聖教会を始めいくつかの会派は、これを正典としている。
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エノク書

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バルバロイ


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