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創業の地で、初の社長交代

この4月から、ICONIC創業の地ベトナムの、本社機能が集結するICONIC Co.,Ltd.(ホーチミンとハノイの国内2拠点を擁するICONICグループ最大拠点)の新社長に就任しました。グループ創業15年目にして初めての社長交代です。


01. 最適配置への不安

社長交代案が持ち上がった時、我ながら本当に自分でいいのかと、1-2か月、悶々と悩み続けていました。そんな胸中を創業者である安倉に打ち明けた昼下がりのホーチミン市内でのランチ会話。

私「社長交代の話だけど、本当に自分で最適配置なのかが最後まで不安。確かに、今、顕在化している課題を解決するという意味では最適配置だと思うけど、その後、さらに事業を大きくしていくという中長期の発展を考えた時に、最適配置と言えるのかがとても不安。」

安倉「どのくらい不安?」

私「うーん。60-70%くらいやれると思うけど、30-40%くらい不安。」

安倉「あのね、それ、すんごい健全な危機意識。むしろ100%やれるって言われた方が、よほど任せる側にしてみたら不安だわ。はははー。」

健全な危機意識がある方が、人はやる気になる。確かに、と妙に納得し、大役を引き受ける決意ができました。


02. 役割は人の視座を変え、働き方を変える

とまあ、そんなこんなでICONIC CO.,LTD.の社長に就任したわけですが。

役割って人の働き方をこうも変えるものなんだなと、我ながら再認識しています。一事業部の統括をしていた立場から、全社を経営する立場へ。

そうすると、本当に社内の見え方が変わってきました。

色々とスタックしている課題は、ほとんどすべて横ぐしの連携が必要な部門横断的な事案であることがわかりました。なので、やるべきだけどスタックしていたり、ポテンヒットになっていることが何かをとらえ、会社の成長へ資するという観点から取り組みの優先順位をつけ、横ぐしで動かすための最適な役割分担の座組みを描く。さらに、いち早く社長としての自らのタスクをこなし、泥臭く行動で熱意を示す。そうすると、動かしにくい事案であっても、一人、また一人と、歯車が動きだすのを感じています。

また、各現場リーダーの話を直接ヒアリングすると、課題の見え方がかわることも多く、プライマリーデータにあたることの重要性を再認識しています。

現地・現実・現物の三現主義とは、本当によくまとめられた素晴らしいワード以外の何物でもないとリアルに感じます。


03. No Limit

そして、自身のマインドセット面では、自分自身に微塵もLimitをかけないことが大事だと、自然と思うようになりました。「微塵も」というところがポイントです。社長という役割を担う以前は、「微塵も」とまでは思えていなかったので、不思議な心境の変化です。

弊社が掲げる「Create Beyond(こえるをうみだす)」というミッションには、企業や人の「国境を超える、異文化を超える、現状を超える、限界を超える」といった様々な挑戦を後押しする、という意味を込めています。そのミッションの実現を通じて、より一層、企業や人の挑戦が活発化する社会へと導くインパクトを与えるためにも、社員が一丸となり、この会社をより一層成長させていかなくてはなりません。

そのための障害になっているようなことであれば、どんなことでもすべて取り除くのが自分の役割だと思っています。

フロントの事業部のみんなが少しでも売上を上げやすいようにすること、ミドルーバック部門が、なにをどんな優先順位で取り組んでくれたら会社の成長が叶うのかを明確に共有して、活動の焦点を絞りやすくすること。それでも、ひとたび活動開始したら、すぐ暗礁に乗り上げてしまうのがビジネスであり、仕事。そんな時には、どうしたらその暗礁を乗り越えられるか、議論の相手となり、一緒に考える、それがだめならこっちはどうだ?と思考停止せず、アイディアを出し続ける。次の一手が見えず、行動が起こせていない時ほど、共に考え、行動できるよう、指針をだしたり、交通整理をする。

社員がより成果を出しやすくなるためのことなら、何でもやる。

そして、そもそも社長がやった方がいいことは、誰かに任せず、自ら率先してやる。

自分にLimitをかけずに、流体のように形を自在に変えて、会社の成長、そして、その先のミッションの実現のために必要なことであれば何でもやる。

それが新社長として駆け出した自分が、まずは目下取り組むことであると思っています。


04. 働く幸せ

私は、働くのが好きです。

自分の仕事を通じて、お客様の課題解決に貢献できたり、結果、お客様に喜んでもらえた時は本当に至福だし、心から感動しますし、感涙することもよくあります。それが組織への利益貢献にも繋がる上に、その副産物として自己成長ができたりもする。それが、私にとっての働く幸せであり、働くのが好きな源泉だと思っています。

新社長に就任してこの方、今までならば接点の薄かった社員とも話をする機会が多くなり、思うことがあります。

それは、みな同じように、世の中への価値貢献を志し、組織への成果貢献を希求し、自己成長をはかろうとしている、ということです。語り方はそれぞれ誤差はあるけれど、幹の部分は、実に自分が普段感じるワークモチベーションの源泉と似てる人が多いと改めて感じています。よいメンバーが集まってくれている証拠です。

であれば、ごくシンプルに、私が新社長の役割を担うこの会社では、真正面からそこに焦点をあてた経営をしていきたいと。

顧客課題の解決に真に貢献できているのか
働く一人一人が組織へ成果貢献できているのか
働く一人一人が自己成長できているのか

それこそが、本質的に働く幸せにつながるはずだと信じているから。


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