勝手にアニメキャラのセックスを想像してみた−3

ギシギシ、ミシミシ。
私が歩くたびに、廊下からはこのような音が出ます。室内の照明もちょっと暗いです。まあ部屋の名前がわかるから、それはそれでよしとしますか。
これが夏でしたら、お化け屋敷の中を歩いているみたいで、ちょっと怖いですね~。
そんなことを考えながら、館内を歩いていたら
「アッ……アッ……アッ……アッ……」
「ウッ……ウッ……ウッ……ウッ……」
「ハァ……ハァ……ハァ……ハァ……」
という、何とも不気味な声が聞こえてくるではありませんか。
それも耳をよーくすませてみたら、館内のあちこちから似たような、何とも色っぽい声が聞こえてくるのです。
この旅館は3階建て、今私がいるのは2階。ひょっとしたら3階もそうなのだろうかと不安に思い、忍び足で階段を上り、館内をまわってみたのですが……
「ハーッ、ハーッ、ハーッ、ハーッ!」
「ウッ!ウッ!ウッ!ウッ!ウッ!ウッ!」
という艶めかしい喘ぎ声に混じって
「イヤァ─────────────────────────────────ッ!!!!」
「アアァ─────────────────────────────────ッ!!!!!!」
という、あられもない叫び声、さらには
「キモチイ────────────────────────────────ッ!!!!!」
「モット─────────────────!!!!!モット─────────ッ!!!!」
さらには
「イッ……イッ……イッチャウ─────────────────ッ!!!!」
という、恥も外聞もない叫び声が聞こえてくるではありませんか。
この瞬間、私は全てを察しましたわ。
この旅館は、秘境に立地しているのをいいことに、あやしげなカップルが多数利用しているところだと。
そして上郷さんはそのことを知りながら、わたくしにここを勧めたに違いありませんわ。
全く、なんというハレンチなことを!
すっかりアタマに血が上った私は、自分の部屋に戻るなり
「上郷さん!」
と、彼を思いきり怒鳴りつけました。
「はぁ、先生……いったいどうしたのでしょうか」
上郷さんはきょとんとした表情を浮かべています。
「ここは……ここはいったい……この旅館は……」
怒りのせいで、うまく言葉が出てきません。それでも必死になって、わたくしは言葉を絞り出しましわ。
「この旅館の宿泊客は、邪で淫らなカップルしかいないではありませんか!」
ハァハァと、私は息が荒くなりながらも、わたくしはいいましたわ。
ですが上郷さんは平然と、こう返してきたのですわ。
「あのー先生、確かにこの旅館はカップルばかりではありますが、最終的にこの旅館を選んだのは先生なんですよ……」
ええ、確かにこの旅館にしましょうといったのはわたくしですわ。しかしですね……
「こんな雰囲気だと知っていたら、別の旅館にしていますわ!」
「先生、そりゃご無体ってものですよ……。それに、HPにも書いてありませんでしたか?『当旅館は、カップルのお客様から高く評価されております』って……」
上郷さんは、ため息をつきながら答えます。
ああ言われてみれば、HPの案内もそんな文言が載っていた気が。
というか「カップルのお客様」云々って、早い話
「当旅館は、密会目的のお客様も多くご利用されております」
という意味だったのですか?
だったら、別の旅館にするんだったと後悔するわたくしに対し、上郷さんはさらに言葉を続けます。
「それに、失礼を承知で窺いますが、その齢でその……恋愛経験がないということはないでしょう?」
「そりゃありますわ。失礼な!」
上郷さんはご存じないでしょうが、年相応の男性経験は積んでいますわ。
「あのー、先生が好きな男性と一夜を過ごしたところって、ひょっとして高級ホテルばかりでは?」
たたみかけるように質問する上郷さんに、私は言葉を窮しました。
「ハハハ、先生、顔が真っ赤ですよ」
私は恥ずかしさのあまり、顔を俯きました。
「いい雰囲気の男女が、誰も来ない秘境の旅館で愛の交歓をする。これって、ステキなことじゃないですか? ぼくが彼女とここに来ても、たぶん彼らと同じことをしますよ。むしろ彼女の方が、積極的に迫るかも知れないですね。なんといっても現代は『肉食系女子』なる言葉が出てくるご時世ですから」
「じゃあ上郷さん、過去にこんな経験がありますの?」
「そりゃありますよ。ぼくだって男ですから、好きな女子には積極的に口説きますよ。それにね、先生……」
「なんですの?」
「窓から夜空を見てください。星がきれいですよ」
言われた通りに客室の窓から外を眺めてみると、そこには満天の星の輝きがありました。
「こんな光景、今の東京では絶対に見られませんよ」
いわれてみれば、確かに……。
美しい夜空を見ていると、私の怒りはどこかへと消えてしまいました。
私はしばらくの間上郷さんの隣で、おそらく都会では二度と見られない夜景を、静かに見つめていたのです。

どのくらいの時間が過ぎたのでしょうか。
「えっ!」
なんとわたくしは、事もあろうに上郷さんの手を握っていたのですわ。びっくりして手を振りほどいたのですが、上郷さんはわたくしが驚いた表情を見て、ニヤリと笑います。
「先生、見かけによらず大胆ですねえ」
「あの……あの……」
わたくしは、緊張して言葉が出ません。
そんなわたくしを、上郷さんは静かにわたくしの身体を、静かに自分の方に抱き寄せました。
身体越しに、彼の心臓の音が聞こえてくるようです。
同じように私の心臓の音も、彼にはどう聞こえているのでしょうか、気になって仕方ありませんでしたわ。
やがて上郷さんは、私に視線を向けて
「もっと、先生のことを知りたいです。先生は、私のことをどう思っていますか」
といいました。
「ワタシもそう思っていますわ。で、これからわたくしになにをするのですか?」
私は上郷さんに尋ねました。
上郷さんは再び私を静かに抱くと、ゆっくりと私の髪を梳きました。彼の吐息が、わたくしの首筋にかかります。そのたびに、わたくしは身体の芯が熱くなるのを感じました。
やがて彼は自分のてのひらで、あたくしの背中を優しく撫ではじめました。スピードと強弱を変えるその愛撫に、わたくしは身も心もとろとろに溶ける感覚を感じましたわ。
さらに彼はわたくしの手を自分の背中に回し、自分がやっていることと同じことをするよう、目線で私に促します。
私は促されるまま、彼が私に行っている愛撫と同じことを、彼の背中にいたしました。
「ハァ ハァ」
「ハァ ハァ」
2人の吐息が荒くなった瞬間、上郷さんはわたくしの唇を、立て続けに奪いました。最初は軽く、そして2回目はしっかりと。
「先生」
上郷さんはしっかりとした感じで、わたくしに話しかけました。
「ここから先は、あちらで行いませんか?」
彼の視線には、きれいに整えられたベッドのある部屋に向けられています。
ええ、いいですわ。
この勝負、受けてあげようじゃありませんか。

部屋の電気を消し、ベッドに設置されたスタンドの灯りをつけると、わたくしと上郷さんは、ベッドの上に横たわりました。
上郷さんは私の上に覆い被さると、私にキスの雨を降らせました。おでこに、頬に、そして唇に。そして彼は私の浴衣の帯を掴むと、ゆっくりとそれをほどきました。
わたくしも、彼に同じことをいたしましたわ。
そして2人はパンツとパンティを脱ぎ捨て、生まれたままの状態でしばらく抱き合っておりましたわ。
そうしたらお互いの体温が、肌を通じて伝わってきますの。
上郷さんは片手で私の髪をとかしながら、もう片方の手でわたくしの身体を、丁寧に愛撫します。
首筋から肩、二の腕に。横乳に熱い吐息を吹きかけられると、わたくしの乳首はカチカチに硬くなりました。
さらに彼の入念な愛撫は続きます。お腹、お尻、腰、太もも、そして足首に。
「アアッ アアッ……」
「ハアッ ハアッ……」
いつの間にか、わたくしの口からは嫌らしい喘ぎ声がでているではありませんか。

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