【レビュー】Liquid Text を使ってみた感想やメリット、デメリットのまとめ【数式にも対応してるの?】
Liquid Text という iOS 向けの PDF リーダーアプリがあります。他のアプリにはない独特な機能を備えているアプリで、評判もよさそうだったので、レビューしたいと思います。
条件
使用時の条件は次の通りです:
01. 無料版(一部機能に制限アリ)
02. Apple Pencil 使用
03. PDF :理論物理学の論文(文字、数式両方あり)
結論
まず結論をまとめておくと、次の通りです:
01. 使用するなら課金前提(¥3680 )
02. ページ数の多い論文で、頻繁に参照する部分があれば有用
03. 数式・図・グラフにも対応している
04. 文章がページをまたぐと使いにくい
特徴
このアプリの特徴は、なんといっても PDF の文章中から一部分を抽出して、ストックすることができる点です。感覚としては、文章のコピーを切り抜いてノートやホワイトボードに張っていく感じです。複数のページを突き合わせながら読むときや、何度も同じ式や定義を確認する必要がある場合に有用です。また、文章から重要な部分だけをピックアップして、簡易的に要約することもできます。
それでは、以下で使用方法を具体的に見ていきましょう!
文章の抽出
まずは論文の文章の一部を抽出してみたいと思います。
抽出したい文章を選択して……
選択部分をスライドするように動かすと……
このように選んだ部分のコピーが抽出できました!そのまま右側の空いたスペースまで移動させれば……
選択部分が抽出できました!これが最も基本的な使い方です。
抽出した文章を連結する
抽出した文章は連結することができます。具体的に見てみましょう。
先ほどの文章に加えて別の文章を抽出しました。
下の文章をタップして、上の文章に近づけると……
このように 2 つの文章を連結することができます!このようにして関連のある部分を抽出し、連結していくことで情報を整理することができます。
数式はひと工夫必要
続いて数式を抽出してみましょう。
これまでと同様、数式を選択し……
抽出すると……
……アレ?そう、数式を文章として選択すると、抽出したときにテキストに変換されてしまうのです!これでは著しく視認性が損なわれてしまいます。
そこで、数式を含む領域を画像として選択します。
先ほどと選択の仕方が異なっているのが分かりますか?このように領域で選択し、右側に持っていくと……
数式の形を崩すことなく抽出することができました!
同様の方法を使えば、グラフや図も抽出してストックすることが可能です。
ページをまたぐ文章は抽出できない
抽出したい文章が複数のページにまたがっている場合、まとめて抽出することはできません。
文章選択でも……
画像選択でも……
このようにページの下端で選択が止まってしまいます。ですが、あまりこのような状況になることもないと思うので、気にしなくても良いかもしれません。
抽出元へと素早く移動
抽出してストックした文章をタップすることで、抽出した部分を元の文章ですばやく確認することができます。
ページ数が多く、長い文章を読んでいて、参照を繰り返す場合などに便利な機能です。
本文を圧縮
Liquid Text のもう一つの機能として、本文を圧縮する機能があります。
このように本文上で指をピンチすると……
このように本文を圧縮することができます!
また、抽出部分のみを残して本文を圧縮することもできます。
本文右側に青いラインがあるのが抽出部分です。このようにして要約版を簡単に作ることができます。
だけど、有料版じゃないとできないことも……
これまで見てきたように、文章の抽出・圧縮機能は無料版でも使用可能です。しかし、有料版でないと使用できない機能がいくつかあります。しかも有料版の機能は無いと不便な機能が多いです。
その中でも、特に致命的なのがペンツールによる書き込み機能です。同様にマーカー機能も課金しないと使用できません。個人的にはこれらの書き込みツールが利用できない点が不便に感じました。当然、使うためには課金すればよいのですが、その価格は 3680 円( ! )と決して安くありません。Liquid Text の機能をバリバリ使って論文を読んでいきたいという人だったら購入してもいいかもしれませんが、個人的には無料の PDF リーダーや、より安価な GoodNotes のようなノートアプリで十分だと感じました。ここは好みの分かれるところだと思います。
改めて結論
改めて結論をまとめると、次の通りです:
01. 使用するなら課金前提(¥3680 )
02. ページ数の多い論文で、頻繁に参照する部分があれば有用
03. 数式・図・グラフにも対応している
04. 文章がページをまたぐと使いにくい
ただ、文章の抽出や圧縮は他の PDF リーダーに無い機能ですので、これらの機能が必要かどうかがポイントだと思います。幸いにもこの" 2 大機能"は無料版で試すことができるので、一度無料版で使用感を確かめてみるのがいいと思います。
この文章は以上です。最後まで読んでいただいて、ありがとうございました!