冬隣の音楽紹介2022

8月過ぎたらもう大晦日。身代亜土夢です。
とうとう11月になってしまいました。今年もあと二ヶ月で終わりです。
時の流れとは末恐ろしいものですね。年末調整の書類書かなきゃ。
そんなこととは何も関係ありませんがこの時期聴くといい感じな音楽の紹介です。

Boards of Canada『In a Beautiful Place Out In the Country』(2000年)

Boards of Canadaはスコットランド出身のエレクトロニック・デュオ。
カナダの人じゃないのに名前にカナダが入っている理由はめんどくさいので各自調べてください)
不明瞭でありつつも温かみのある有機的な電子音楽といった音楽性で高い評価を得、独自の立ち位置で作品を発表しています。高い評価を得ているフルレングス作品がいくつもありますが、今回は身代が特に愛聴しているEPを。ひっそりと寂しく佇む山小屋に籠ってゆっくりと表情を変えていく大自然を観察しているかのような雰囲気が味わえます。


H.U.V.A. NETWORK『Distances』(2004年)

このnoteの音楽紹介記事では登板率10割ではないかとも疑われる、超優良チルアウト/アンビエントレーベル『Ultimae Records』。その総帥Aes Danaとエース的存在Solar Fieldsがタッグを組み結成したのがこのH.U.V.A. NETWORKです。もうこの二人で良くならないワケがないだろうという安心と信頼の名コンビとなっております。発表作がいくつかあって正直どれもいいんですが、ジャケがなんとなく秋っぽいので今作を。
余談ですがSolar Fieldsは明後日11月4日に最新作『FORMATIONS』を発表するとのこと。Twitterで小出しにされている一連の告知動画が既に良すぎてもう最高です。



jinsang『life.』(2016年)

まるで昨今のフリースタイルバトルやトラップが主流のメインストリームなヒップホップに逆行するようにして、ヨレ気味のビート・サンプリング風味のウワモノ・YouTubeでのノンストップストリーミング・カセットテープやレコードでのフィジカルリリース…という手法でその独自の裾野を脈々と広げているlo-fi hiphop。イマドキのヒップホップと比較してカウンターカルチャーのような扱いを受けていますが、その素朴さはむしろ初期Hiphopへ先祖返りしたような感じで面白い現象だなと個人的には思います。
そんなlo-fiも流行を経て今はオルタナティブな様式美となりつつありますが、その原点のひとつがこのjinsang.ではないかなと。純朴でどこか懐かしいこの音楽が、いつまでもそのピュアさを無くさないでいてくれるよう願ってやみません。



The Field『From Here We Go Sublime』(2007年)

ミニマル風味でありながら美麗なサウンドスケープを施した独自のテクノを展開するスウェーデン出身のアーティスト・The Fieldの1stアルバムです。タイトルと名前を手書きしただけの簡素なジャケットが表すように、一見地味でありながら温かみのある心地よさに彩られた作品となっています。
秋の夜長にこそこういうものを聴いて没頭するのにはうってつけな時期でしょう。



SPACE DIMENSION CONTROLLER『The Pathway To Tiraquon6』(2011年)

その名の通り宇宙を彷彿とさせるエレクトロ・ディスコ・ハウスの名手・Space Dimension Controllerが発表した作品。
宇宙人の侵略や惑星間航行、タイムスリップといった要素に彩られたストーリーをコンセプトに展開するこの作品は前編にあたり、続く『Wellcome To Mikrosector-5』(2012年)と二作に渡って物語を音楽で表現するというユニークな試みとなっています。Solar FieldsやCarbon Based Lifeformsがシリアスで叙情的な視点で宇宙に目を向けていたのに対して、このSDCは古き良きSF映画的ストーリーの舞台として宇宙を表現しています。音像もどこかいなたくも親しみやすさを持ったエレクトログルーヴとなっていて、ユーモアとかっこよさが同居する独自の世界観を作り上げています。


今日はこのへんにしといてやらあ。

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