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私になりたかった私





私が私になれなかった頃




白いものは黒いと言えば



あなたたちは穏やかでいてくれたけど



その度に



丸かったはずの私の心は



ぺしゃんこになっていった






あなたたちは



いったい



私を



誰の心に



設えたかったのだろう






抗おうとした身体は



青く滲んだ







扉は開かれ




その先のヒカリを信じて




痛かった




裏切り者め





傷んだ心と身体










止まらない




太腿から足首まで




伝う血を垂れ流し




私でない誰かを演じながら




暗転を迎えたくないと




足を引き摺りながら




閉じかけた幕を開けた








私が



私として生きることを選ぶために








腹の底で燻っていた



声無き声を挙げていく

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