詩を書き
朗読する
または
アートエッセイを書いて
朗読する
実冬独自のスタイルが
フワッと
拡がりつつあるけれど
うまく話せないから
書いて伝えてみた
……から始まった
私の
言の葉蝶を
追いかける旅は
小学生の頃に遡る
たゆたゆと
川の流れに委ねたり
時折
居心地の悪い石の上に
腰掛けたり
道をそれた時でも
手を引かれては戻されたり
途切れ途切れでも
書くことに向き合う機会を
その時々に得て
今に繋がっている
その手を引いてくれた
幾人かのうちの一人が
だんだんと
目が見えなくなってしまう病に
かかっていると聞かされた
書くことを忘れずにと
長年
声をかけ続けてくれた彼に
恩返しがしたかった
白い杖をつきながら
私の詩を読み聞かせるイベントへ
姿を見せてくれた
あの日から二年……
「もうほとんど目は見えなくなったけど、また朗読を聞いてみたいです。」
と、たどたどしい文字で
彼から手紙が届いた。
有名になるとか
なれないとか
年々
歳を重ねることへの焦りなど
無いと言えば嘘になる
そんな日々の葛藤の中
改めて
何の為に自身の詩を書き
読み聴かせているのか
目の前にいる人の
笑顔が見たいのだ
目の前にいる人の
寂しさに寄り添いたいのだ
綺麗事ではなく
きっと
それがすべて
誰に何と言われようとも
前を向いて行くしかない
精一杯やるしかない
与えられた命をどう使うのか
それが
使命ってもんだろうから
撮影:鳥尾佳佑
「実冬の味読」より
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