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神経伝達 ガイトンアウトプット④

静止膜電位

 細胞の電位差は、Naイオン、Kイオン、Caイオンによって作られる。静止電位とは電気的に何も動きのない状態である。このときの細胞内はKイオンが多く、マイナスの電荷を持ち、細胞外はNaイオンが多く、プラスの電荷を持つ状態である。これにより電位差が生まれ、細胞内で-90mVとなっている。

脱分極

 何かの刺激が起きると、脱分極と言われる現象が起きる。脱分極とは2つの電"極"に"分"かれた状態を"脱"するということで、電位差が減少することを示す。この原理は、NaイオンチャネルとKイオンチャネルによるが、機械的に動くチャネルに加えて、電位依存性チャネルというものがある。
 そもそもチャネルとは、タンパク質でできた門のようなものである。例えば、ナトリウムチャネルとは、細胞外にあるNaイオンを細胞内に流入させることのできる門ということである。
 電位がチャネルに伝わると、チャネルは開放し、急激に細胞内へNaイオンが流れる。するとさらに電位差が少なくなる。電位が高くなり、ある一定の高さになると、活動電位が形成される。この電位を閾値という。

再分極

 ナトリウムチャネルは電位に急速に反応し、Naイオンの急激な流入を促すのに対し、カリウムチャネルはそれから少し遅れて開口する。Kイオンが細胞内から細胞外への流出を開始すると、電位差は再度開き、静止膜電位が再形成される。この過程を再分極という。
 ただし、この状態はNaイオンが細胞内に多く、Kイオンが外に多い為、Na-Kポンプにより、ATPのエネルギーを利用して、再びイオン勾配が作られる。

神経インパルス

 神経伝達では、上記のような局所的な活動電位の発生が、連続的に広がる。これを神経インパルスという。
 神経には太い有髄線維と細い無髄線維があり、有髄線維のほうが早く伝播する。有髄線維にはシュワン細胞というものがあり、神経周膜を取り巻いている。シュワン細胞は脂肪を含み、この脂肪が絶縁の役割をする。
 シュワン細胞がある場所では、チャネルによるイオン交換が行えず、シュワン細胞のないところまで飛ばして交換が行われる。これにより、遠位部へ早い伝達が行われる。

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