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花の欠片を追って

14度の微雨
新入りの本を横目に今日は引きこもり日和だなと重い身体をベッドから滑り起こしのそり洗面所へ

人生が変わると言われ奮発し矯正されたストレートヘアの寝ぼけ眼の自分が鏡に映っていた
生まれ変わった姿に再び感動を覚え誰かに見てもらいたいと心躍り、一軍のカラコンを付けた
外に出ると今日も湿気は上機嫌で意地悪だった
誰かに自慢したかった髪は風のせいで振り乱れ前が見えなくなった
いつものローソンにてお決まりのセリフ
「カフェラテのアイスMひとつ」
ちゃんと休みをもらっているのかと心配になるくらい常時いる店員さん
毎朝会っているのだから私の髪の変化に気づいてくれるだろう。といつもより時間をかけお決まりのセリフを言ってみた
昨日より目が合っていた気がする
見慣れた紙コップを手にこちらに向かってくる
気づいてくれた?
"また明日ね!"と心の中で伝達
外に出ると「雨なんて降らせてないですけど?」と余韻の欠片もない日本晴れ
足元では花びらが揺れ泳ぎ浮かんでいた
虹を探しゆっくり帰ろう
枕元に置いてきた本を読み午睡を楽しもう
無意識に一歩目がスキップだった自分に気づき口角が緩んだ

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