RTA in Japan 2020で鉄騎のRTAを走ることになった
どうして。
いやまあ応募したからなんだが。
夏のRTA in Japanを見てから走り始めて次の開催時に自分が走る未来とか正直視えていなかったよ!!!
というわけで今回はRTA in Japanで走ることになった経緯とか書く。
ところで、そもそも君はRTAというものをご存知だろうか?
近年だいぶ認知度があがってきているので知っているひともそれなりにいるだろうが、RTAとはReal Time Attackの略で、ゲームスタートからクリアまでの"実際の時間"を競うビデオゲーム競技だ。
RTAとは
RTAってのは普通のタイムアタックと何が違うの?とおもうひともいるだろうから説明すると、通常のタイムアタックはおおむね"ゲーム内時間"の計測になる。
これは結構な違いで、ゲーム内時間での計測だとロード時間やらは計測されなかったり、そもそもセーブ&ロードを使うことでミスをなかったことにすることもできてしまう。
しかしRTAだとそういうやり直しも全部含めてのタイムになるので走者の一発勝負力を試されるというわけだ。
また、タイトルごとに様々なレギュレーションがあり、たとえばバグ技だろうがなんだろうがなんでも使っていいからとにかく早くクリアするのを筆頭に、バグ技禁止だったり、収集物を全部あつめてクリアするだとかいうのがあったりするので、同じタイトルでも様々な楽しみ方がある。
なんかしらのイベント以外でも日夜誰かが走っているのでニコニコ、Twich、YoutubeなどでRTAで検索すれば色々でてくるのでテレテレワークのBGVとしてもおすすめだ。
RTA in Japan
で、冒頭に書いたRTA in Japan(以下RiJ)だ。
これは夏と冬の年2回行われている日本最大のRTAイベントで、数日間の間さまざまなタイトルをひたすら走るとんでもないイベントだ。
基本的に夏はオンライン、冬はオフライン(配信もする)での開催で、開催期間中ひたすらRTAを走り続ける。
(残念ながら昨今のコロナ騒ぎの影響で今年の冬はオンライン開催になった)
タイトル間の準備でちょっとした休憩時間はあるが、最後のゲームが終わるそのときまでは日が昇ろうが沈もうがお構いなしに延々とゲームをプレイしていくのだ。
僕も数年前からただの視聴者として配信を見ているだけだったのだが、今年の8/13〜16に開催されたRTA in Japan Online 2020がまずかった。
まず、その期間がちょうど夏季休暇と重なっていたこと。
そして、今年は夏のコミックマーケットが中止(そもそもオリンピックの影響で開催されるにしても春だったが)になってしまったこと。
さらにCOVID-19の野郎のせいでなんか旅行に行くのもちょっと……という状況だったこと。
これらが重なった結果、僕は部屋に引きこもって寝落ちする時間以外延々とRiJを見ることとなってしまった。
YOKOHAMA……
ゼル伝のわけのわからない速度保存……
ラチェクラ深夜ラジオ……
3つのボタンでカービィボウル……
その他もろもろのRTAをひたすら見続けた。
結果、火がついた。
短期間のうちに大量のRTAを見過ぎて、なんか無性に自分もRTAを走ってみたくなってしまったのだ。なんて影響されやすいやつだろうか。
そしてあわよくば僕もRiJに出てみたい……そんな欲がわいてきてしまった。
とはいえ、僕のようなせいぜい平均レベルのウデマエのプレイヤーが走れるタイトルなんてあるだろうか。
かなり前にスーパーメトロイドのRTAをちょこっとやったりしてみたことはあるが、普通に1時間越えだった記憶しかない。これでは駄目だ。
そんなわけで、まずは世界中のRTAの記録が集まるSpeedrun.com(SRC)でなんかいけそうなタイトルを探すことにした。
(ちなみに海外ではRTAではなくSpeedrunと呼ぶのが一般的らしい)
自分がそこそこプレイしていて、知名度もそれなり以上なタイトルはなにかないか、そんな都合のいいことを考えながら、ふとあるゲームタイトルが頭をよぎった。
決断的に"Steel"と検索ボックスに入力。すると候補に目当てのタイトルが出てきた。
Steel Battalion
見覚えのないタイトルと思うひともいるかもしれないが、それは海外版の名前だからというだけで、国内でも知名度だけなら抜群なのは間違いない。
直訳すると"鋼鉄の大隊"となるこのゲームの正体は、2本のレバーと数十個のボタンとフットペダルを使用してバーティカルタンク(VT)と呼ばれる巨大ロボットを操縦するゲーム、鉄騎だ。
鉄騎は知名度に対して販売数は少ないタイトル。
これならもしや、と思い最初に検索してみたが、これが大正解だった。
他のタイトルのRTAと同じく、鉄騎でもいくつかのレギュレーションがあったが、その中で一番走者の多い2080NG——キャンペーン全体の前半戦となる2080年シナリオをニューゲームで開始してミッション10のクリア表示が出るまでのタイムを競うレギュレーションだ——でも3人しかいなかった。
つまり、どんなガバプレイをしようが世界4位以内が確定する。
そのうえ日本人走者は存在しないようだ。
これは僕がRiJに出場するのにだいぶ都合のいいタイトルでは……?
そんなゲス思考が漏れ出しつつも、まずは世界1位の走りを見ることにした。
そこで繰り広げられていたのは、通常プレイでは考えられない行動の連続だった。
上陸作戦で揚陸艦から出撃するときにはまず前にいる味方機撃破、通常移動の速度が遅い機体にもかかわらず近接攻撃連打で軽量機以上の速度で移動して目標地点へ向かう、ネットワーク対戦用の続編である鉄騎大戦ではメジャーなものの無印ではそれほど使われることのないマガジンラッシュと呼ばれる技で瞬間火力を出していく……
RTAという競技ゆえ、ほぼ常時燃費の悪い高速モードを使用したり、どうやっても弾が足りないときを除いて補給はせず機体や武装の変更も最低限の回数にとどめたりと、常識外の行動を見て
「VTの戦い方じゃない……」
と口をあんぐりとあけてしまっていた。
だが、こうも思った。
「これなら世界を獲れるのでは?」
と。
鉄騎RTAで世界記録を獲る
世界1位マンの動画を見ていて気付いたのは、チャートは間違いなく通常プレイとは大きく違うが、操作精度そのものはそこまで自分と差がないのではということだった。
動画でも何度かコケたりしていて、同じチャートで走った場合でも単純にミスせずいけば世界記録(WR)更新も夢ではないのでは、という直感がはたらいたのだ。
善は急げ、さっそく僕は2080NGを走ることにした。2020年8月22日のことだ。
で、いきなり世界2位(当時)のタイムを叩きだしてしまった。
とはいえWRとの差は10分以上。こんなんではまだまだ駄目だ。
初めて走って世界2位というのに浮かれてこのタイムで思わずSRCに申請してしまったが、今後WR更新するまでは申請しねえぞと虚勢を張って9月はひたすら2080NGを走り、自己ベストが40分台になるところまではいった。
そんな時に知らせが届いた。RiJの応募開始の知らせだ。
既に参考用動画として使える2080NGの動画はあるので、この時点で応募自体は可能だったが、ゲス思考を巡らせた僕はある考えを実行することにした。
「誰も走っていない2082NGを走ってWR保持者として応募しよう」
と。
2082NGは、キャンペーンの後半部分である2082年シナリオをニューゲームで開始して最終ミッションでクリア表示が出るまでのタイムを競うレギュレーションだが、2082年シナリオは2080年シナリオからデータを引き継いでプレイするのが通常のスタイルというのもあるのか、9月時点で走者は0人だった(11月時点では1人。僕だ)。
そのため、とにかく走って完走さえすればWRというクソ楽レギュレーションではあったのだが、まあさすがに無様すぎる動画で申請するのも格好が悪すぎるので、撃破されるようなあからさまにタイムへの影響が大きいものはないプレイで申請するのをもくろむことにしたわけだ。
しかし、そもそもパク……参考にできるチャートが存在しないので、走者のいた2082NG+(こっちはデータ引継ぎありで機体制限などないレギュレーションだ)で使えそうなところは取り入れつつも自力でチャートを組まねばならなかった。
走ってみても途中で撃破されるクソムーブを連発しつつも、走り始めて数日後にはなんとかまともに完走することができた。
これで晴れてWR保持者としてRiJに応募できるようになったが、この2082NGを走る間にある誘いが僕のもとへきていた。
ゲームセンターCXマラソンで鉄騎RTAを走る
ゲームセンターCX、本邦のゲーム好きならばかなりの確率でその存在を知ってはいるであろう伝説的ゲーム番組だ。
そのGCCXにあやかり、有野の挑戦でプレイしていたタイトルのRTAをやろうじゃないかと名古屋でRTAイベントを開催している名古屋RTAオフという団体が主催して開催されているのがゲームセンターCXマラソンだ。
第1回は第1シーズンでプレイしたタイトルを走る。
そう、その中に鉄騎が含まれていたのだ。
僕はその時RiJ応募のことしか頭になく、このイベントが開催されることは知らなかったのだが、日本唯一の鉄騎走者ということで、走ってみないかというお誘いがきたのだった。
で、少しだけ悩んだ結果、2080NGを走ることにした。
そのときの様子がこれだ。
ゲームセンターCXマラソンシーズン1 - 鉄騎 #758RTA
正直なところ、普段遭遇しないパターンに連続でぶつかって混乱しまくりで予定タイムオーバーするという失態を演じてしまって申し訳なかったが、とてもいい経験にもなったので本当にありがたかった。
コロナ騒ぎが落ち着いたら名古屋の現地に鉄騎コンを持ち込んで走りたいな、とか思っているのでさっさとなんとかなってほしい。
なお、このGCCXマラソンに出る前の練習中に2080NGのWRを更新してしまった。
世界1位マンのチャートにいくらか改良を加え、約1分ほど記録を縮めたのがこの動画だ。
【RTA】鉄騎 2080NG 43:38.19
そんなこんなでRiJへの応募もして、そわそわしつつも久しぶりの現地で見ることのできるライブとなるラブライブ!サンシャイン!! Saint Snow 1st GIG ~Welcome to Dazzling White Town~のYOKOHAMA公演に参加したり、札幌公演への遠征準備中に、衝撃の結末が僕のもとへ届いた。
RiJに当選したのは
当選してしまったのは最初に書いているのでとりあえず当選確認して奇声をあげているところでも。
ここまで書いてきたのでわかるとは思うが、僕が特に力を入れて走っていたのは2080NGだ。走者もそれなりにいるし、WR更新のモチベーションも高めだったからな。
が、当選したのは2082NG、なんで?????????
正直なところ2080NGよりも自信がない(なんといっても最終面の難易度がやたら高い)ので、当選を確認して1時間くらい奇声をあげつづける程度に喜びつつもやべえことになってしまったなという感がある。
どうしてこうなった。
そんなわけでただいま2082NGを絶賛練習中で、その光景をTwitch配信とかもしているので興味あるひとは冷やかしにきたりしてくれると喜ぶ。
肝心のRiJだが、
2020年12月30日15時1分から走る予定なのでみんな見てくれよな!
あと、解説やってくれる方を絶賛募集中なのでやってもいいぜという方がいるならトゥイッターとかに連絡ください。鉄騎未プレイでも必要な情報とかは伝えるので!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?