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私の好きな世界のMuseum

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子どもたちと共に訪れたMuseumをご紹介しています。子どもの育ちと遊びの専門家として、子どもたちが世界への興味を広げるためにどんな環境が作れるだろうか、という目線で、Museu…
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#親子旅行

私の好きな世界のMuseum:19ハーバード大学自然史博物館

Museumって、求めれば求めるほど、すてきな時間を提供してくれる。訪れた人が、もっと知りたい・もっと得たい・もっと学びたいって思えば、思うだけ、それに応えてくれる。そういう場所なんだなぁ、ということを教えてくれたのが、ここだった。 ハーバード大学内にあるこの博物館は、植物博物館、鉱物学地質学博物館、比較動物学博物館の3つの博物館で構成される。 大学の所蔵物の展示であり、来館者が楽しめる工夫を凝らしているか、と言えば、決してそんな訳でもない。 植物博物館は精巧なガラス細工の

私の好きな世界のMuseum:18台北市立動物園

広大な敷地を持つ台北動物園。動物の生息域ごとに、13のエリアに分かれているらしい。(地理学的展示法!シアトルの動物園の時にご紹介した、動物の本来の生息環境をなるべく再現した展示法だ! 展示にもパターンがあるということを知ると、動物園の見方が変わってきた。) この動物園には、パンダもいればコアラもいて、ペンギンもいれば台湾に生息する動物もいる。ゾウもキリンもサイもカバも、みんないる。思いつく限りの動物は、みんないる、というイメージ。そして、比較的広い環境の中で、ゆったり過ごし

私の好きな世界のMuseum:17マンハッタンチルドレンズミュージアム(ニューヨーク)

「私の好きな・・・」というタイトルに反して、「その時の展示が好みではなかった」という場所も紹介しようと思う。なぜ好みではないのか、という気持ちに向き合えば、きっと、自分が何を大切に思うのか、という気持ちに気づけるから。 そして、あくまでも「その時の展示が」「私の好みではなかった」として読んで頂きたく、施設そのものを批判しようというつもりは全くない。この記事を書くために、施設のWEBサイトを確認したら、現状、コロナ禍の対策打ち出しながら運営を続けていることや、オンラインのプロ

私の好きな世界のMuseum:16ボストンサイエンスミュージアム

ボストンのサイエンスミュージアムには2度訪れた。1度目は兄妹2人で。2度目は、息子の友達と一緒に。息子と友達は共に恐竜や動物が好きな仲良しで、彼らにとっては、好きなものを、好きな相棒と一緒に楽しめる、うってつけの場所だったに違いない。 サイエンスミュージアムは、体験を大事にしているところが多いけれど、その中でも、ここボストン サイエンスミュージアムは、体験が本質的だなぁ、という印象が強い。体験、と言いながらも、子どもたちがただボタンを押すだけだったり、モニターのクイズに答え

私の好きな世界のMuseum:15レッドパス博物館(モントリオール)

そのミュージアムは、緑あふれるキャンパスの中にある、白亜の建物だった。絵本のように美しくて、異世界に迷い込んだようだった。 カナダ、モントリオールにあるマギル大学は、カナダ最古の大学。そのマギル大学内にあるのが、レッドパス博物館で、カナダ最古の博物館と言われている。設立は1882年。 アルバートサウルスの骨格や、エジプトのミイラなどが有名だが、何が展示されているか、というよりも余白の美しさが印象的だった。 ホールの中央に置かれたアルバートサウルス。おかしな言い方かもしれ

私の好きな世界のMuseum:14ロンドン動物園

見学に行ったというよりも、体験プログラムを楽しんだ、という印象の強かったロンドン動物園。記事を書こうと改めて調べてみると、教育プログラムに力を入れているとのこと。なるほど。 ここは、世界で一番古い科学動物園だと言われているらしい。さすがに動物の種類が多い。そして、1つの動物あたりの数も多いように感じた。 1頭がひたすら歩き回っているイメージの多いトラ。複数が同じエリアにいたら、相互に関わり合い、時にはじゃれあったりして、普段動物園で見るトラとは全然違う表情が見える。 キリ

私の好きな世界のMuseum:13チューリッヒ動物園

チューリッヒ中央駅からホテルに向かって歩いていると、[Zoo行き]の路面電車が走って行った。「Zooがある!明日行きたい!」ということで、行先決定。(ドイツ語でも、動物園の綴りは英語と同じ[Zoo]。発音は違う。)中央駅からあまり遠くない終点が、動物園。 創業は1929年と、スイスで2番目に古く、生態系を再現した動物園として有名とのこと。年々その規模を大きくしていて、私たちが訪れた時も工事中のエリアがあった。 こんなに角の美しいビックホーンを間近でみたのは初めてだった。

私の好きな世界のMuseum:9プリマスプランテーション

ボストン近郊の観光案内を観た時から、「うわぁ、行きたーい!」と憧れた場所の1つ。アメリカ入植当時(17世紀)の暮らしを再現した場所。 展示物が並んでいるMuseumではないけれど、公式サイトにも「a living history museum」として紹介されている、れっきとしたMuseum。日本にも建物博物館があるように、こんな風に、昔の建物や暮らしを再現するのもMuseumだよね、と思う。 施設には、入植者の集落のエリアと、昔からこの土地に住んだ人たちの家があり、それぞ

私の好きな世界のMuseum:8スミソニアン②自然史博物館

「スミソニアン博物館」の中でも何より楽しみにしていたのは自然史博物館。大雪による閉館のため一度はあきらめたものの、翌日には開館。楽しみが1日のびた分、期待も喜びも更に大きくなった。 スミソニアン 自然史博物館を画像検索をすると必ずと言っていいほど目にする「巨大なアフリカゾウ」。息子たちの目にはこんな風に見えていたようだ。彼らにとって、Museumで出会うものたち1つ1つは、私が観るよりもずっと大きい。そして彼らに及ぼす影響も、きっとずっと大きい。 動物の剥製は色々なMus

私の好きな世界のMuseum:7スミソニアン①国立航空宇宙博物館

世界で最も有名な「スミソニアン博物館」は、ワシントンDCにある博物館群。 恐竜の化石と動物の剥製を求めてMuseumを遊んでいた私たちは、スミソニアン博物館でも自然史博物館を何より期待していた。 ワシントンDCに到着した日の夕方から雪が降り始めた。大雪により、自然史博物館は臨時閉館。 面白いことに、閉館するかどうかの判断は博物館ごとに違っていて、幸い他の博物館を見学することができた。 国立航空宇宙博物館。 スミソニアン博物館群でも、特に人気の高い場所。それぞれの時代を飛ん

私の好きな世界のMuseum:6ロンドン自然史博物館

2泊3日のロンドン滞在では、バッキンガム宮殿も、ビッグベンも、タワーブリッジも見ていない。 ロンドン動物園に行き、自然史博物館に行った。子どもたちが本当に行きたいところ。定番の観光スポットよりも、その方がいいと思った。その時しか見られないものだし、感じられないものだから。 さて。その自然史博物館は、中央ホールにある恐竜ディプロドクスの骨格標本で有名だったが、それも2017年までの話。今その場所にはシロナガスクジラの標本が展示されているらしい。(そう考えると貴重な写真!)

私の好きな世界のMuseum:5スコットランド国立博物館

記事を書くために、基本データを確認しようとネットで調べて、初めて知ったことがあった。それは、訪問した時には、この博物館の半分も観ていないってこと。たっぷり1日かけても、全部観られなかった、という記憶はあったのだが、それは東館(王立博物館)が全部観られなかっただけで、更に西館(スコットランド博物館)があったそうだ。(知らなかった。) 1日かけても、まだまだ全然時間が足りないくらい、内容がぎゅっと詰まったMuseumということで、ご紹介したい。 この時期、子どもたちと一緒に訪れ

私の好きな世界のMuseum:4モントリオール サイエンスセンター

科学館〈Science Museum〉のある街は多い。どこかの街に滞在して、子どもとどこに行こうかと迷ったら、動物園か科学館を探せば、だいたい何とかなる。 そんな訳で、科学館も色々楽しんだけれど、他とは違う意味で印象に残っているのが、モントリオール サイエンスセンター。 展示が、おしゃれなのだ。 例えば、このボールを転がすレーン。 壁や床の色や模様、ボールが外に出ないための囲いも含めて、ポップで可愛くまとまっている。 この時は、おしゃれで、やってみたくなる雰囲気だな、と

私の好きな世界のMuseum:3ボストン美術館

こんなすてきな場所に出会えたんだよね!と、私がいつも好んで話題にするのがボストン美術館。 全米有数の規模のArt Museumで、日本美術のコレクションが充実していることでも知られている。 ・・・というガイドブックな側面を持つボストン美術館ではなく、近所にあるすてきな場所、という感じの、敷居の低さが好き。 展示室で制作するワークショップ 最初に訪れたのは、ファミリー向けのイベントの日。館内のいくつもの場所で、子どもたちのためのワークショップが実施されていた。展示室のど真