献血の日なので献血について思うことを書く

 8月21日は献血の日らしい。年初に献血センターでもらった卓上カレンダーに書いてあって仕事中に気付いた。僕は献血を90回くらいやっている。その筋の人からすると「まだ90回?」みたいな回数だとは思うが、日本人の平均よりは献血していると思うので、献血について思うところを書く。


献血のきっかけ

 本論に入る前に、献血をするようになったキッカケでも書いておく。
 今はどうか知らないが、僕が高校生の時は年に1回高校にも献血車が来た(冷静に考えると大学みたいに空き時間があるわけでもない高校に来て、授業の時間を放棄させて献血させるのもどうかと思うが)。当時仲が良かった女の子がすでに献血をしたことがあって「授業をさぼれるのでやる」というのに乗ったのが最初である。
 その後しばらくやっていなかったが、大学に献血車が来たときは何度かやる程度であった。しばらくして、サークルで仲が良かった後輩の女が「成分献血の方が負担が小さい」というので成分献血をやった程度だろうか。暇があったらその都度成分献血をしていた気がする。こう考えると女友達の意見に流されてばかりだが。
 事態が急変するのは大学院2年のときである。成分献血が終わって2週間後、献血センターから「みえさん、またやりませんか」と連絡が来た。すでに就職も決まり修士論文以外は暇だったのでのこのこ行くと、また2週間後に「みえさん、どうですか」と来る。3回目くらいに「Rh+のA型なのになぜこんなに連絡が来るのか」と聞くと、「実はみえさんと同じ白血球型の人が入院している。県内に同じ型がみえさんとその人しかいない」とか言い出すわけで、結局半年くらい2週間に一度献血する羽目になった。
 その後、社会人になり、頻度は少なくなったもののちょくちょくやっていた。一時期某岐阜駅前の献血センターで献血したところ「歳の割りに血圧が高い」とか説教を垂れてくるやたら横柄な問診医に出くわし、10年位やる気をなくしたものの、またちょくちょく献血しだして90回、というわけである。すでに肘の内側には注射器痕があり、人間ドックの度に「あら沢山献血してるんですね」と言われる程度である。

献血に応ずる人を増やす努力をしているか?

 年齢がばれるが、僕が大学生の時は、献血をすると500円の図書券をもらえた。これが金がない大学生には非常にありがたく、その図書券で教科書以外の本を色々買ったものである。岩波新書でトーマス・マンの「ファウストゥス博士」が出た時にそろえたのも、献血センターからもらった図書券だった。しかし間もなく「図書券は換金性がある」とかいうつまらない理由でもらえなくなった。まあここは分からなくはない。売血を禁じているのに金券を渡すのはどうかということだろう(昔のように金がない奴が限界まで献血をして金を稼ぐみたいのは、昨今のマイナンバーとか使えば速攻で防げるとは思うが、それは措く)
 ちなみに、昔は「献血経験がある人は、輸血需要が大幅に高まったときに優先的に輸血がしてもらえた」そうである。しかしそれもなくなった。「緊急時に献血をしたことがある人をかき集めるヤバい奴が出てくるから」が理由らしい(wikipediaにそう書いてあったが、真実かはしらない)が、いやそれも本人確認とかそれが本当に親族かとか余裕でわかるでしょ…昭和かよ…。
 というか、金券関係も輸血優先も、個人管理ちゃんとすれば回避できるだろ…。2020年代だぞ今。

 ということで、日本赤十字は色々と理由をつけてどんどん献血をした人の特典を削減している。最近はコロナということで、献血センターのお菓子も昔のようなとり放題ではなく、一人一袋である(これは僕が行っている献血センターがそうなだけで、他は別かもしれないが)。まあ、個人的には連れを連れてきて一人は献血、他はお菓子食べ放題の休憩所みたいな使い方をしているヤバいのがいたことを考えると、この辺はやむを得ないかなと思うが。ただ「献血車で献血する人との公平性を考えて、献血センターでの粗品も削減します」とかは、「献血車で献血する人に色々工夫すればいいのであって、やることが逆では…??」みたいな感もある。

 コミケでオタク向けにクリアファイルやらなんやら配って釣るのもいいけど、結局それが定期的に献血する人をどれだけキャッチアップできているか。献血するようになった人間は「囲い込み完了」として、あとは野となれ山となれみたいになっていないか。というのが、赤十字に言いたいことだ。

 現状のままだと、僕も100回まで行ったらそれ以上は…って感じ。
 ということで、日本赤十字の人が読んだら色々と怒りそうな文章になってしまった。もちろん、人助けのためとかそれ以上の意義をもって僕以上に献血している人が世の中にはごまんといることは重々承知しているが、色々思っていることを、一献血者として書いてみた。

 おわり。 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?