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【2月2日京都市長選挙】市長はどれだけ公約を実行したの?~公約を評価してみた~

1.はじめに

 本記事は、現職の門川大作市長が前回2016年の市長選挙で掲げた公約がどれほど実施されているか、外部者の目から評価するものです。
 我々Mielkaは、2019年7月に行われた参院選でも、自民党・公明党の2013年の公約を対象に、6年間で約束がどれくらい果たされたかを、独自の観点からチェックし、公開しました(https://japanchoice.jp/policy-achievement/)。公約に掲げた以上、市長はそれらの政策をなるべく誠実に執行していく責務があります。あくまで1つの見方ではありますが、門川市長3期目の4年間の実績をチェックし、ぜひ2月2日の投票日、誰に京都市の未来を託すかの判断材料にしていただきたいと思います。

2.具体的な内容

・評価対象
 2016年に門川大作候補が出した公約集「門川大作戦2016 市民のみなさまとの『安心・豊かさ実感』133のお約束」です。
・評価方法
 「(1)」のようなカッコ書きの数字を先頭に紹介されている公約を、基本的に1項目として評価しています。なお、「⑩府市協調による『さらなる二重行政の打破』と、『財政構造の抜本改革』を実行します。」でくくられた部分については、1つの項目の中にさらに市政改革に関する細目が置かれていますが、これは細目それぞれを1つの項目扱いとしました。また、一部項目については1つの文の中に多数の政策目標が書いてあり、物によって進捗度が違うため、分割した上で評価をしてあります。全部で146項目でした。
 各項目は、大見出しと具体的な説明から構成されています。具体的な説明の中に、大見出しからは読み取れない目標などが記載されている場合は、それも評価の対象としました。
 評価基準については、JAPAN CHOICEと同様のものを採用しています。

※達成や実施中の判断基準が2019年9月時点になっているのは、評価に際して主に使用した下記「京プラン」の最新の実施状況が、2019年9月までしか出ていないという技術的な理由によるものです。
※なお、京都市長の任期は2020年2月24日までであるところ、上記のような理由により2019年9月時点までの状況に基づく評価しかできないため、あとから振り返れば「未達成」と評価されるべきものであっても「実施中」として評価せざるを得ないものがあることについてはご留意ください。

・参考資料
 主な参考資料・サイトを掲載します。
 ▶「『はばたけ未来へ! 京プラン』実施計画第2ステージ(平成28年度~令和2年度(平成32年度))(政策編)進捗状況」(https://www.city.kyoto.lg.jp/sogo/page/0000197791.html
 ▶「京都市オープンデータポータルサイト」(https://data.city.kyoto.lg.jp/
 ▶「京都市統計書」(https://www2.city.kyoto.lg.jp/sogo/toukei/Publish/YearBook/
 それ以外の細かい出典については、以下に付す評価表に記載してあります。ご参照ください。

3.結果

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※細長い水色は方針転換です

 さて、上で見ていただいたとおり、門川市長の今期の公約については、「達成」がかなりの割合を占めています。市長は任期中に、自らの公約をかなり実行できていると言えましょう。しかし、これは良いことなのでしょうか?
 見てただければ分かるのですが、「達成」の中には、数値目標がなく、なにかに取り組みさえすれば「達成」と評価せざるを得ないものが多くあります。逆に、実施中に分類されているものについては、明確な基準が設けられているからこそ逆に「実施中」と評価できてしまうものもあります。つまり、やることをぼやかして書けば「達成」が多くなり、きちんと目標を設定すれば「実施中」や場合によっては「未達成」に分類されやすくなる、とも言えるのです。
 公約とは、候補者が有権者に対して行う約束です。その約束は、「子育て支援に取り組みます!」のようなどうとでも取れるものではなく、「任期が終わるまでに保育園を10園整備します!」というような明確なものの方が、有権者にとっても投票の際に判断しやすく、票を投じてもらう候補者としても誠実なあり方でしょう。民主主義にとっては、候補者の業績をきちんと評価し、次の委任に繋げられる点で後者の方がより良いことは明らかです。「達成」が多かったとしても、もしかしたらいい加減な公約で達成数を稼いでいるのではないか、あるいは「実施中」の数が多くても、それは明確な目標を定めた公約が、惜しいところで達成できなかっただけではないか、こういった視点も持って、この表や結果を眺めてほしいと思います。そして今回の公約についても、それぞれがどの程度、有権者に責任ある態度を取れているか、という視点から眺めてみると、また違った発見が生まれるはずです。

4.まとめ

 以上、現職の門川候補の4年間の公約評価を見ていただきました。選挙とは、立候補している人の主張を平等に見比べて判断するものですが、一方で、これまでの4年間を肯定するか、否定するかという観点からも判断するものでもあります。
 Mielkaは今回、前者、つまり各候補者を平等に比較する記事も書いております。市長選挙に興味のある方、どこに投票すれば良いかわからない方は、ぜひそちらの記事もご参照の上、投票先を考えてみてください。

今回行った門川市長の公約評価結果:https://drive.google.com/a/mielka.org/file/d/1jeUW3lfRf63qRep-hqbiovKI4mlqhewk/view?usp=sharing
使用した公約:https://web.archive.org/web/20160310115934/http://www.kyoto-daisakusen.jp/policy/index.php
市長選挙の候補者紹介記事:https://note.com/mielka/n/n82cab6a07890

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