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卑屈なオンライン授業奮闘記4〜ドメイン

前回のお話
https://note.com/miee2018/n/n404f0233e118

3月中の学校再開は無いと決定され、卒業式も必要最小限の人数で挙行していた頃、私はオンライン授業を行うための準備を始めた。

当時はいろいろなサービスが学校向けに無料で提供されていた。Zoomもその中の1つだ。本校でもzoomに登録したが、オンライン授業で使うツールをzoomと決定したわけではなかった。

zoomは確かに素晴らしい。オンラインミーティングのクォリティだけを見れば勝てるサービスは今のところないだろう。
しかし無料提供は期間限定。当然のことだ。向こうは商売でやってるのだから。市が予算計上してくれるならまだしも、学校単体で継続的に料金を支払うのは困難だ。それに、オンラインミーティング以外の機能が、私が理想とするオンライン授業には物足りなかった。

私はずっと、同期だけで行うオンライン授業に対しては否定的だ。
無観客ライブのように、黒板の前で教師が授業をしているのを、オンラインで配信するタイプのオンライン授業は、私の好みではない。ましてや、授業にしっかり参加しているか確認する役割の教師がいるオンライン授業なんて、個人的にはありえないと思っている、

私が理想とするのは、同期と非同期のバランスが良い授業。
同期でずっと子供たちと繋がっているだけでもダメ。
録画した動画のURLを無責任に送りつけるだけでもダメ。
だから授業の流れを子供たちに届ける仕組みが必要だった。

単体でそれができるサービスとしてはMicrosoftのTeamsかGoogleのClassroomがベターであると考えていた。
正直どちらのサービスでも良いのだが、MIEEだし、WordやPowerPointがある方が、テクノロジーに詳しくない先生方を納得させるには有利だろうという理由で、Teamsを使う方向で考えていた。

Teamsをしっかりと使うためには、無料アカウントではなく組織アカウントが必要だ。特に課題を配布回収採点する仕組みを使うためには、絶対に組織アカウントが必要になる。
それがOffice365A1。基本的に学校だったら無料で使える。
A1ではWordやPowerPointなどのアプリケーションはweb版だけとなり、インストールできない。しかしそれで充分である。
小学校の子供たちが使うアプリはweb版で充分だ。
少なくとも本校の場合はインストール版は全く必要がない。

さてこのA1、コロナが蔓延する前から何度か登録に挑戦していたが、その都度ドメインの壁に阻まれて諦めていた。
A1に登録するためには学校であることを示すドメイン、具体的にはed.jpかac.jpが必要になる。
残念なことに本校にはそのアカウントがなかった。plalaが提供している教育機関向けのメールアドレスが1つあるだけで、それでは登録を進めることができなかった。コロナ禍の中でもその壁は存在していた。

どうしたものかと考えているときにふと気がついた。個人でed.jpのアカウントを申請することはできないのだろうか。
今まで考えたこともなかったが、無いのであればとればいいのに。
パンがなければケーキを食べれば良いのと同じように、ドメインがなければドメインをとればよい。
試しに普段自分が使っているドメイン取得サイトで調べてみたところ、申請自体は個人で取得するドメインとほとんど変わらないことがわかった。
ただ1つ、校長の承認が必要であると言うことを除けば。

チェックを1つ入れるだけなんだから、勝手にとっちゃって自腹でやっちゃえばいいんじゃないかと考えていたが、オンライン授業を行うためにはどうしても校長の承認が必要となる。
隠れてできるものではない。
それにこっそりやっていては、大々的に実践を発表できないではないか!
何のために自腹を切ってまでやりたいか。子供たちのため、いやいや自分のためである。
子供たちのためと言うのももちろんあるが、1番は自分のためである。
自分がやってみたいのだ。
外国や先進的な学校でやっていることを、田舎の冴えないおっさん教員である私もやりたい。
純粋なるエゴである。

続く

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