一発屋から積み上げる時代へ

※こちらの記事は、2017年7月にTumblrで書いたものを上げなおしています。

IT屋に勤めて15年以上たちました。インターネットが始まる前と後で何が大幅に変わったかというと

可視化できること

だったりします。

ネットなんてなかった昔、
世間の声は「感覚とセンス」でしか理解できず、それを本能で感じ取れる人が素晴らしいとされ、
企画なども人を驚かせたり、明らかに反応が見えるものが「素晴らしい」とされてきました。

しかし、インターネットというものができ
「反応」だったり「ログ」という「どこから、何アクセスきて、ユーザーがどうウェブサイトを見ているのか」を具体的に数値で蓄積できようになり、

「感覚で受け取りセンスで形にする人」よりも「数字を分析して積み上げる人」のがホームランは打てなくても、安定してヒットは打てるものが創れるため、重宝されるようになったんです。
むしろ「センス」で100本に1本ホームランを打つ人はムラがあるため使いづらくなってしまいました。

従って「センス」よりも「分析」ができる人のが安定的に素早く、企画や良い結果を出せる時代になった⇒積み上げて結果を出せる人のが強くなったんです。

実はお笑いでも同じことが言えると思ってて。

2000年にはじまった「オンエアバトル」やbaseよしもとのランキングシステムくらいから、「反応」が「数字」に転換されるようになりました。

しかしながら、まだまだ「センス、本能として素晴らしいものを持っている人」が上にいる時代でもありました。
裏を返すと全く努力してなくとも、運と勢いでTOPに行く人も多かったし、それが芸人の凄さでもありました。

しかし、M-1グランプリが始まり、場数を踏み、数値や反応をきちんとみて修正をかけられる芸人が有名になる仕組みができたことで、
運と勢いで行く芸人は一発屋になりやすく、分析できる芸人のが使いやすくなってきたんですね。

元祖分析芸人はユウキロックさんだというのは、「芸人迷子」を見て知るわけなんですが、当時の彼の周辺部で分析を信じる人が少なかったという悲しい事実があり彷徨うことになりました。

フット、ブラマヨ、チュート、サンドあたりは「積み上げ」で結果を出した方々だと思うのですが、分析能力100%ではなく、彼らは「センス」も保有していた。だから強かった。

分析と積み上げのみで結果を出したのはノンスタイルだと思っていまして、このあたりから、「反応」「数字」をきちんと読み取り、結果を出す芸人も評価される時代に突入していきます。

また世の中に数値で図れる指標がふえたことで、面白さより「何の数字を追いかければよいか」というほうのセンスに長けている芸人が、効率的な努力方法を生み出し、早くPDCAを回してブレイクするポイントを見つけていく、

「分析積み上げインテリ芸人」ゾーンが出てきた気がします。

上記芸人は瞬発力や本能的な部分は長けていないため、テレビのひな壇などには弱く、情報番組のコーナー仕切りだと毎週積み上げができるため強い、という結果が出ているんじゃないか、と私は思っています。

世の中が「センス」から「数字を見て積み上げる」時代になったと同様、
芸人さんもそういう人たちが増えていくのではないかな、と想像しています。

※2020年注:最近より顕著になってきたなと思っていますし、新しい世代の芸人たちがこれを当たり前にやってるな、と感じます。だからそろそろ「センス」が必要な時代になるかもです。