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【MBTI】INFPが悪の道に走るのを防ぐ方法

ネット上におけるINFPのイメージは、
「繊細すぎてめんどくさいが悪人ではない」
といったところではないだろうか。実際、私達は現実世界でもそのような印象を抱かれがちである。
だがそんなINFPであっても、稀に悪事に手を染める者がいる。私はその実例を何度か見てきたし、悲しいことにその心理状態も共感できてしまった。
自分と同じINFPが理解できる動機で道を踏み外すのを見るのはとても心苦しかったし、できれば誰にもそうなってほしくないと思っている。

よって本記事ではどのような時にINFPが悪の道に走るのか、そしてどうすればそれを防げるのかについて語りたい。
以降の文章は最悪の精神状態に陥ったINFPを書き綴ったものとなる。
このタイプがナイーブな人種であることはよくわかっているので、以降の文章で精神的なダメージを受けそうな予感があるならばブラウザバックをお勧めしたい。

内なる支配欲

INFPは愚痴っぽい。とにかく愚痴っぽい。暇さえあれば自分の生き辛さを語り、日々の悩みや苦しみをネットで発信している。
一体なぜそんなことをするのかといえば、現代社会がINFPの価値観と正反対の仕組みで動いているため生き辛いのもあるし、純粋に自分の内面を表現するのが好きなのもある。
だがもう一つ無視できない理由があって、
それは「弱さを悪用して他人をコントロールしたい」という衝動である。

INFPは自らの内なる支配欲を自覚しているだろうか?
私達が生き辛さを発信する時、
「私が一番可哀想なんだ。誰もが私に同情し、手を差し伸べるべきなんだ」という歪んだ被害者意識が心の奥底で囁いている。

強烈なストレスがかかると、心理機能はまず補助機能を使えなくなるとされる。次いで第三機能も失われ、苦手なはずの劣勢機能が主機能と結びついてしまう。
これをINFPに当てはめた場合、アイディアを与えてくれる閃き(Ne)が機能しなくなり、一般常識に対する配慮(Si)も失い、感情と権力志向(Te)が合わさり、いわゆるFi-Teグリップ状態となる。
この時の主観を文章で表せば、

もう自分が何をするべきかわからない。世の中の決まり事なんて知ったこっちゃない。私がこんなに悲しんでるんだから助けてよ。私のために動いてよ!

といったところだ。
破れかぶれになっている時のINFPはこんな心境なのである。

だから建設的な作業から逃げてひたすら愚痴を零し、自分に対する同情を求めるという動きになりがちなのだ。
もちろんSNSで悩みを発信して共感を求める程度なら実害はないし、そのような行為を辞めろという気はない。それでストレス発散になって健全な状態に戻れるなら何の問題もないのだ。

しかし中には実害のある手段で同情を求める者もいる。
たとえば自殺や浮気を仄めかす、自傷行為で同情を引こうとする、非行に走るといったものだ。私の親戚のINFP男性は、これをほぼ全部やったそうである。
彼は小学生の頃までは絵を描くのが好きな内向的な少年だったが、中学に上がってから成績が下がり、両親の関心が優秀な弟に移ってしまったらしいのだ。
彼はもう一度親に自分を見てもらいたい一心で、わざと身を持ち崩すような振る舞いを続けたとのことである。不良グループに入って問題行動を起こし続けたそうだが、
「叱られている間は父さんも母さんも自分を見てくれるから嬉しい」
という心境だったらしい。
彼の非行はあくまで親の気を引くためのアピールであり、盗みも暴力も気分が悪かったと打ち明けている。
このあたりからも悪事そのものではなく両親の感情をコントロールすることが目的だったのが伺える。

そんなに親の関心を引きたかったなら真面目に勉強を頑張れば良かったじゃないかと思われそうだが、ストレスでNeとSiが使えなくなっているためそのような合理的で勤勉な発想は失われているのである。
おまけに元々Fi(感情)が主機能でTe(権力志向)が劣勢機能なのだから、馬鹿と言われようが無能と罵られようが他人に愛されたいのである。
INFPが言われて一番傷つく言葉は「無能」ではなく「嫌い」なのだ。
だから彼は「どんなに出来の悪い息子でも放っておけない」と思われたらそれで満足だったのだ。

なお彼は母親が涙ながらに「大事な息子なんだからただ生きていればそれでいい」と訴えたことで自分がまだ愛情を抱かれていると確信し、非行から立ち直ったとのことだった。
これがS型やT型であれば「罰則で脅す」「このままでは志望校に入れなくなると諭す」という手法で立ち直ったかもしれない。
だが理想主義者でF型のINFP相手では情緒に訴えなければ何の効果もないのだ。
事実、両親や教師から内申点が悪化しすぎて入れる高校がないと脅された時は、
「このまま落ちぶれていくなら気分がいいくらいだ」
と開き直っていたそうである。社会的な権威にはとことん興味がないタイプなため、学歴を失うことに対する恐れなど全くなかったのだろう。

ただ今回挙げたケースは男性のINFPが非行に走るパターンだったため、弱さの悪用からは少しズレるかもしれない。(人間的な弱さを見せつけるという意味では弱さの悪用に他ならないのだが)。

弱さの悪用で最も頻繁に見かけるのは女性が男性に対して行うものだろう。
簡単に言えば、その弱々しさで庇護欲を刺激し、恋愛感情を利用して複数の男性に金品を貢がせるといった行為だ。
もちろんそういったことをしているINFPは少数派である。
内向的な性格をしているため、そんなことをする度胸がない人が殆どだろうし、普通は罪悪感を抱くだろう。Fiは感情だけでなく倫理観も司っているのだから。
とはいえ不健全な状態に陥ったINFPが他人をコントロールしたがる傾向にあるのは先に説明した通りである。
何より自分とよく似た性格の友人がそのような行為に手を染め、身を滅ぼしたケースを過去に何度か見たことがあるため、全てのINFPが善良とはとても言えないのが本音だ。
同族がその能力を悪用し、男性の心を弄ぶ様を見るのは非常に心苦しかったのを覚えている。
私の中には彼女達と同じ弱さと欲望が潜んでいるため、動機を理解できるのが嫌で嫌で仕方なかったのだ。

金品が欲しかった、複数の異性に言い寄られるのが楽しかった、肉欲に溺れた……そういう理由もあるのだろうが、やはり一番大きいのは他人の心を操り、心配され続けたいという歪んだ自己憐憫だったのであろう。

INFPは自分の内面を発信し、そこに同情や共感が集まった時に途方もない快感を覚える。自分を気遣ってくれる人間に執着し、誰にも渡したくないと思う。この衝動を創作活動に向ければ芸術になるが、異性にぶつければ世間で言うところの頂き女子の出来上がりである。

頂き女子はINFPなのか?

全ての頂き女子がINFPだとは思わない。だが最も有名なR(例のマニュアルを販売した子である)はINFPではないかと感じる。
彼女はどうも普段は口数が少なく、大人しい女性だったそうだ。また獄中で書いた手紙がXで公開されているが、多少の絵心はあるようだ。
彼女は稼いだ金を全てホストに注ぎ込んでいた。このことから金銭自体に執着があるわけではなく、ただただホストに振り向いて欲しかっただけなのがわかる。物欲ではなく愛情が犯行理由だったのだ。

ホスト――決して社会的信用があるわけではない男性に惹かれている時点でJ型ではなさそうだ。どちらかといえばP型にありえそうである。

そしてホスト遊びをするための軍資金を稼ぐ手段が、まともではない。会社に勤めるという発想は最初からなさそうだし、莫大な掛け金を支払うために風俗業界に身を投じている。社会性や一般常識に欠ける気質が垣間見える。しかしそこまでネジが外れているにも関わらず、威圧的、暴力的な要素は感じられない。
恋愛感情を誘発して男性に金品を貢がせるという行為は、限界まで金に困っていた人間にしてはいささか回りくどいように思えるのだ。もっと気の強い不良少女であれば男性を恐喝する、後輩の少女を脅して体を売らせるといった行為に出そうなものである。

私は彼女が公開したマニュアルに目を通してみたが、気前よく貢いでくれるタイプの中年男性(通称おぢ)に好意的な文章を書いているのが印象的だった。詐欺を幇助していると思われないようにそのような表現を使ったという説もあるが、どうだろう。
個人的には、彼女は本当に「おぢ」が好きだったのだと推測している。もちろん恋愛感情ではないが、親切な親戚のおじさんに向ける程度の「好き」は普通に感じていたのではないだろうか。
F型の人間はそもそも相手が誰であろうとうっすら好かれたい、嫌われたくないと思っている。全く好意がないわけではないからこそ、あそこまでマメに恋人の振りができたのだろうし、それが相手の男性にも伝わったのだと予想している。

そして彼女の男性を操ることに対する執着、他人の心の動きに向ける関心は異様だと感じた。何度も試行錯誤を重ね、相当の研究を行ったようだ。
本当は金銭に困窮する以前から、元々人間の心に興味を持っていたのではないか? 自分の言葉で他人が思い通りに動くことに快感を感じていたのではないか? 

また、逮捕直前には複数の男性を騙していることに罪悪感を抱いているような言葉を漏らしていたそうだ。しかし犯罪を助長するマニュアルを配布したことや、脱税に対する罪悪感は口にしていなかったようだ。
他人の心を弄ぶことに罪の意識は抱けても、社会に混乱を招いたことや税を納めなかったことは殆ど気にならなかったのかもしれない。
こうなると全てを感情で捉えて、現実的な事柄には無関心な浮世離れした人物像が浮かび上がってくる。

一連の特徴が全て当てはまるタイプは16タイプのうちのどれかと言われると、私はどうしても自分と同じINFPではないかと思えてならない。

どうすれば健全でいられるのか

結局のところINFPが道を踏み外す原因は、
「現代社会でまともに生き辛い性格でありながら他人の心に取り入るのは上手い」
からに尽きる。
共感能力は本来、健全に使うべきである。そのためにもまずは第三機能であるSiを育てて、勤勉さを身に着けるのが一番であろう。ストレスを溜めて不健全状態に陥らないためにも、学力・体力・収入は上げておくに越したことはない。
そしてもしも親身になってくれる異性が現れた場合、誠実に向き合うことだ。絶対にその人を利用してはならない。

私達のFiは他者への労わりや表現活動に向けるべきであって、他人を操るためのものではないのである。

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