助産師 Beni

助産師 = Mid wife = 女性の一生に寄り添う人 女性がより健やかに、今より…

助産師 Beni

助産師 = Mid wife = 女性の一生に寄り添う人 女性がより健やかに、今より少しだけ自信を持って自分の人生を歩んでいけるように 社会全体が女性のことを正しく理解し、フェアなリスペクトを持てるように 助産師として日々感じていること、考えていることを綴ります

最近の記事

産後ケアはライフラインばりに整備すべき事業

助産師 Beniです。 助産師として働く中で、社会全体が女性の身体のことを理解できたら、 考え方や仕組みがアップデートされて、女性がもっと生きやすくなると考え、 日々考えていることや伝えたいことを綴っています。 今日は産後のサポートが子育てママにとっては電気・ガス・水道に等しいくらい大切である、ということについて考えていこうと思います。 2023年5月17日の日経朝刊で、“市町村の14%が施設不足などを理由に産後ケアの利用を断った”という内容の記事がありました。 これは、

    • 「自分らしい出産」の先に何があるのか

      助産師 Beniです。 助産師として働く中で、社会全体が女性の身体のことを理解できたら、 考え方や仕組みがアップデートされて、女性がもっと生きやすくなると考え、 日々考えていることや伝えたいことを綴っています。 今日は、出産体験と自己実現について考えていきます。 先日、興味深い記事を目にしました。 アーティストであり、「水曜日のカンパネラ」の初代ボーカルをしていたことで広く知られているコムアイさんが妊娠を発表したと同時に、出産をアマゾンの奥地で、それも原住民のもとで行う、

      • 1人で出産するということ

        助産師 Beniです。 助産師として働く中で、社会全体が女性の身体のことを理解できたら、 考え方や仕組みがアップデートされて、女性がもっと生きやすくなると考え、 日々考えていることや伝えたいことを綴っています。 今日は、孤立出産(医療者の介入なく、自宅などで1人で出産すること)の危うさについて考えていきます。 昨今、未婚女性が孤立出産にて出産し、新生児が遺棄されたという内容の報道が多くなされています。 ・2023年2月 京都府向日市の無職の15歳の女性が、自宅で出産した男

        • 卵子凍結するか、しないか。将来を考えること。

          助産師 Beniです。 助産師として働く中で、社会全体が女性の身体のことを理解できたら、 考え方や仕組みがアップデートされて、女性がもっと生きやすくなると考え、 日々考えていることや伝えたいことを綴っています。 今日は、卵子凍結について考えること、選択することが将来にどう関わるのか、について考えていきます。 そもそも、卵子凍結とはどういうものなのでしょうか。 卵子凍結とは「将来的に妊娠できるように若いうちの卵子を採取し凍結保存しておくこと」です。 受精卵の凍結との違いは、

        産後ケアはライフラインばりに整備すべき事業

          安心できると次に進める

          助産師 Beniです。 助産師として働く中で、社会全体が女性の身体のことを理解できたら、 考え方や仕組みがアップデートされて、女性がもっと生きやすくなると考え、 日々考えていることや伝えたいことを綴っています。 今日は、従業員をサポートする雇い主側の取り組みについてお話しします。 足利銀行が、2023年4月より行員が不妊治療に集中して取り組めるように新たな休職制度を設けることを発表しました。 内容としては ・1回の申請で最長2年間取得可能 ・申請回数に上限なし ・行員であ

          安心できると次に進める

          妊娠・出産の適齢期は待ってくれない

          助産師 Beniです。 助産師として働く中で、社会全体が女性の身体のことを理解できたら、 考え方や仕組みがアップデートされて、女性がもっと生きやすくなると考え、 日々考えていることや伝えたいことを綴っています。 今日は、「いつまで妊娠できるのか知ることの意味」についてお話ししていきたいと思います。 「生命時計」(horloge biologique)という言葉があります。 これは、1990年代にフランス政府が行ったキャンペーンで使用された言葉で、政府・メディア・医療機関・

          妊娠・出産の適齢期は待ってくれない

          流れが変われば子どもが増える

          助産師 Beniです。 助産師として働く中で、社会全体が女性の身体のことを理解できたら、 考え方や仕組みがアップデートされて、女性がもっと生きやすくなると考え、 日々考えていることや伝えたいことを綴っています。 今日は、流れを変える少子化対策について考えていこうと思います。 2023年4月現在、少子化対策について様々な案が出されています。 例としては、子ども手当の所得制限撤廃や分娩費用の保険適応、育児休業中の給料の実質全額保証などが挙げられます。 政府の考えとしては“これ

          流れが変われば子どもが増える

          子どもが増える“子育て支援”とは

          助産師 Beniです。 助産師として働く中で、社会全体が女性の身体のことを理解できたら、 考え方や仕組みがアップデートされて、女性がもっと生きやすくなると考え、 日々考えていることや伝えたいことを綴っています。 今回は、今注目されている子育ての支援の「支援」に実際何が期待できるのか、どういうものが望まれてるのだろうか、について考えていきたいと思います。 現在、日本は少子化を爆走中であり、この少子化を止めるには子育て世代が子どもを産むことが必須です。 でも、子育てしづらいとさ

          子どもが増える“子育て支援”とは

          マタニティマークが持つ力

          助産師 Beniです。 助産師として働く中で、社会全体が女性の身体のことを理解できたら、 考え方や仕組みがアップデートされて、女性がもっと生きやすくなると考え、 日々考えていることや伝えたいことを綴っています。 今日は、マタニティマークの持つ力について、最近感じていることをお話しします。 一般的に、マタニティマークは自治体の母子保健の窓口や鉄道会社でもらうことができます。また、航空会社もらえる場合もあります。デザイン性のあるものだと育児関連の店舗やHPのキャンペーンや付録

          マタニティマークが持つ力

          育休をとる父親たちへの期待

          助産師 Beniです。 助産師として働く中で、社会全体が女性の身体のことを理解できたら、 考え方や仕組みがアップデートされて、女性がもっと生きやすくなると考え、 日々考えていることや伝えたいことを綴っています。 今日は、男性に育児を積極的にやってもらうメリットについてお話しします。 2023年4月より、従業員1000人越の企業を対象に「男性の育休取得率」の公表が義務づけられます。 男性の育休取得率を、2021年では14%(厚生労働省調べ、中小企業含む)であるところを、20

          育休をとる父親たちへの期待

          奨学金と出産と少子化と

          助産師 Beniです。 助産師として働く中で、社会全体が女性の身体のことを理解できたら、 考え方や仕組みがアップデートされて、女性がもっと生きやすくなると考え、 日々考えていることや伝えたいことを綴っています。 今回は、女性のキャリアと出産についてのお話です。 岸田総理が2023年2月17日、奨学金の減額返済に関して制度の見直しを検討するとの見解をしましました。 「結婚や出産などライフイベントに応じた柔軟な返済が可能になるように考えている」と。 その内容としては、学生時代

          奨学金と出産と少子化と

          子育ては贅沢?ペナルティ?

          助産師 Beniです。 助産師として働く中で、社会全体が女性の身体のことを理解できたら、 考え方や仕組みがアップデートされて、女性がもっと生きやすくなると考え、 日々考えていることや伝えたいことを綴っています。 今日は、少子化が進む日本で、子どもが増えない理由や子育て世帯が抱える困難さには、金銭面が関係しまくっていると感じたことを私の実体験を絡めながらお話しします。 2022年の出生数が過去最小の79万9728人との発表がありました。 この数字は、1899年以降初めて80

          子育ては贅沢?ペナルティ?

          育児で得るスキル、育休で失うキャリア

          助産師 Beniです。 助産師として働く中で、社会全体が女性の身体のことを理解できたら、 考え方や仕組みがアップデートされて、女性がもっと生きやすくなると考え、 日々考えていることや伝えたいことを綴っています。 今回は、子育て世代の就職問題についてお話しします。 先日、岸田総理が「育児休業中のリスキリング」について語った件で、いろんな意見が出ています。 「産休・育休の期間にリスキリングによって、一定のスキルを身につけたり、学位を取ったりする方々を支援できれば、子育てをしな

          育児で得るスキル、育休で失うキャリア

          妊娠しました。退職しました。②

          助産師 Beniです。 助産師として働く中で、社会全体が女性の身体のことを理解できたら、 考え方や仕組みがアップデートされて、女性がもっと生きやすくなると考え、 日々考えていることや伝えたいことを綴っています。 今回は私自身の経験を書いています。 この記事を読むにあたり、きっと置かれている立場によって受け取り方や考え方は様々で、私と同じような思いを抱く人だけではないだろうな、ということも感じています。 ただ、守られていると思っていた雇用や権利が、妊娠や育児というライフイベン

          妊娠しました。退職しました。②

          妊娠しました。退職しました。①

          助産師 Beniです。 助産師として働く中で、社会全体が女性の身体のことを理解できたら、 考え方や仕組みがアップデートされて、女性がもっと生きやすくなると考え、 日々考えていることや伝えたいことを綴っています。 今回は、つい最近自分自身に起きた経験を書いていきます。 私は、女性がもっと生きやすくなる社会になるためには、助産師として自分がどのような役割を果たせるか、どんな働きができるか、ということを考えて活動をしています。 ただ、今回ここで綴る経験は、残念ながら女性が生きやす

          妊娠しました。退職しました。①

          育休で会社に残される側にも向けられる視点

          助産師 Beniです。 助産師として働く中で、社会全体が女性の身体のことを理解できたら、 考え方や仕組みがアップデートされて、女性がもっと生きやすくなると考え、 日々考えていることや伝えたいことを綴っています。 三井住友海上火災保険が今年の4月から、育休を取得した社員の同僚に最大10万円の一時金を支給する、と発表しました。 これは「育休職場応援手当」と名付けられており、事業所の人数や育休取得者が女性か男性かでも支給額が異なる、とのことではありますが、仕事の負担増を余儀なくさ

          育休で会社に残される側にも向けられる視点