助産師 Beni

助産師 = Mid wife = 女性の一生に寄り添う人 女性がより健やかに、今より…

助産師 Beni

助産師 = Mid wife = 女性の一生に寄り添う人 女性がより健やかに、今より少しだけ自信を持って自分の人生を歩んでいけるように 社会全体が女性のことを正しく理解し、フェアなリスペクトを持てるように 助産師として日々感じていること、考えていることを綴ります

最近の記事

卵子凍結を考える:将来にどう影響するのか?

卵子凍結を選択することで、未来の妊娠・出産への道がどのように開けるのか? 今回は卵子凍結の概要と、そのメリット・デメリットについて考えてみたいと思います。 卵子凍結とは?卵子凍結とは、将来的に妊娠できるように若いうちに卵子を採取し、凍結保存しておく方法です。 卵子凍結には以下の2つの適応があります •医学的適応:悪性腫瘍などの治療により卵巣機能が低下する可能性がある場合、将来の妊娠の可能性を残すために行います。 •社会的適応:現在は妊娠予定がないが、将来の妊娠を希望する未婚

    • 「いつまで妊娠できるのか?」知ることの意味とは?

      妊娠や出産には適齢期があることをご存知ですか? 生物としての「生命時計」は、私たちの体に刻まれたタイマーのようなものです。 今回は、妊娠適齢期の重要性やライフプラン教育について考えてみたいと思います。 生命時計とは何か?「生命時計(horloge biologique)」という言葉は、1990年代にフランス政府が行ったキャンペーンで広まりました。 このキャンペーンは、政府、メディア、医療機関、大学が連携し、妊娠・出産の適齢期に関する知識を社会全体に広めるために行われたもので

      • 男性の育児参加が家族にもたらすメリットと育児休業制度の現状

        男性の育児参加は家族全体にどんなメリットをもたらすのでしょうか? また、育児休業制度は実際に効果を発揮しているのでしょうか? 今回は、男性の育休取得の現状と、育休をより有効に活用するためのポイントについて考えていきます。 男性の育休取得率の公表義務とその背景2023年4月から、従業員1000人を超える企業に対して「男性の育休取得率」の公表が義務づけられました。 現在、男性の育休取得率は2021年時点で14%(厚生労働省調べ、中小企業を含む)ですが、政府は2025年度に50%

        • 産後ケアが子育てママに与える影響とその重要性

          出産後の母親にとって、産後のサポートがどれほど重要かをご存知ですか? 産後の身体的、精神的なケアは、母親自身の健康を守るだけでなく、育児の質を高め、子どもにも良い影響を与えます。 今回は、産後ケアの現状と課題について考えていきます。 産後ケアの現状と課題厚生労働省によると、産後ケア事業は「母親の身体的回復と心理的安定を促進し、健やかな育児ができるよう支援すること」を目的としています。 この事業は2019年に法制化され、産後の母子に対して切れ目のない支援を提供する取り組みで

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          不妊治療と仕事の両立、足利銀行の新しい休職制度が変える未来

          不妊治療と仕事の両立は、多くの人にとって大きな課題です。 頻繁な通院や治療期間の不透明さ、治療結果に伴うストレスなど、多くの人がこれらの問題に直面し、治療を続けるために仕事を辞めざるを得ない状況もあります。 しかし、足利銀行はこの問題に対して新たなアプローチを示しています。 足利銀行の不妊治療サポート制度とは?2023年4月、足利銀行は不妊治療に専念できる環境を整えるための新しい休職制度を導入しました。 この制度の特徴は以下の通りです。 •最長2年間の休職が可能:1回の申請

          不妊治療と仕事の両立、足利銀行の新しい休職制度が変える未来

          今注目の子育て支援、本当に必要なのは何?持続可能な支援の形を考える

          助産師 Beniです。 助産師として働く中で、社会全体が女性の身体のことを理解できたら、 考え方や仕組みがアップデートされて、女性がもっと生きやすくなると考え、 日々考えていることや伝えたいことを綴っています。 今回は、今注目されている子育て支援について、実際に何が期待できるのか、どのような支援が望まれているのかを考えていきたいと思います。 現在、日本は少子化を爆走中であり、この少子化を止めるには子育て世代が子どもを産むことが必須です。 でも、子育てしづらいとされる現状は

          今注目の子育て支援、本当に必要なのは何?持続可能な支援の形を考える

          生理休暇は女性の味方なのか?利用率が低い背景と今後の課題

          助産師 Beniです。 助産師として働く中で、社会全体が女性の身体のことを理解できたら、 考え方や仕組みがアップデートされて、女性がもっと生きやすくなると考え、 日々考えていることや伝えたいことを綴っています。 今日は、「生理休暇は女性の味方なのか?」というテーマで考えていきます。 生理休暇の特徴と利用状況 生理休暇とは、生理中に体調が辛く、働くことが難しいときに女性が取得できる休暇です。 その特徴としては、以下の点が挙げられます。 • 正社員・パートを問わず取得可

          生理休暇は女性の味方なのか?利用率が低い背景と今後の課題

          助産師 Beniの想いとビジネスネームの由来

          助産師 Beniです. 助産師として働く中で、社会全体が女性の身体のことを理解できたら、 考え方や仕組みがアップデートされて、女性がもっと生きやすくなると考え、 日々考えていることや伝えたいことを綴っています. 今日は、何故私の活動の屋号を「Beni」と名付けたのか、のお話です. 「Beni」の意味と象徴 「Beni」は「紅」から着想を得た名前です。 「紅」は、口紅や頬紅などを連想させ、古くから女性を象徴する色として広く知られています。 女性のために、そして女性がより生

          助産師 Beniの想いとビジネスネームの由来

          「2位」を悔しがるのは誰なのか?

          助産師 Beniです。 助産師として働く中で、社会全体が女性の身体のことを理解できたら、 考え方や仕組みがアップデートされて、女性がもっと生きやすくなると考え、 日々考えていることや伝えたいことを綴っています。 今日は先日投票日を迎えた都知事選、その投票日の報道についてメディアに対して感じたことをお話しします。 「2位になって嬉しいですか?」 次席という結果となった石丸伸二氏に対して、日テレの選挙特番で中継を繋いだ際、同番組に出演した社会学者古市憲寿氏が投げかけた質問です

          「2位」を悔しがるのは誰なのか?

          ベビーカー畳む?畳まない?

          助産師 Beniです。 助産師として働く中で、社会全体が女性の身体のことを理解できたら、 考え方や仕組みがアップデートされて、女性がもっと生きやすくなると考え、 日々考えていることや伝えたいことを綴っています。 今日は交通機関でのベビーカーの畳む?畳まない?論争についてお話ししたいと思います。 先日、もうすぐ一歳を迎える息子を連れて、都内へ出かける機会がありました。 その時私の頭を悩ませたのが「ベビーカーを畳むことはマストなのか?」ということでした。 なぜなら「ベビーカー

          ベビーカー畳む?畳まない?

          小池百合子氏に問いたい、無痛分娩助成の意義とは

          助産師 Beniです。 助産師として働く中で、社会全体が女性の身体のことを理解できたら、 考え方や仕組みがアップデートされて、女性がもっと生きやすくなると考え、 日々考えていることや伝えたいことを綴っています。 昨年の7月に出産しました。 noteへ書きたいことも多々ありつつも育児に没頭しているためなかなか書けずに一年。 ですが、どうしても声を挙げたい!と思うことがあり、久しぶりに書きます。 「小池百合子氏 無痛分娩への女性検討 都知事選公約」(日本経済新聞2024年6月

          小池百合子氏に問いたい、無痛分娩助成の意義とは

          「自分らしい出産」の先に何があるのか

          助産師 Beniです。 助産師として働く中で、社会全体が女性の身体のことを理解できたら、 考え方や仕組みがアップデートされて、女性がもっと生きやすくなると考え、 日々考えていることや伝えたいことを綴っています。 今日は、出産体験と自己実現について考えていきます。 先日、興味深い記事を目にしました。 アーティストであり、「水曜日のカンパネラ」の初代ボーカルをしていたことで広く知られているコムアイさんが妊娠を発表したと同時に、出産をアマゾンの奥地で、それも原住民のもとで行う、

          「自分らしい出産」の先に何があるのか

          1人で出産するということ

          助産師 Beniです。 助産師として働く中で、社会全体が女性の身体のことを理解できたら、 考え方や仕組みがアップデートされて、女性がもっと生きやすくなると考え、 日々考えていることや伝えたいことを綴っています。 今日は、孤立出産(医療者の介入なく、自宅などで1人で出産すること)の危うさについて考えていきます。 昨今、未婚女性が孤立出産にて出産し、新生児が遺棄されたという内容の報道が多くなされています。 ・2023年2月 京都府向日市の無職の15歳の女性が、自宅で出産した男

          1人で出産するということ

          流れが変われば子どもが増える

          助産師 Beniです。 助産師として働く中で、社会全体が女性の身体のことを理解できたら、 考え方や仕組みがアップデートされて、女性がもっと生きやすくなると考え、 日々考えていることや伝えたいことを綴っています。 今日は、流れを変える少子化対策について考えていこうと思います。 2023年4月現在、少子化対策について様々な案が出されています。 例としては、子ども手当の所得制限撤廃や分娩費用の保険適応、育児休業中の給料の実質全額保証などが挙げられます。 政府の考えとしては“これ

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          マタニティマークが持つ力

          助産師 Beniです。 助産師として働く中で、社会全体が女性の身体のことを理解できたら、 考え方や仕組みがアップデートされて、女性がもっと生きやすくなると考え、 日々考えていることや伝えたいことを綴っています。 今日は、マタニティマークの持つ力について、最近感じていることをお話しします。 一般的に、マタニティマークは自治体の母子保健の窓口や鉄道会社でもらうことができます。また、航空会社もらえる場合もあります。デザイン性のあるものだと育児関連の店舗やHPのキャンペーンや付録

          マタニティマークが持つ力

          奨学金と出産と少子化と

          助産師 Beniです。 助産師として働く中で、社会全体が女性の身体のことを理解できたら、 考え方や仕組みがアップデートされて、女性がもっと生きやすくなると考え、 日々考えていることや伝えたいことを綴っています。 今回は、女性のキャリアと出産についてのお話です。 岸田総理が2023年2月17日、奨学金の減額返済に関して制度の見直しを検討するとの見解をしましました。 「結婚や出産などライフイベントに応じた柔軟な返済が可能になるように考えている」と。 その内容としては、学生時代

          奨学金と出産と少子化と