見出し画像

千葉雅也さんの『オーバーヒート』読了

ひと月半の大阪出張ホテル住まいの時、活字中毒の相方が


「読む本がない…」
と言っていたので催事に常に立っている相方より、私が補助的な事務で動いてるので阪急の向かいの紀伊国屋で文庫版で購入。

大体私の選ぶものをとりあえずはこき下ろすのが相方のスタイルなので案の定翌日に
「面白かったけど文章下手」
と返してから
私は文章を読むのが遅いのでちまちま読んでいたのだけど、氏の描いている大阪の風景が丁度泊まっていた淀屋橋の風景に重なったって、視覚的な風景が容易に想像される小説は私にとっては嬉しいので楽しんで読んだ。
丁度、一度だけランチに入ったこぎれいなビストロで鰹節だしのミートソースにがっかりしてたところなので、ビストロの下りは私の経験みたいに笑ってしまった。
ゲイ友からちらっと聞いてたハッテン場の様子はちょっとノンケのハプバーぐらいしか私には想像つかなかったが、昔六本木で観た、「ゴムのないセックスをすることこそ最も性愛に対して真摯で崇高なことである」みたいなスローガンでHIVで倒れていく仲間を解放し続ける秘密結社の映画みたいな精神性だなぁと想像してみたり(実際そこまで深く考えない人も多いんでしょうが)
読みやすかったし、私は面白く読めました。

後日、相方が
「あの人の文章、性愛の描写があり来たりじゃなくなんか深かった…共感する部分があった」
とは言ってくれました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?