Studio one Pro 7
Studio one ProをVersion3から愛用している。当時、Techno勢御用達だったCubaseの元開発陣が新しく作ったDAWで、砂原良徳氏が使いやすいと言っていたことが、一番の理由だ。
「7」では、料金体系が変わるようなので調べてみた。
Studio oneの更新価格
これまでは、大体2年に1回のメジャーアップデート時に15000円~17000円(円相場で変動)のアップグレード費用がかかっていたのだが、今後は、Version名が1年毎に新しくなり「永続ライセンス+1年間の新機能リリースの獲得権利」(UPGは149.99ドル)か、Studio one Pro+「永続ライセンス+新機能リリース獲得権利+クラウドやコンテンツループ」(年間179.99ドル)を選ぶことになる。
常に最新を手に入れようとすると、2年に1回が1年に1回になるので、更新費用が倍以上になる。現バージョンで不満はないので、気に入った新機能がリリースされたタイミングで、アップグレードするという方法を選べば良い気もする。
これまでBFなどのセールは、クロスグレードや下位からのアップグレードが対象で、バージョンの更新でセールはなかったように記憶している。さらに、今後も年149.99ドル(21000円)というアップグレード価格なのか、変動があるのか、よく分からない。
少しだけ、DAWの乗り換えを考えてみたい。
1:Logic Pro
Mac専用DAW。ちょうど、PCの買い替え時期が来ているので、WinからMacに乗り換えるという選択肢もある。その場合、価格は3万円(Studiooneは現在、新規購入価格28000円)。
買い切りで使い続けられるが、最近のMacを調べてみるとOSが年1回、CPUも年1回の頻度で新型になっている。DTM界隈では、プラグインメーカーの対応が追いつかないため、OSのアップデートはしばし待つというのが定石らしい。(想像でしかないが、最新OSとCPUの動作確認&対応を迫られるコストが、各ベンダーがサブスクに移行する一因になっているのでは?)
「DTMでMacは何年使えるのか」ということを考えると、自分がメインで使っているプラグインベンダーのSoftubeは、OS12(2021年10月)以降の対応。それ以前でも、レガシーバージョンを提供してくれているが、最新についていこうとすると「DTMでMacの買い替え頻度は4年に1回」ということになる。6年前のWindowsを使っている身としては厳しいのだが、これについては、追って調査をしている。
2:Live
一度、真剣に乗り換えを検討した(Studio one VS Live参照)のだが「慣れ」というシンプルな理由で諦めた。お値段は最上位が84000円…
3:FL Studio
クロスグレード版21800円。生涯アップデート無料って、スゴい!
4:Cubase
新規購入最上位クロスグレード版41000円前後、アップグレード13200円前後。最近は1年7ヵ月程度の頻度でメジャーアップデートしているよう。
5:Bitwig Studio
¥52,800(2024年10月現在のセール価格)。Plugin botiqueで簡易版をもらったが、残念ながら期限が切れていた。今後のアップグレードにかかるコストがよく分からない。electronic musicとの相性は良さそうで、一番気になったので、デモしてみた。
まず、Studio oneのソングファイルを「DAWproject」という形式で保存すると、Bitwigで完全再現した状態で開くことができる。Studiooneの乗り換え先としてはベスト。Abletonのエンジニア達が独立して作ったDAWということもあり、Liveと感じは似ている(CubaseとStudiooneの関係に似ている)。モジュールのように、MIDIランダマイザーのようなものが挿せたり、各ソフトのパラメーターの変化をパッチングで操れたりと、DAW全体がモジュラーシンセっぽいというelectronic musicに最適な作りになっている。
驚いたのは軽さ。Studiooneも動作が軽いと感じるが、それと同等以上に軽い。プラグインがクラッシュして、DAWが落ちるということはよくあるが、それがない仕組みを積んでいるというのも魅力的だ。新参DAWの利点が随所に生きている。Live使いだったら、乗り換えていたかもしれない。
本気で乗り換えを検討していたが、Studiooneと決定的な違いを感じたのが「音の鋭さ」。こういうことを言い出すと、プラシーボとかバイアスとか、危険な領域に入るので、あくまで個人的見解ということを理解してほしい。UVIのHX-20という次世代シンセエンジン「HX音源」を使って、KORG MS-20をモデリングした音源があるのだが、これが、ビチビチした音が鳴る(実機では鳴らないと思う)ので、気に入っている。それが、StudiooneとBitwigで違って聴こえるのだ。
当初、Bitwigの音が小さいのか?とか、AIFの設定のせいか?と試行錯誤してみたのだが、どうやっても、Bitwigの方がトゲが無く聴こえてしまう。歌モノやゲーム音楽、劇伴などでは全く気にすることのない違いだが、electronic musicの際どい電子音を鳴らすことに命をかけている身としては、気になりだすと止まらない。書き出すと分からなくなるので、Studiooneは再生時にディザをかけているせいだろうか?
それ以外の部分は、Liveをデモした時(当時は、HX-20を持っていなかったので、鋭さの違いは不明)にも感じたように、DAW自体がモジュラーシンセのような楽しさを持っている。
まとめ
Studiooneの録音装置然とした真面目さに、時々退屈さを感じるので、浮気したくなるが、「制作時に好きな音が鳴る」という実直さは、DAW選択の大きな決め手になった。よって、Studiooneと添い遂げることにした。
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