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さよならプラグイン

ブラックフライデーが終わりました。今年もデモ&断念を、繰り返しました。今後のために、別れを告げたプラグインを書き残します。

1:音良くなる系1~MIX最終段に挿したくて

Pulsar Mu ManleyのStereo Variable Mu Limiter Compressorのエミュレーション。サイドチェーン、MS処理などプラグインならではの処理もできます。
「クリア、柔らかい、スムース、真空管の質感、ナチュラル」と好評です。ただ、「Electronic music向きではなさそう」との、ツイッター情報で踏みとどまりました。
石野卓球氏のアルバム「Lunatique」制作時、ミックスエンジニアが実機を通したものと、内部ミックスしたものを曲ごとにジャッジしてもらったところ、卓球氏は10曲中2曲をVariMu(実機)を通ったほうを選んだというエピソードがあったことを思い出しました(出典:サンレコ)。そのエンジニア曰く「高域は丸くなるが中低域にハリが出る」。楽曲を選ぶタイプのようです。

softube weiss mm-1  mastering maximizer マスタリング用のマキシマイザー。マキシマイザーは、音圧上げる用途に特化したリミッター…? Loudモードは、確かにLoudになりましたが、自分のトラックは、そもそも荒々しいので「トーンとダイナミクスはそのままに、好きなだけラウドにプロセス可能」という効果が実感できませんでした。

Heavyocity PUNISH コンプ、サーチュレーション、トランジェント、EQ、リミッター機能を持つ複合万能マスタリングエフェクター。自曲のマスターに挿したところ、かなり好印象でした。しかし、別の曲でやったら「?」。最初の曲の好印象の理由を探ったら「トランジェント」が肝だったようで、曲で使っていた音のアタック感が弱かった部分を、立ててくれたようでした。「?」の曲は、アタックの強い音をたくさん使っていたので、効果が感じられませんでした。最終段で行うべき処理のすべてを備えているので、映画音楽的な曲(ストリングスのような持続音が主役で、アタックのある音が時折顔を出すような)には、最適かもしれません。リミッターもバスコンプもEQも、好きなプラグインがある場合、出番は微妙です。

Tone Empire Goliath 「ソリッドステート、真空管、テープといった3種類のサチュレーターに、トランジェントシェイパーとアナログEQを搭載したプラグインエフェクター」。星野源「POP VIRUS」で、録音した音をひずませるため、ドラムやボーカル、ピアノなどに使われました(出典:サンレコ)。こういう類のものは、録音素材向きで、加工された音しか使っていない身としては、手を出す必要性は感じません。

Signum Audio  BUTE Limiter2 透明性の高いリミッター。「透明性が高い」=処理が控えめ。という理解です。今の所、マスターチェインにリミッターを2つ挿す必要はないという考えでいます(いずれ、最終段の考え方をまとめたいと思っています)。

boz digital labos  Big Clipper リミッターとクリッパーを組み合わせたプラグイン。クリッパーは、一定値を超えた部分を平らにするということで、簡単に言うとディストーションだと思います。参考動画では、粗目のデジタルノイズが足されていることが確認できます。マスターで挿すのは恐ろしいです。

Leapwing audio dynone マスター向けの高機能マルチバンドコンプレッサー。Center-Side処理やパラレルモード、クロスオーバーフィルターのタイプが選べるといったところが新しいですが、処理が複雑なだけに重いようです。セール価格でもそれなりのお値段でした。fabfilterの製品もですが、パラメーターが多いプラグインは、あちこち触っていて、結局分からなくなるので(失敗経験あり)、色々と分かってからにしたいと考えています。

Softube Drawmer S73 マスター用のインテリジェント・マルチバンド・コンプレッサー。明るさと鮮やかさが出るようです(こういう曖昧な言葉を解説するDTM語辞典を作りたいと思っていますが、時間がありません)。スタイルを選んで、アマウント量を調整という便利ツールなので、見送りました。

WAVES NLS サミングミキサーをシュミレーションしたプラグイン。アナログ卓を通したようなサウンドが得られます。しかし、全チャンネルに挿して、BUS調整してという作業をする手間に耐えられそうにありません。

WAVES  WLM PLUS トゥルーピークリミッターが付いたアナライザー。TPリミッターは、リミッターの後段に、安全弁として欲しいという気持ちはありますが、ピークを潰すことに代わりはないので、最終ゲインを-1.5dBにすれば、-1.0dBに収まるので、そういう運用を選択しています。

FLUX Pure Limiter 限りなく自然で透明なリミッター。不自然な音楽を作っている身としては、限りなく不要なリミッターということになります。


1:音良くなる系2~音を目立たせたくて

Softube Harmonics アナログ・サーチュレーション・プロセッサー。サーチュレーターは、手持ちのものがまだ使いこなせていないので、まず、そちらを使いこなしたいです。

Softube Transient Shaper トランジェントシェイパーは、音のアタックとディケイをイジる比較的新しいエフェクターです。このプラグインは、高域、低域、全域と周波数を分けたアプローチができるのが特徴です。デモでは、音のアタックとリリースを意識しつつ、帯域を意識するということの難しさを思い知ることになりました。

Oxford TransMod トランジェントのアタック感をいじるプラグイン。デモしてみたが、効果が分かりにくかったです。生楽器系の2ミックスで、繊細な処理を行う用とお見受けします。

WAVES  Scheps Parallel Particles AIR、BITE、SUB、THICKの4つのパラメーターをノブで操る便利ツール。AIR=ハーモニックジェネレーター、BITE=トランジェントシェイパー、SUB=高域をカットした上での低域エンハンス、THICK=アタックの遅いコンプ。という仕様です。mastering the mixのプラグインにも言えますが、個別処理を統合して便利にするのは時短になります。しかし、コンプやEQの何たるか習得中の身としては、当面控えたいと思います。

UAD Little Labs vog 低域強化プラグイン。40Hzと42Hz、100Hz、200Hzを軸にして18~305Hzまでの低域を強調します。「ターゲット周波数ピーク以下は、オクターブ-24dBのスムーズなカーブで減衰し、音量が高いほど不要な部分をカット」という仕様です。フラットにしてもハードウエアのドライサウンドはモデリングされます。これらから、生音源向きと思われます。

Wavesfactory TrackSpacer 複数のトラックの周波数をオートで住み分けてくれるダイナミックEQ。操作が簡単で効果も分かりやすかったです。サイドチェーンソースを32分割して分析して、その逆の分を挿したトラックのEQに適応するということで、録音素材やボーカル曲向けと思われます。加工音の場合、音の重なりを意識しているので、周波数帯のかぶりが問題というよりは、周波数帯のかぶり方のさじ加減に気を配っている気がします。ボーカルみたいな明確な主役がなくて、音のレイヤーで形作る音楽の場合、マルチバンドコンプのサイドチェインでうっすらやる方が、理にかなっている気がします。ただ、ダッキングみたいな、このエフェクターをつかった新しい音楽表現ができそうな気はしました。

2:飛び道具


XLN AUDIO  RC-20 超定番LOFIエフェクター。複合的処理ができて、リヴァーブもあるのが気が効いています。ただ、Casseteを持っているので、重なるところが多く、そこまでLOFIに傾倒してもいません。

Waves kaleidoscope フランジャーとコーラス等の複合プラグイン。デモしたが、両エフェクトへの熱い思いがまだ足りないと感じました。

Sofutube OTTO Biscuit ビットレート落とすのは稀なので、気軽な価格でないと手にしにくいです。

WA production Venom グラニュラーFX。音が好きになれませんでした。

Philta XL Filter by Vengeance Sound フィルタープラグイン。eLicenserがいるので、敬遠しました。

Waves Metafilter 激しいフィルター処理できません。フィルターには激しさも求めたいと思います。

DJ Swivel Spread 帯域の境目の所が苦手な音でした。イメージャーは、音の広がり方の好き嫌いが大切と考えます。izotope imager も waves S1 imager も苦手で、waves center と studio one binaural Pan は好きです。扱っている音の問題だと思います。

melodyne Editor studio oneと連携抜群のオーディオ編集ツール。editorにアップデートするために貯めていたお金が、別のプラグインに消えるということを毎年繰り返しています。

3:音源


Future Audio Workshop sublab サブベース生成シンセ。サブベースは専ら、JP8080のベースを使っています。ただ、ハードウエアなので音量が安定せず「ブオン」という振動を保持し続けた状態で、曲を完成させることに成功したことはあまりありません。気がつけばトラックごと消すこともあります。そもそも、サブベースを必要としているのか、という大きな問題もあります。

UVI Xtream FX 効果音音源。好きな曲たちの展開を分析したところ、ほとんどが効果音ではありませんでした。ライザーが入っている曲もあまり聴きません。

D16 Group Drumazon 今回のブラックフライデーで、plugin botiqueのおまけでもらいました。あの時、我慢したけど、こんな形で再開するとは思いませんでした。エフェクトをかけても、揺るがない音はさすがだなと、使って気づきましたが、もう少しマニュアル読まないと使いこなせません。

UVI world suite2 アップグレードは、これを逃したら、この値段はないという重圧があります。エレクトロニック音楽のアクセントとして使っているので「民族楽器を網羅したいわけではない」という、どなたかのツイートで、ギリギリこらえました。


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