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トラックにさすリミッターを考える

リズムに汚し系のエフェクトを掛けて波形に書き出す時、ゲインオーバーすることがある。フェーダーを下げて対応するが、音が小さくなる。結局、ダイナミクス系のプラグインで音圧を上げることになり、時間の無駄だ。

これを回避するため、一番手っ取り早いのが、後段にリミッターをさしてしまうことだ。手持ちのリミッターは、studioone純正、Waves Rcomp(L1のアルゴリズムを内蔵、止めてくれます)、Waves L1、Invisible Limiter G2の4人。ということで、トラックにさすリミッターの再現度を競う「ものまね選手権」を開催!

R-COMP

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コンプとしてではなくリミッターとして使いたいので、色付けを排すため設定は、ゲインオーバーしている部分が少しなので、作動しないと思われる。「アタックとリリースは最も遅く、ARC(オートリリース)、Electro、smooth」
聴き比べてみると、ほとんど変化はないように感じるが、若干太くなったように聴こえる。

Limiter

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純正。リリースは手で調整する必要があり、10msぐらいが似て聴こえるように感じた。音は、R-compより変化がないように感じる。このひと手間をどう捉えるか。

L1

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ブリックウォールリミッターの元祖。OUT CEILING(シーリング=天井)は-0.1dbにする必要あり。R-compより音が大きくなったように聴こえる。

invisible limiter G2

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導入から3年、圧倒的な信頼感。絶妙な音圧感が出るので、リミッターをかける意味がある。今回は再現性の高さを重視し、色付けの少ない設定を探った。

比較

先入観を消すため、4U BlindTestを使用。
リミッターを掛けずに書き出したWAVを波形上でゲインを上げ、元と同じように鳴るようにして(ゲインオーバーはするが)音を比較。そっくりを探して、最終的にご本人と一番そっくりさんが優勝ということにする。

第1回:L1 vs Limiter
Limiterの勝利。L1は圧が出てしまい、誇張がすぎる。

第2回:invisible vs rcomp
invisibleの勝利。やはり、Rcompの方が重心が下がった感じ。

決勝:invisible vs Limiter
元の音を混ぜた3トラックで比較しているため、最初は、リミッターのかかった2トラックを選んでしまった。多少、音圧が出てしまうのは仕方ないのかもしれない。広域に注目して比較したところ、invisibleの勝利。金属音の残響成分があるようなドラムだったので、その部分の再現性(響きの音量)で差がついた。リリースの設定を追い込めば、Limiterでも再現できるのかもしれないが、オートリリースに軍配。

最終戦

念の為にゲインオーバーすることはあまりない、アタックがある持続音でもテスト。
ほとんど差が分からないが、似ている2つを選んだらinvisible。ということで、モノマネ王に決定。

結論
微妙なゲインオーバーを時短で整えるリミッター。プラグインの差より、設定が肝で、何を使っても色は付いてしまう。手持ちではさすがの「invisible」。R-COMPはリミッター内蔵で、電子レンジ的便利さあり。

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